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2008.7/vol.11-No.4


あだち充「2億冊突破」記念紙面に各世代が注目

 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。

5月28日 朝刊

 「タッチ」「H2」「みゆき」……人気漫画家、あだち充さんのコミックスの累計発行部数が2億冊を突破し、これを記念する広告(小学館)が5月28日朝刊に15段カラーで掲載されました。作品の主人公たちが勢ぞろいするとともに、記念インタビューとして落語家の林家正蔵さんとタレントの宮迫博之さんが「あだち充ワールド」の魅力について語っています。
 その広告の反響を、アド・ボイス調査の結果から紹介します。

特に男性注目

 広告接触率(「確かに見た」+「見たような気がする」割合)は88.5%、広告注目率(「確かに見た」割合)は68.1%で、ともに予測値より15ポイント以上高いスコアです(表1)。フリーアンサーでは「学生時代夢中になって読んだ作品で、とても懐かしい」(男性30代)、「青春時代を思い出す。また読み返したくなった」(女性40代)など、「懐かしい」という言葉が各世代共通して見られます。青春期にそれぞれが熱心に読んだ経験が広告を見る際に加味されたことが高いスコアにつながったと考えられます。
 男女別に見ると、特に男性の上回りが20ポイント以上と高くなっています。
 各作品はテレビアニメ放映や映画化なども経て、現在では男女問わず支持されていますが、初期の連載が少年誌中心で、「最後の少年誌マンガ家」と呼ばれることもあるあだち作品ならではの傾向と言えるでしょう。

表1
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「あだち充世代」が高スコア

 あだち充さんの最初の代表作「ナイン」の連載が始まったのが1978年。当時小学生だった人、つまりあだちファンの最初のボリュームゾーンは、現在40歳前後になっています。このことを踏まえて調査結果を年代別に見てみましょう。
 広告接触率はどの年代も高いのですが、最も予測値との差があるのが男性30代でプラス33.8ポイント。続いて男性40代の予測値プラス32.0、女性20代の予測値プラス28.3ポイントです。広告注目率でも同様に男性30代が最も高く、プラス45.6ポイント、続いて男性40代の予測値プラス43.6、女性20代の予測値プラス23.7ポイントとなります。40代から次の世代へ、ファン層が途切れることなく続いているからこそのスコアでしょう。継続して送りだされてきた作品が、受け入れられていると言えそうです。

20代女性が「話題にしたい」

 また、広告による行動喚起設問での、「よい広告を出していると思った」と「まわりの人と話題にしたい」が20代・30代で高めで、平均値を上回っています(表2)。「よい広告を出していると思った」は広告接触率などと同様に男性の方が高いですが、「まわりの人と話題にしたい」は女性の方が高くなっています。特に女性20代のスコアの高さは目を見張るものがあります(前年の平均スコアプラス15.1ポイント)。フリーアンサーを見ると、20代女性は他の年代と比べて懐かしさに言及した回答が少ないという特徴があります。彼女たちにとって、あだち作品は懐かしい過去のものというよりは「いま」の作品という感覚が強く、それがクチコミ意向の多さにつながっているのかもしれません。
 ここまで若年層に注目してきましたが、50代以降のスコアも決して悪くありません。この世代のフリーアンサーでは、「子どもが夢中で読んでいた」(60代男性)、「孫が読んでいた」(60代女性)など自分以外の経験が広告接触に影響している様子もうかがえます。
 あだち作品は男女や世代によってそれぞれのとらえ方をされていますが、結果として広く支持され、その力が累計発行部数2億冊という金字塔を打ち立てることを可能にしたのでしょう。

表2
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(川合)

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