CURRENT REPORT

2008.12/vol.11-No.9


4年目に入った「チーム・マイナス6%」定着へ向けて説得力のある活動を

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 2005年、京都議定書の発効とともに発足した「チーム・マイナス6%」。夏のビジネススタイルにノーネクタイが定着するなど、地球温暖化問題という大きなテーマを身近な課題として私たちが意識するきっかけ作りに多大な役割を果たしていることは言うまでもないだろう。
 環境省地球環境局地球温暖化対策課 国民生活対策室長 染野憲治氏に活動を推進する上での考え方について話を聞いた。

――チーム・マイナス6%の活動も4年目に入りました

 現在、個人で280万人、企業・団体では2万6000社を超えるご参加をいただいています。今年は特に報道や企業活動において環境を訴えることが多くなってきたこともありますが、この問題の大切さへの国民の「気づき」が広がっていることに関しては、その一助になったのではないでしょうか。
 私たちの活動で代表的なのは「クールビズ」ですが、昨年の段階で、国民の95%近くの認知を得られており、ほとんどの方に浸透していると言ってもいいと思います。ただ、たとえば私たちが提唱しているように、オフィスの室温を実際に28度に設定いただいている企業は60%です。実施率は伸びてはいますが、これからは実際のアクションや取り組みの普及を訴え、活動の実効性をより高めることが重要になります。

――どういうことが必要となりますか

 商品はエコ製品に買い替えれば効果は続きますが、クールビズなどのアクションは継続して実施していかなければ取り組みは後退してしまいます。実際の取り組み事例や具体的なCO2削減効果を提示していくことが、次の関心や取り組みへと結びつくと考えています。
 クールビズでも同じことを訴え続けるのではなく、この夏は従来の取り組みを一歩進めた「クールビズ+」を提唱しました。これは、クールビズスタイルのオフィスにとどまらない、あらゆるライフシーンでの実践を呼びかけると同時に、外出時に公共交通機関を利用する、電球型蛍光ランプを使用するといったような、自分ならではの温暖化防止アクションをひとつプラスする新生活習慣を提案したものです。
 マイバッグを持ち歩く、運転時のエコドライブを心がける、エコ製品を選んで購入するなど、日々のちょっとした行動を含めれば、まだまだできることは数多くあります。こうしたアクションを特に意識することなく常識として日常生活に定着させていきたいですね。
 私たちがやや懸念しているのは、今年は環境問題のトピックが多く取り上げられ、こうした情報に接することに麻痺してしまうことがあるのではないかということです。
 個人的には、洞爺湖サミット終了後、環境に関する報道は減っているような気がします。しかし、環境問題は一朝一夕で解決する問題ではありませんから一過性のものであってはいけません。
 この問題に引き続き関心を持って取り組んでもらうためには広告も大切ですが、報道、イベントなどの力も借りて社会の共感を醸成していくことも必要です。

――JOCとのコラボレーションも実施されました

 「『スポーツと環境』グリーンアクションフォーラム」を10月12日、日本オリンピック委員会(JOC)との共催で開催しました。
 オリンピックムーブメントは「スポーツ・文化・環境」を3本の柱としていますし、スポーツは地球温暖化によって影響を受ける種目もありますから、JOCも環境問題に関する啓発活動に力を入れられてきたという経緯もあります。
 今回のイベントでは、競泳の北島選手を始めトップアスリートの協力を得て、環境問題とのかかわりを語ってもらうとともに、スポーツファンに対して、それぞれが生活のなかでできる地球温暖化防止行動の実践を呼びかけていただきました。環境問題は他人事ではなく自分の問題であり、行動が大事であることをスポーツとの連携を図りながら広めようという狙いです。

――今後の方針は

 まずは「チーム・マイナス6%」として京都議定書にのっとり、日本の温室効果ガス排出量の削減目標を達成することが第一ですが、今年からはもう一歩進めて、低炭素社会の実現をどのように伝えていくかということについても取り組み始めています。
 2050年の社会を見据えて、日本で言えば60─80%のCO2を削減していこうというものですから、個人の取り組みだけでは限界があります。インフラ整備やエネルギー政策からライフスタイル、ビジネススタイルまで従来の社会の仕組み全体を問い直す必要があります。
 こうした活動に参加される個人や企業・団体の方々には、手間も費用もかけていただいていることは十分承知しており、皆さんの参加・協力あってのチーム・マイナス6%だと思います。次の世代に対して問題や負債を残すことのないよう、私たちも説得力のある活動を続けていきます。

10月13日 朝刊
11月1日 朝刊

(梅木)

取材メモ

 11月1日からは、オフィスでの暖房時の室温が20℃でも快適なスタイル「ウォームビズ」の実施を呼びかけているが、あわせて家庭でも衣食住を通じて温暖化対策を実践する「うちエコ!」も推進している。
 今年のテーマは「ウチから暖めよう」。朝食をしっかり食べる、生姜やスープ、根菜など体温上昇を促す食品を摂取する、ブラインドやカーテンを早めに閉め保温効果を高める、就寝時に首元を温めるなどといった、ちょっとした工夫により経済的にもプラスとなる行動を提唱している。
 寒さが厳しく、その実践が難しいといわれてきた北海道でも昨年度は3割以上の世帯が室温を20℃に設定しているとの結果がでており、「うちエコ!」の取り組みも着実に広がっている。

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