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2009.4/vol.12-No.1・2


「頼れるお父さん」がまじめなモノづくり象徴 日本語ワープロソフトの発売広告

ジャストシステム ビジネスクリエーション本部 販売推進室

ジャストシステム ビジネスクリエーション本部 販売推進室 (左から)室長 飯尾明彦 氏、リーダ 細田知代 氏、鈴木重人氏

 「いま、本当に頼れるものは、いくつあるんだろう。」──思わず指を折って考えこんでしまいそうな紙面左上に置かれたコピーと、頼り甲斐を感じさせるお父さんを中心とした家族の写真。2月6日の読売新聞朝刊に掲載されたジャストシステムの全ページ広告からは、最新ソフトウエアの発売告知でありながら、人間味あふれる温かい企業姿勢が伝わってくる。この新聞広告に込められた思いを同社の3人に聞いた。

2009年2月6日 朝刊
2009年2月6日 朝刊

キーワードは「頼れる」

 今回のキャンペーンのキャッチフレーズは、「頼れる表現力、頼れる製品力。」だ。ビジネスクリエーション本部 販売推進室 室長の飯尾明彦氏は、「このメッセージには、これまでまじめにモノづくりに取り組んできた我々の自信が集約されています」と語る。創業以来30年、同社では日本語入力システム「ATOK(エイトック)」を始め、今回で19代目となる「一太郎」など、徹底して「日本語」にこだわった製品を開発してきた。これらのソフトには、パソコンの黎明期から利用しているロイヤルティーの高いファンも多いという。
 「今は40代以上のお客さまが多くなってきましたが、パソコンを使い始めたときからずっと人生の横に“一太郎”がいた方たちです。我々としても一番大切にしたいお客さまですね」
 同社では毎年この時期に最新版のソフトを発売し、新聞広告やウェブ、ダイレクトメールなどを使ったプロモーションを展開しているが、特に40代以上のコアターゲットに対して新聞は外せないメディアだという。
 「自分から情報を取りに行かなければならないウェブよりも、毎日接触される新聞広告のほうがきちんと届くという事実があります。また、発売当日に告知できて、量販店さんなどの販売現場に意気込みを伝えられる点も大きいですね。2月6日の全ページ広告を見逃した人のために、11日と13日には全5段のカラー広告も掲載しました」

2月11日 朝刊
2月11日 朝刊

新聞は社会性を問われる場

 「ただ単に新製品の発売を告知するだけでは、多くのお客さまの共感を得るのは難しいと思うんです」と、広告を通じたコミュニケーションについて語るのは、販売推進室 リーダの細田知代氏だ。
 「特に新聞広告では、“売ります”ということではなくて、我々の考えや企業理念も交えながらメッセージを伝えていきたいと思っています。実は過去の広告を通して見ても、いわゆる“IT”をイメージさせるものは、かけらもないんです」と話すように、これまでも赤ちゃんや女性のシルエットなど人間を中心に置いた温かみのある広告を通じて、「ことば」が支えるコミュニケーションの豊かさを訴求してきた。今回の新聞広告では、職人風のお父さんに家族が寄り添うビジュアルで「家族を守る力強い父親」の姿を表現し、長年信頼されてきた「頼れる」製品のイメージを重ねた。
 「コミュニケーション手段としての日本語の豊かさを次世代に継承していきたいという企業姿勢を、伝統を受け継ぐ職人さんの家族になぞらえました。お父さん役は本物の職人の方ですが、やはり実際に何かを守っている人は、目の力が違います」
 人間同士のより深いコミュニケーションをサポートするための製品だからこそ、人間を大きく扱ったクリエイティブにも説得力が出るのではないだろうか。そこには、時代とともに変化する難解な日本語を研究し、常に一番使いやすいソフトウエアの開発に挑んできた同社の自負も込められている。
 飯尾氏は「新聞広告は企業の社会性が問われる場で、新聞広告でしか伝わらないものを伝えたい」と言う。
 「そういう場所で一方的に“買ってくれ”と連呼することは、銀座の交差点を裸で歩くようなもので恥ずかしいと思います。やはり、まずは我々の製品の社会的な役割に共感を持っていただき、製品が本当に信頼されて好きになってもらうことが大事だと思っています」

2007年2月9日 朝刊
2007年2月9日 朝刊
2008年2月8日 朝刊
2008年2月8日 朝刊

ユーザーとの絆を深める

 新聞広告ではウェブサイトへの誘導強化も図った。検索窓のビジュアルをあしらい、「頼れるジャスト」のキーワードを使った検索連動型広告を実施したが、販売推進室の鈴木重人氏は、「ウェブでは、開発者のブログなどを通じて製品の背景をもっと知ってもらい、よりファンになってもらえるようなコンテンツを考えました。また、ロイヤルティーの高いお客さまにも楽しんでいただけるように心がけています」と話す。「今後も製品の良さを感じていただきながら、お客さまとの絆を深めていくための活動を続けていきたいと思っています」
 同社では、「お客さまを肯定する」というフレーズがよく使われるという。「プロモーションだけではなくて、お客さまとの絆をどう作っていくかということが大事」という飯尾氏の言葉に、顧客の声に誠実に耳を傾け、まじめにモノづくりに取り組む企業姿勢を強く感じた。

(吉池)

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