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2008.12/vol.11-No.9


生活者の「たいせつなこと」を尊重 新生クラシエの姿勢を広める

クラシエホールディングス株式会社 経営企画室企画部部長兼ブランディングマーケティング部長 草柳徹哉氏

 10月1日、クラシエホールディングス株式会社は新たなコーポレートスローガン「たいせつなこと。Kracie」を制定した。
 読売新聞朝刊に、10月3日から11月4日にかけて3回にわたり、このコーポレートスローガンを宣言する同社の企業広告が掲載された。

「カネボウ」は「クラシエ」に

 カネボウからクラシエへと社名が変わったのは2007年7月。社名には、四季の変化や日々の生活の中で、同社の製品を通じて、顧客の心を晴れにする、そんな健やかで、快適な楽しい「暮らしへ」という願いが込められているという。
 「クラシエグループの事業ドメインはトイレタリー・コスメティックス、医薬品と食品ですが、すべての領域でお客さまの暮らしにお役に立つ企業に成長したいというのが私たちの願いです」と語るのは同社経営企画室企画部部長兼ブランディングマーケティング部長の草柳徹哉氏だ。
 「そのためにまず、私たちがやるべきことは、カネボウからクラシエに変わったことを訴えることでした。コーポレートブランドの役割は、安心や信頼を担保して商品ブランドを支えることにありますから」
 再出発から間もない昨秋、グループ全体での認知度向上のために、ドラッグストアを中心とした全国2万店での店頭横断型のキャンペーンを実施。同時期にテレビCMも投下しキャンペーンの告知を進めた。
 2年目に入った同社としては、認知の拡大だけではなく、「クラシエ」という企業の姿勢や考え方を顧客に伝えていくことも必要となってくると考えており、具体的な目標数値を定めて取り組みを始めているという。そうした同社の価値観をコミュニケーションしていくために、今回新聞広告を選択した。
 「企業の姿勢をきちんとお伝えするための広告ですから、メッセージを読んでご理解いただく必要があります。その点で新聞広告が最適です。当社商品のメーンターゲットである主婦へのリーチを勘案して読売新聞を選びましたが、ただ一方的に伝えるのではなく、お客さまとのコミュニケーションを大切にする私たちの姿勢を、遊びを交えて表現してみました」と、草柳氏。

手紙を模したメッセージ

 今回の広告は3回ともページ送りの体裁をとっている。フロントページは印象的なビジュアルとコーポレートスローガンを配したシンプルな構成だ。10月3日は同社のコーポレートカラーでもある黄色い洋服を着たお母さん、10月21日は野山を飛ぶハチにフォーカスした写真、そして11月4日には鍋に映りこんだコンロが人の顔にも見え、思わず笑ってしまうようなキッチンでのワンシーンをメーンのビジュアルに据えている。
 日々の暮らしを支えるキーパーソンである母親が、多くの家事や仕事をひとつずつ集中してこなしていく中で、ふとしたことに喜びやシアワセを感じることがある。そんな日常生活をイメージしているという。
 「何気ない日常が『たいせつなこと』ではという、私たちのコーポレートスローガンとかけたメッセージを込めていますが、あえて言い過ぎないようにしています。ご覧になった方にいろいろと想像を膨らませてもらい、次のページへと進んでもらえればという狙いです」
 ページをめくると、そこには1400人の主婦の声から選んだ「暮らしの中でたいせつにしていること」と、クラシエからのメッセージが記載してある。
 「実際にお客さまが大切にしていることには様々なことがあります。紙面でご紹介しているように、日々、誰にでも起こるようなことですが、私たちはそうしたことを繊細に見つめ、大切に思い、モノづくりをしていくということを宣言しています。前のページで『あれ、何だろう』と思った方には特に読んでいただけたようです」
 そしてこれらのビジュアルには微妙な陰影がつけられている。用意した素材に折り目をつけて撮影することで、開封して取り出された手紙をイメージしている。すなわち、顧客にとって大切に思うことを大事にしていくという視点から、暮らしに役立つ商品やサービスを提案していくというメッセージを込めた、クラシエからお客さまにあてた手紙ということだ。
 「お客さまとのコミュニケーションを通じて私たちの強みである商品開発力を生かし、暮らしに貢献する存在感のある会社でありたいと考えています」

繰り返していく「対話」

 こうしたクリエイティブは主婦を意識しているが、同社の商品は老若男女、あらゆる生活者を対象にしているため、幅広い層へのメッセージの到達は欠かせない。同時に、こうしたメッセージは繰り返し続けていかないと浸透しないとの認識から、今回、1か月の間に3回発信したという点でも「新聞広告は私たちの目的に合致しています」。
 この出稿にあわせて家族の大切なエピソードを公募し、優秀作を絵本にしてプレゼントするという「家族のたいせつな暮らしへ!キャンペーン」も実施している。ただモノをプレゼントするのではなく、生活者から家族の大切な物語を教えてもらうという点でも、コミュニケーションを大事にする同社らしいキャンペーンとなっている。
 同社が今年5月に実施した調査では、クラシエの認知度は66%。前身のカネボウには120年の歴史と化粧品というイメージリーダーの事業部門があり、ほぼ100%の知名度があったところから環境は大きく変わり、ゼロからブランドを構築していくわけだが、「お客さまとの対話を通してクラシエの価値を商品として具現化していく。同時に私たちの姿勢をコーポレートスローガンに込めた思いに従って訴えていく。まだ緒についたばかりでゴールは遥か遠くにありますが、こうした姿勢を崩さないで、続けていくことが必要です。そのためには新聞広告の継続も有効ですね」。

10月3日 朝刊 <19面>
10月3日 朝刊 <19面>
<21面>
<21面>
10月21日 朝刊 <19面>
10月21日 朝刊 <19面>
<21面>
<21面>
11月4日 朝刊 <17面>
11月4日 朝刊 <17面>
<21面>
<19面>

(梅木)

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