Fashion Insight

2008.11/vol.11-No.8


イタリアジュエリー業界最大の祭典「ヴィチェンツァ・フェア」”

 9月6日から10日まで5日間にわたって開催されたイタリアジュエリー業界の見本市「ヴィチェンツァ・フェア」を久しぶりに見てきた。今から6年前、ワールド・ゴールド・カウンシルの招待で、日本ファッション・エディターズ・クラブのメンバー40人余りで訪れてから、どのように変化したのかを、この目で見てみたいと思ったからだ。
 6年前はミラノからチャーターバスで数時間、ヴェローナの町に宿泊し、そこから毎日バスでヴィチェンツァの会場まで取材に出かけたが、今回はヴェニスの飛行場で降り、車で30分ほどのパドヴァで宿泊。宿泊先のシェラトン・パドヴァは「ヴィチェンツァ・フェア」取材の海外記者の公式宿泊先だ。毎日会場まで、このホテルからチャーターバスで通うことになっていた。
 ヴィチェンツァは古くから金細工で有名な町。「ヴィチェンツァ・フェア」は以前は「ヴィチェンツァ・オロ(オロは金の意)」と呼ばれ、年2回開催されていたが、最近は年3回開催されるようになった。

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 ヨーロッパ、アメリカともに景気が良くない中での開催だったが、今回のフェアには世界から1570社が出展。これは2005年以来、最多記録で、来場したジャーナリストやバイヤーの数は以前より増加し、9日までの4日間で1万5000人。特に外国からのバイヤーは昨年と比較すると40%も増えたという。
 出展社の数が増えたことで、会場を見て回るのも1日や2日では終わらない。また展示会場も前回は1か所だけだったが、今回はメーン会場以外にも展示場があり、巡回バスで回らなければならないくらいだった。
 前回と比較すると、イタリアだけではなく、アメリカやトルコ、香港などから出展している企業も多く、「国際化」が進んでいるという印象だった。
 また以前は「ヴィチェンツァ・オロ」と呼ばれていたようにゴールドジュエリーがメーンだったが、ゴールドの宝石以外のものが目に付いた。
 例えば珊瑚やカメオのアクセサリーを展示しているブース、また時計の展示をしているブースもかなりあった。これは、ゴールドジュエリーだけでは世界のアクセサリーマーケットのニーズに応えられなくなってきているということなのだろう。
 またイタリアの代表的ジュエリーブランド、ダミアーニ・グループでは、価格帯やターゲットの異なる四つのブランドの展示スペースを設けていた。これはハイジュエリー(高額ないわゆる宝石らしい宝石)だけでは、様々な顧客に対応しきれず、幅広く様々なセグメントが必要になってきているということだろう。
 ゴールドも、ピンク、ブラウンなど様々な色が登場してきているし、イージージュエリーというカテゴリーも登場してきた。さらに女性向けだけでなく、男性用のゴールドジュエリーも登場してきていた。

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 現在、いわゆるファッションブランドによるジュエリーアクセサリーも増えつつある。ブランドによっては本来のジュエリーブランドと比較しても遜色のないものを提供しているところもある。こうしたパワーと対抗していくためには、イタリアのゴールドジュエリー業界はどういう道を模索すべきなのだろうか。
 「この景気の悪化の中で、伸びている企業は、ブランドアイデンティティーがあり、製品の質が高く、顧客とのコミュニケーションのうまくいっている企業だ」と「ヴィチェンツァ・フェア」の最高責任者ドメニコ・ジラルディ氏は言う。
 イタリアの熟練した職人による金細工、及び金製品は、世界の基準として大きな影響力を以前は持っていた。しかし現在この状況は変わりつつあるのだろう。
 世界の女性たちを魅了してきたイタリアンゴールドジュエリーも、新たな展開を模索しているという感を強く持った、今回の「ヴィチェンツァ・フェア」だった。

日本ファッション・エディターズ・クラブ http://www.fec-japan.com

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