ojo interview

2009.1・2/vol.11-No.10・11


三井明子氏

アサツー ディ・ケイ 「ADK f-side」 コピーライター 三井 明子氏

 2007年に発足したADK内の女性ユニット「f-side」のメンバー。昨年、23タイプのテレビCMで話題を呼んだ「23区」(オンワード樫山)のブランドキャンペーンを、クリエイティブディレクター兼コピーライターとして担当した。「1年前は何を悩んでた? 半年前は? 悩みなんてそんなもの。」「わたしという少数意見を、ひとりで応援しています。」など、多様な感性を持つ女性たちに温かなエールを送った。
 「でも、しんみりしたコピーは自分の中から出てきたものじゃなくて、想像したものが多いんです。中学時代から大好きだった川崎徹さんのナンセンスCMのように、本当は毒のあるユーモアが好きですね」と、大きな瞳を輝かせる。「厳かで静かな媒体」と評する新聞でマジメな広告も手がける一方、TCC賞などの受賞歴があるラジオCMでは、持ち味のブラックユーモアを伸び伸びと発揮する。
 「絵を描くよりも、レポートにギャグを盛り込むことに情熱を燃やしていた」という武蔵野美術短大を卒業後、中学校の美術教師を1年、広告制作会社でコピーライターとして2年間勤務した。だが、どれも「向いてない」と感じ、一時は職業訓練校でガス溶接、アーク溶接、グラインダーの資格を習得。その後、新聞の求人広告を見て入社した化粧品会社のコピーライターを経て、外資系広告会社へ。めまぐるしい転職にまつわる「挫折」と「再起」のエピソードは屈託なく語られ、深刻な苦労話には聞こえない。
 「もちろん人生で後悔していることはいっぱいありますけど、その積み重ねで今があるなら、それで良かったかなって思えるようになりましたね」
 「広告批評」に連載中の『広告夫婦がゆく!!』では、CMプランナーの福里真一氏と絶妙な掛け合いを披露。与えられた機会を前向きに受け入れて楽しんでしまうスタンスは、仕事でも一貫している。
 「人の心の琴線にふれるコピーを目指したりして、芸域も広がりました。でも、時間かかり過ぎですよね(笑)」

文/横尾一弘  写真/清水徹

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