ojo interview

2009.8・9/vol.12-No.5・6

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東畑 幸多氏

電通 CMプランナー/コピーライター 東畑 幸多氏

 7000点近くの中から今年のコピーライターNo.1「TCCグランプリ」を獲得。ワカメを宮沢りえが演じるなど旬の俳優を起用して“25年後の磯野家”を実写で描いた江崎グリコのチョコレートのCMは、広く話題を呼んだ。
 電通入社から6年ほどコピーを書き続けたが、「自分にはコピーライターの才能がない!」と悟り、「言葉より、広告を作る手前のアイデアで勝負しようと開き直ってから、道が開けてきました」。
 「広末涼子、浄化計画。」(日本コカ・コーラ)、「山田悠子の就職活動」(リクルート)……。オンエアは少なくても誰かに話したくなるような仕掛けが絶妙で、ネットを中心に波紋を広げていくコンテンツ型の広告が時代に合致。33歳にして注目クリエイターの一人になった。
 学者の家庭、年の離れた姉2人に囲まれて育ち、「おとなしく、はしゃぐのが苦手な少年」は、「ひねくれた屈折が才能の源泉」の広告界に入ってコンプレックスを抱いた。いま、生来の「まっすぐさ」がかえって個性と味を醸し出している。
 「コミュニケーションで大事なのは、相手の想像を超えてサプライズを提供する、サービス精神ではないでしょうか」
 新聞広告にしても、紙面を開いた人が少しハッピーな気持ちになれるような、このメディアでしかできない手法がまだまだあるはずだと、身を乗り出す。
 昨年3月に長男が生まれたときは、約1か月の育休を取り、世話に努めた。「休み明けは、いつになく浮き浮きと出社できました」。育児の合間を縫って、企業家スティーブ・ジョブズ氏などのビジネス本を読むのが楽しみだという。
 企業活動においては、商品開発も、広告も、「単にお金をかけるより、ターゲット以外の人も巻き込むダイナミズムを生む工夫こそ、大切だと思うんです」。
 期待される今後だが、「職種の枠にとらわれず、コミュニケーションのアイデアを考える専門家として、世の中をワクワクさせていきたいですね」。輝くまなざしは少年のままに思えた。

文/小野秀夫  写真/はやしたつお

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