栞ちゃん

2008.8/vol.11-No.5


栞ちゃん

Vol.14  新潮文庫の100冊。

ボクハ読ムノガ遅イ人。

これは「新潮文庫の100冊」キャンペーン(1990年)のコピーです。
この名コピーのおかげで、
「そうか、読むのが遅いのは悪いことじゃないんだ」と、どれだけの人がラクになったことでしょう。
私も、そのひとりです。読むのが遅いひと。だから量もそれほどこなせません。
そのくせ本を買うのは大好きなものだから、
まだ読んでいない大量の本が、倒壊寸前の遺跡のように積み上がっているという有り様です。

とはいえコピーライターって、日々、山のように本を読むのは当たり前な(感じがする)のに、
それってどうなのよ。引き出しが少ないんじゃない? 考えが浅いんじゃない? と、
職業柄、かなりコンプレックスを感じているのですが。
今は半ば居直りながら、出会った本とは自分らしいペースで、楽しくおつき合いさせてもらっています。
待っててね、まだ読んでない本たち。

ところで、本にまつわる楽しみといえば、
他人の本棚を見せてもらうのって、なんだかとても魅力的ではありませんか?
私は、お家や事務所などお邪魔する先々で、まず本棚に目を奪われてしまいます。

読んだ本、読みたい本、大好きな本、仕事の資料、借りたままの本、カッコいい本・・・。
様々な想いや諸事情が、書物と一体となって混じり合っている棚は、
持ち主を主役にした一編のドラマのようだと言ったら、言い過ぎでしょうか?

そこにはその人のパーソナルな世界や脳内宇宙が広がっていて、
この世に同じ人間はひとりもいないように、
同じ本棚はひとつもないのだという面白さに対面できる気がするのです。

そんな気分を代弁してくれるWebコンテンツが、ありました。

かわいいパンダの「Yonda?」でおなじみの、「新潮文庫の100冊」、
そのホームページ内にある「MY YONDA?」を見ると、
“自分の本棚”と“となりの本棚”とあります。
“自分の本棚”では、100冊の中から、すでに読んだ本やこれから読みたい本を選んで
オリジナルの本棚を構成することができます。
そして“となりの本棚”では、見知らぬ誰かさんの本棚の中身を見ることができるという仕組み。
「この人、17歳なのに難しい本を読んでいるなあ」なんて、なかなか楽しい作りになっています。
私もさっそく編集しました。
読んだ本には、大好きな「ボクの音楽武者修行」もバッチリ入れて・・・

やっぱり、「読みたい本」が、「読んだ本」の倍以上になっちゃいました。

国井美果(文)
ライトパブリシテイ コピーライター

本誌デザイン
帆足英里子(デザイン)
ライトパブリシテイ アートディレクター

諸星太輔(写真)
ライトパブリシテイ フォトグラファー

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