CURRENT REPORT

2009.1・2/vol.11-No.10・11


「しょうがの知恵」で美容と健康サポート社内横断型プロジェクトを推進

 生姜湯、生姜湿布など、古くから体を温める食べものとして知られている生姜に着目した永谷園は、「しょうがの知恵」プロジェクトを2008年9月から展開している。本号の特集の中にも登場しているが、部門を横断したスタッフで「永谷園生姜部」を結成しており、新聞広告などを通じて、この素材に本気で取り組み、新たな価値を提供していくと宣言した。
 マーケティング企画部商品企画グループ新価値創造チームのチームリーダー新海裕子氏に生姜部の活動について聞いた。

株式会社永谷園 マーケティング本部 マーケティング企画部 商品企画グループ 新価値創造チーム チームリーダー 新海裕子氏
――生姜部設立のきっかけは

 女性の美容と健康をサポートする商品を開発したいと思い、女性の悩みをいろいろ調べたところ、多くの女性が年代を問わず冷えに悩んでいるということが明らかになりました。冷えは美容や健康の大敵であるということは巷間言われているので、冷えを和らげるような商品で女性をサポートしたいと考え、体を温めると昔から言う、生姜を使った“「冷え知らず」さんの生姜シリーズ”を2007年6月に発売しました。女性が買いやすい商品をということでカップスープ製品をコンビニエンスストア限定で売り出したのですが、プロモーションの成果もあり初年度の売り上げが約4億円と、私たちが考えていた以上に多くのお客様の支持をいただき、生姜の持つポテンシャルに気づかされました。
 そこで、生姜について改めて調べてみると、非常に多くの長所があるといわれているにもかかわらず、実はあまり解明されていない。大学などの研究機関でもせいぜい動物実験レベルで、人間に対してはきちんと実証されていないんですね。
 また、私たちは食品メーカーですから当然、味へのこだわりがあります。体を温める食材には、ほかにも赤唐辛子やにんにく、ねぎなどがありますが、生姜は臭いや辛味がきつくなく、なんにでも合っておいしく食べられます。
 このような生姜という素材の持つ可能性に着目し、知識を深めることで、その特長を生かして人を幸せにする商品を開発すべく生姜部を発足させました。

「冷え知らず」さんの生姜シリーズ
「冷え知らず」さんの生姜シリーズ
――実際の活動はどのようなものですか

 生姜を扱うには、やはり素材を育てるところから取り組もうということで、千葉で1500平方メートルの畑を借りて2008年5月から栽培を始めました。有機栽培のため夏場は除草にいそしむなど、みんなで汗をかきながらの作業でした。実際に自ら畑や土を選び、数種類の生姜を植えて、その成長過程を観察し、収穫にまで至ったことは素材を知る上で大変勉強になりました。収穫した生姜は全社員に配ったり、一部、関係者にお礼として差し上げましたが、基礎研究にも活用しています。
 また、生姜部のウェブサイトをアップして生姜料理のレシピを掲載し、生姜の魅力を発信すると同時に、生姜部員のプロフィルを公開し、私たちの実際の活動報告をすることで本気の取り組みであることをお伝えしています。

――生姜部の活動は本業の傍らにやられているわけですよね

 会社のオフィシャルなセクションではなく、野球部や華道部といったクラブ活動の一環という位置づけなので、比較的気楽にやれるのですが、半分本業になりつつありますね。
 生姜部は部門や年齢、役職を超えての集合体なのですが、そうした関係を意識せずみんな好きなことを言い合っています。もともと風通しの良い会社ではありましたが、社内での交渉事や調整がよりやりやすくなったということがあります。こうした活動は通常業務への前向きな取り組みを引き出し、組織の活性化にもつながるのではないかと実感しています。

――今後の展開は

 “「冷え知らず」さんの生姜シリーズ”は、コンビニのカップスープ商品カテゴリーで常に売り上げ上位にランクされる商品に成長しました。2008年秋からは全流通向けに箱入りの商品などを用意して販路を広げています。これからも季節に合わせた商品を投入していきたいと思います。
 今後も生姜部の活動を通じて「生姜」の持つ多くの可能性を引き出し、「しょうがの知恵」というブランドのもとに多岐にわたる商品を展開していく予定です。ゆくゆくは永谷園で育てた国産生姜を100%使用したこの「しょうがの知恵」ブランドの商品で、安全でおいしい食を通じて皆様の健康の悩み解消のお役に立てればと考えています。

HP2
永谷園生姜部のサイト
http://www.shouga-bu.com/
HP1

(梅木)

取材メモ

 “「冷え知らず」さんの生姜シリーズ”は、「生姜おこげ」など4種類。昨年11月、初のホット専用ドリンク「生姜チャイ」が加わり、順調に拡大している。
 シリーズのパッケージには「冷え知らず」さんというキャラクターを起用。冷えのない温かな女性像を映し出し、商品のメーンターゲットとなる20〜30代女性を意識したものだが、「低カロリーということもあり、男性の方からの支持もいただいております」と新海氏。
 最近では各社から生姜を使用した製品が発売されている。その点については「私も他社の製品を購入して『生姜を一緒に盛り上げていきましょう』と思っています。いろいろなところで生姜が話題になることは大変ありがたいお話ですし、マーケットも広がりますから」と語る。

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