Fashion Insight

2008.9/vol.11-No.7


JFWは日本のファッション界を救えるか?”

 9月1日から5日まで「東京ミッドタウン」で7回目の「JFW in TOKYO」が開催された。

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 「JFW in TOKYO」といっても多くの方々はご存じないと思う。JFWとは「東京発 日本ファッション・ウィーク」のこと。これまで「東京コレクション」という名称で20年以上続いてきたイべントが、3年前に「JFW in TOKYO」と名称も変え、組織自体も新しくなり、日本のファッション産業を川上から川下までさらに活性化しようという目的のもと、経済産業省の後援を受けてスタートしたものだ。
 それまでの東京コレクションは、デザイナ―たちの結集であるCFD(東京ファッションデザイナー協議会)という組織が、パリやミラノに匹敵するような本格的なコレクション・シーンを東京に確立しようという目的のもとに運営してきた。しかしバブル崩壊と時を同じくしてDCブランドの勢いが止まり、またファッションも多様化の時代に入り、CFDも様々な問題を抱えるようになった。
 東京コレクションはニューヨーク、ミラノ、パリなどでのコレクション・ウィークと比較すると会期が長すぎ、海外のメディアやバイヤーが参加できなかったり、CFDの会費が高いなどがその大きな問題であった。
 さらに海外ブランドの攻勢で、日本のメディアも、東京コレクションに余り興味を示さなくなったということも問題のひとつだろう。
 こういった東京コレクションに危機感を持ったのが経済産業省であった。
 2005年秋、「ファッション・ビジネスの国際競争力強化を図るため、また日本の高品質・高感度な繊維素材やファッションのクリエイションを世界に効果的に発信するため、官民一体で、東京にファッションの発信拠点を整備しよう」という目的で、「東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW in TOKYO)」が経済産業省のリーダーシップで動き出した。
 春と秋、年2回開催されるJFW in TOKYOはすでに今回で7回目。当初と比較すると、国が後押しをしているだけあって、海外メディアの来場者数も増加するなど、世界からの注目度も次第にアップしてきている。またその運営組織も、前回まで中心になっていた「ファッション戦略会議」が、法人として生まれ変わって「有限責任中間法人 日本ファッション・ウィーク推進機構」となり、東京発のファッションのさらなる強化を目指している。また次回の2009年3月からは、世界の新進デザイナーの登竜門となるべく「SHINMAI Creator's Project」という新たな試みも立ち上げられ、国内外の有能な若手デザイナーが日本のファッション市場に参入するサポートをしようというプランまである。
 このように、東京をパリ、ミラノ、ニューヨークのようなファッションの発信地にしようと、まさに国をあげて取り組んでいるというのが、現状である。

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 ファッション界に生きる人間として私自身も、また、ファッション界の誰もが、こうした動向を歓迎しているのはまちがいない。
 だが、そうした外側の掛け声や意気込みに対して、ファッションを創る側の意欲ははたしてどうなのだろう。ただコレクションに参加すればいいとか、援助してくれるならコレクションをやらなければ損だとか、そんな安易な考えでいるのではないかと感じさせるデザイナーがいるのも現実だ。
 ファッション界に限らず、その世界を大きく飛躍・発展させるには、やはりその現場に才能豊かでかつ努力を惜しまず、そして誠実にひとつひとつの課題をクリアしていく人材がいることが不可欠である。
 日本の若手デザイナーの中からそうした人材がでてきたとき、日本のファッションが大きく飛躍する時だと思う。そうした「スター」の登場を、心から願う。
 「JFW in TOKYO」の長い道のりははじまったばかりだ。

日本ファッション・エディターズ・クラブ http://www.fec-japan.com

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