AD FILES

2008.7/vol.11-No.4


5300万人のお客様一人ひとりにAnswerを伝える広告

NTTドコモ プロモーション部 広告・メディア開発担当部長 樺沢正人氏

 設立から16年、7月1日に全国の地域会社を一社化して新たなスタートを切ったNTTドコモは、それに先立つ5月8日の朝刊に、「手のひらに、明日をのせて。」の新しいブランドスローガンとロゴを披露する全ページカラー広告を掲載した。
 日本人の8割以上に携帯電話が普及し、次の競争ステージに進む勢いをつけるために仕掛けた「DoCoMo2.0」キャンペーンは、昨年から今年にかけて大きな話題を呼んだ。そのイメージをガラリと変えた今回のコーポレートブランドキャンペーンについて、広告・メディア開発担当部長の樺沢正人氏は、「マーケティングの舵を大きく切って、5300万人の既存のお客様を大切にするという方針を明確に打ち出しました」と語る。
 同社では、昨年8月に設置したコーポレートブランディング本部を中心に、社員全員で「ドコモのあるべき姿」を追求してきたという。そこで打ち出したのが、「お客様一人ひとりの手の中で、明日の可能性を限りなく広げていく存在になろう」という新しいビジョンだ。
 「派手さはないかもしれませんが、人と人、人と暮らしの絆を深めるためのサービスを提供するリレーションシップサービスカンパニーになるという事業ビジョンと、それを支える基盤を持つ安心感を、きちんと伝えていきたいと思います」

5月8日 朝刊

覚悟が必要なキャンペーン

 今春、年間に2700万件も寄せられる顧客の声を少しでも業務に生かせるように、全社員が閲覧できるシステムを構築した。また、「いざという時にひるまない携帯電話」であるために、多くの移動基地局車や移動電源車を配備して災害時などに備えている。公共のインフラとしての責任を果たすため、離島や山間部でも通信できるように基地局の増設も続けているが、「他社に比べて大きなアドバンテージを持つこうした取り組みは、意外とお客様に伝わっていませんでした。電話会社のDNAを持つ我々にとっては当たり前のことで、あまり広告のテーマとして取り上げてこなかったせいかもしれません」。
 そこでスタートさせたのが、「ドコモのあなたに、Answerを。」キャンペーンだ。5月11日の朝刊に掲載した全ページ広告では、新サービスの告知だけでなく、サービスの基盤である基地局の増設など、様々な取り組みを「Answer」として並べて見せた。
 「お客様の声に対して具体的な行動を示すことで、納得感のある答えを出すという宣言です。ただし、社内の各セクションから出てくるAnswerが、本当にお客様に納得してもらえるものでなければ広告は作れませんから、我々にとっては相当な覚悟が必要なキャンペーンの枠組みになっているんですね」
 Web上には新しいAnswerが次々に製造される「Answer Factory」サイトを立ち上げ、キャンペーンの中心に据えている。5月14日の朝刊に掲載した「A.001」を皮切りに、原則として一つの広告で一つのAnswerを丁寧に伝えていくシリーズ広告も始まっている。マス広告だけでなく、DMやOOHを含めた顧客とのあらゆる接点で宣伝を展開しているが、最初にAnswerを伝えるフロントランナーの役割は、新聞広告に託しているという。
 「テレビの15秒や30秒の映像で象徴的なイメージを伝えることはできますが、お客様の情報リテラシーは様々ですし、じっくり読んで深く理解してもらうことも必要です。毎日更新されて家庭に届く新聞の広告は、ページビューが70万件を超える日もあるほど関心を持っていただいている『Answer Factory』へのトリガーとしても機能していますね」

5月11日 朝刊
5月14日 朝刊

名脇役の携帯電話へ

 マーケティングデータを活用して効率よく広告していくことも大事だが、「一番大事なのは、広告でも一人ひとりのお客様の気持ちをくみ取って、きちんと向き合うこと」と話す樺沢氏。
 こうした思いを体現するキャンペーンとしては、7年にわたって雑誌で展開している『家(ハートマーク)族(イエ・ラブ・ゾク)』の広告シリーズがある。実際のドコモユーザーである家族の歴史の一シーンをモノクロームの写真とエピソードで切り取り、家族と携帯電話のリアルな関係を描き続けている。
 「長年続けていると、家族の生活や気持ちのそばにいる名脇役としての携帯電話の姿が見えてきます。我々の商品は使っていただく人が主役だという原点を忘れないためにも、ずっとこのままのトーンで大切に続けていきたいキャンペーンですね」
 地道な取り組みを積み重ねていくことの大切さを繰り返し説く樺沢氏は、最後に「お客様との強い結びつきに耐えうるブランドとしてdocomoをピカピカに輝かせるために、これからも納得感のあるAnswerを出し続けていかなければならないと思っています」と、腰を据えて宣伝に取り組む覚悟を語った。

6月15日 朝刊 1面突き出し
読売ウィークリー 6月29日号

(横尾)

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