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2008.11/vol.11-No.8


県内外それぞれにコミュニケーションした千葉県の広告

 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。

9月11日 朝刊

 暑さも一息つき、秋の行楽シーズンを控えた3連休直前の9月11日朝刊に、千葉県の名所や旬の味を紹介した2連版広告が掲載されました。掲載されたのは、東京セット版エリア(1都8県)。千葉県も含まれています。県内外の読者はこの広告をどのように受け取ったのでしょうか。

魅力満載の紙面に多くの人が注目

 多色2連版のスペースに、九十九里浜や大山千枚田などの美しい景色や千葉県にゆかりのある有名人のコメント、そして旬の食材といった千葉県の魅力が詰まった紙面は、高い注目を得ています。アドボイス定型調査によると、広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」の割合)は予測値を21.8ポイント上回る90.6%。広告注目率(広告を「確かに見た」の割合)は、75.9%(予測値+25.9ポイント)となりました()。魅力あふれる多彩な内容に多くの人が目をとめ、しっかりと記憶したことがわかります。
 次に、広告内容の評価を千葉県在住の人と、それ以外の人に分けて見てみましょう。

図1

県内でも「知らなかったちば」とは

 今回のメーンコピーは、「知らなかったちば」です。「初めてこの商品・サービスや広告主を知った」のスコアは、千葉県在住者が25.5%、対して千葉県以外在住者は39.4%で、県外の人が新しい情報を得たことがわかります(表1)。
 また、知るだけではなく、「行ってみたい」という気持ちも高まっています。表2は、自由回答の内容を分類したものです。千葉県以外在住者では、「千葉県に行ってみたい」と、具体的にコメントした人が4人に1人近くに及んでいます。「千葉においしいお魚があることがわかって、行って食べたいと思った」(女性30代・東京都)、「おいしいものがいっぱいあって、海岸線が長くて、今度ぜひ家族で旅行に行きたいです」(女性40代・埼玉県)など、広告で得た情報が行ってみたいという気持ちに直結しています。
 一方、千葉県在住者の自由回答で目立ったのは、「知らなかった」という趣旨のコメントです。一見意外な結果のようにも思えますが、「千葉に住んでいても鴨川市に棚田があるとは知らなかったです」(女性30代)、「40年近く千葉住民でありながら知らないこともあり、この広告は参考になった」(男性60歳以上)などの回答が見られます。千葉県に住んでいながら知らなかったことによる新鮮さや驚きは、県外の人よりも高かったかもしれません。千葉県在住の人にとってもこの広告はまさに「知らなかったちば」を伝えたのです。

表1 広告閲覧による行動喚起
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表2 自由回答に見られたコメントの種類
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強かったインナー効果

 広告評価6項目は、千葉県在住者の方が高いものと、千葉県・千葉県以外で差が大きくないものに分かれます(表3)。
 千葉県在住者の方が明らかに高いのは広告関心度です。千葉県以外が71.2%に対し、千葉県はそれを20ポイント以上上回る91.5%です。「とても関心がある」では、千葉県48.9%、千葉県以外が23.2%で、その差はさらに広がります。「千葉県在住のため、うれしく読みました」(男性60歳以上・千葉県)、「自分の住んでいるところなので、真剣に見ました」(女性60歳以上・千葉県)に代表されるように、地元という関与度の高さゆえ、関心を引き付けたことがうかがえます。
 また、広告理解度、広告信頼度、広告主との適合度について見ると、「とても」と「まあ」を合わせた全体のスコアは千葉県とそれ以外での差はほとんどありませんが、「とても」のみを見てみると、広告理解度では17.3ポイント、広告信頼度では18.1ポイント、広告主との適合度でも11.8ポイント、それぞれ千葉県の方が高いスコアとなっています。
 千葉県在住者とそれ以外で差が小さいのは、広告印象度と広告好感度です。県外の人も強いインパクトや好感を受けたということは、この広告が高い訴求力を持っていたことを示しているでしょう。

表3 広告評価
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新聞広告が口コミを喚起

 前述のように、千葉県在住者は今回の広告で千葉県の魅力を再発見して新鮮さや驚きを感じています。それが広告における行動喚起項目「まわりの人と話題にしたいと思った」21.3%という高いスコアとなったのでしょう。千葉県以外在住者を10ポイント近く上回りました。口コミで魅力を伝える千葉の人たちは、この広告の受け手であるばかりでなく、送り手の一部も担うことになります。
 千葉県以外の人には魅力をストレートに伝えることで行きたい気持ちを高め、千葉県の人には驚きを与えて口コミメディアとしての機能を喚起した今回の広告は、二層構造のコミュニケーションとなったユニークな広告です。

(藤木)

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