from Europe

2008.12/vol.11-No.9


景気後退時のクリスマス・バカンス事情

 11月に入り、プランタンやギャラリーラファイエットなどデパートのイルミネーションがクリスマス仕様に変わった。しかし、フランスでは、昨年来の物価高に加え、秋以降の景気後退が人々のマインドに影響している。デロイト社が行った調査によれば、フランス人の約75%がクリスマスの出費を抑えようと考えており、その平均は6.7%減だそうだ。
 同社が行った調査「フランス人がクリスマスプレゼントにもらいたいものベスト10」によれば、(1)お金 (2)洋服・靴 (3)ギフトカード (4)本 (5)化粧品・香水、これに、宝石・時計、音楽CD、旅行、DVD、PC・ITグッズが続く。何とも現実的な内容だ。ちなみに、日本のプランタン銀座が10月に女性を対象に行った「男性から贈られたいプレゼント」調査では、(1)指輪 (1)食事 (3)ネックレス (4)旅行 (5)バッグ (6)その他アクセサリーという結果だった。
 例年に増して、価格にシビアになっている消費者に対応するために、各社は、秋以降、クリスマス商戦の宣伝展開を価格訴求型に切り替えている。特に、クリスマス需要を当てにするファッション関連は、クリスマス直前のセールや、1月初めにプレゼントを贈るキャンペーンを行うなど、売り上げ確保に躍起になっているようだ。
 夏に比べると、フランスの冬のバカンスは平均1週間と期間が短いものの、この時期は観光関連の広告も多い。フィガロ紙は、10月14日付の広告特集「GUIDE LE FIGARO」(タブロイド判の別刷りシリーズ)で「ENVIE DE PARTIR」(旅に出たい)と題した観光特集を発行し、編集面では、モーリシャス諸島やタイなどビーチリゾートに加えて、日本など遠距離のデスティネーションを紹介している。広告は、クラブメッド、エールフランスのほか、オマーン、バハマ、ペルーなどの観光局が出稿していた。一方、本紙では、フランスから週末を利用して500ユーロ程度で行ける旅行広告をよく見かけた。
 イスラエル政府観光局は、フランスからの観光客増加を目的に新聞を中心にキャンペーンを行った。聖書ゆかりの地をめぐる旅は、キリスト教信者に人気が高いそうだが、新聞広告のビジュアルではそうした宗教的・文化的な遺産のみならず、ナイトライフも充実した街であることを訴求している。価格も、3泊4日で516ユーロからとお手ごろだ。
 観光産業を担う航空業界も、国の枠を超えて、戦国時代に突入している。エールフランス、ブリティッシュ・エアウェイズ、ドイツのルフトハンザの大手3社は、周辺各国の航空会社との提携・買収を進め、自国のみならず欧州の覇権を握ろうとしている。従来多かったコーポレートアドに加えて、アイルランドのライアンエアーやドイツのエアベルリンなどのローコスト航空との競争を目的とした価格訴求型の広告も多く、探せば、ローコスト航空よりも安くチケットを買うこともできるようだ。景気後退期とはいえ、各社のこうした企業努力は消費者にとってはありがたい。

11月4日
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