CURRENT REPORT

2009.12・2010.1/vol.12-No.9・10

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世界が認める技術やデザイン 携帯電話市場で「L」ブランド強化へ

 9割目前の人口普及率(※)、販売奨励金廃止による買い替えサイクルの長期化などにより、販売台数の減少を見せている日本の携帯電話市場。事業からの撤退、他社との統合を発表するメーカーも相次いでいるが、韓国を本拠とするLG Electronics Japanは、この夏から、NTTドコモに日本市場専用端末「LGジャパンモデル」を供給して、本気で取り組む姿勢を見せている。そこで同社の広報担当金東建氏とマーケティング担当尾花圭介氏に、携帯電話事業の方針について聞いた。

※総務省の発表によると、2009年6月末の携帯電話およびPHSの契約数は1億1,302万5,000件で、総人口で割った普及率は88.5%。

LG Electronics Japan 課長/経営支援グループ 広報担当 金東建氏(写真右) 課長/マーケティング コンシューマー エレクトロニクス セールスグループ 尾花圭介氏(写真左)
――LGの携帯電話事業の特長とは

金 昨年度、世界におけるLGの携帯電話の市場シェアは、ノキア、サムスンに次ぐ3位で、北米、ヨーロッパを中心に約1億700万台を販売しています。これは日本国内の販売台数の2.5倍以上、国内トップシェアメーカーの約10倍に相当しますから、部品調達コストの面で他の国内メーカーと比較すると圧倒的に有利です。こうしたスケールメリットをキャリアへの納入価格を通じて市場価格に反映させられることは私たちの強みです。
 また、他の海外メーカーとの比較ではカスタマイズ、ローカライズする力に秀でていると思っています。LGでは製品のデザインや仕様を、その国のマーケットに合わせて対応させています。ただし、日本では携帯電話に求められる機能の違いもあり、海外でヒットした製品のデザインを手直しして投入するだけではなかなか通用しません。世界で累計2000万台ぐらい売れた「チョコレートフォン」というヒット商品を、2007年に大きな期待を込めて日本で販売したのですが、デザイン面では高い評価をいただいたものの、ヒットにまでは至りませんでした。
 そこで、今夏、日本のスタッフの企画による携帯端末「L-04A」と「L-06A」をLGジャパンモデルとして発売したのです。

――「L」を訴求した広告が印象的です

尾花 今回の広告の目的は、一義的にはブランド認知度を今まで以上に引き上げるところにあります。携帯電話の型番は、「L-04A」のようにメーカー名とモデル番号で構成されます。私たちは日本の携帯電話市場に参入して3年がたっていますが、当社を表す「L」が十分に認識されていない。そうなると、購買にいたるハードルも上がってしまいますし、実際、ショップからも、LGという会社をもっと知らせてほしいという声は数多く寄せられていました。
 これまでの広告では、メジャーな歌手を起用したり、商品が持つ世界観をフィーチャーしてきました。それはそれで評価されたのですが、当該商品の訴求にとどまってしまい、また「『L』ってどのメーカー?」という質問が繰り返されてきたのです。
 今回の広告は「L」型のフレームを登場させ、蒼井優さん、温水洋一さん、ゴルゴ13のデューク東郷を起用し、ブランドを印象付けようというものです。意表をついたキャスティングもあり、「L」が記憶に残るという周囲の反応が多かったですね。ブランドを蓄積していくためにも、今後も「L」の訴求は続けていきたいと考えています。

9月16日 朝刊〈6面〉
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〈19面〉
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〈21面〉
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〈24面〉
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――市場の成熟、販売方法の変更など、ブランドスイッチは起こりにくい状況です

尾花 飽和状態にある市場で、メーカー、キャリアともども、新たな技術を確立していくことがシェアを伸ばしていくための一つの答えになります。私たちはグローバルで多くの経験を積み、様々なノウハウを蓄積してきましたし、次世代高速通信規格LTEへの対応など、応えられる技術も十分に持っています。こうした点は、日本でも今後必要とされるだろうし、キャリアからも期待されていると思います。
金 一方で、家電製品にも当てはまることですが、市場に投入される商品は機能が平準化し、大きな差はなくなっています。その中で選ばれるためには、コンシューマーの気持ちをつかむデザインも決め手となりますので、デザインを重視した製品開発にも取り組んでいます。
 私たちの立場は、キャリアがシェアを拡大するためのパートナーとして製品で貢献していくというものです。そのためにも、2012年度までに、市場シェア5%の獲得をめざしています。

――日本市場を攻略することの意義は

金 独特で難しい日本の市場のために、専用モデルを開発し、独自の製造ラインを敷いて販売する。それは非効率だと思う方もいます。でも、日本は世界で一番レベルの高い、力の試されるマーケットですので、避けては通れません。
 日本のBtoC市場へは1981年に進出しているのですが、戦略として安価な電化製品を投入してきたため、LGといえば廉価品のイメージがついてしまったことは否めません。それは先端商品である携帯電話にはプラスには働かないので、看板商品であるスチームドラム洗濯機など一部製品を除いて、生活家電の販売を中止して携帯電話に注力し、製品の先進性をもってLGとしてのブランド力も上げていきます。
 私たちは2010年にはエレクトロニクス・情報通信業界におけるグローバルトップ3達成を目標としていますが、ここ日本で成功して初めて、真の意味でのトップ3に値すると考えているのです。

(梅木)

取材メモ

 最新機種の「L-04A」は電話帳に登録されている人をキャラクターで表示し、待ち受けを楽しく演出する「ライブキャラパーク」を始め、新しいコミュニケーションを演出する遊び心満載の端末だ。「L-06A」はGoogleサービスメニューにワンプッシュでアクセス可能なGoogleサービスキーを搭載し、送信時最大5.7Mbpsに対応する。
 「『04A』は携帯で自分らしさを表現したい方に、『06A』はスピード感を求める方にお薦めです」と尾花氏。

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