ojo interview

2008.6/vol.11-No.3


阪本節郎氏

阪本節郎氏

 「あしたのジョー」の連載が少年マガジンでスタートしてから40年、「まさか50歳を過ぎて、リタイアして老け込もうってんじゃないだろうな」とは、昨年12月19日の読売新聞夕刊「ジーンズフィフティ企画」に載った矢吹丈のセリフだ。
 「56歳の私にとっても思い入れのある主人公の口を借りて、『新しい大人たち』へエールを送りました。下り坂の老後感ではなく、生涯現役感を持った世代が活性化すれば、あとに続く世代の生き方も変わります。でも、団塊の世代が日本全体を変える起爆剤になるとは、研究を始めた当初は露ほども思っていませんでしたけどね(笑)」
 2000年、新設されたエルダービジネス推進室のプロジェクトリーダーに就任。長年のエルダー研究に裏付けられた「ジーンズフィフティ企画」の宣言文では、「新しい大人は、生涯現役だ。50歳を過ぎたら年をとらない」と言い切った。
 博報堂に入社以来、SP部門でモノを売るための仕組みを考える中で、企業の「利潤追求というホンネ」と「社会貢献というタテマエ」を一致させるべきだとの思いに至った。消費行動が社会貢献につながるソーシャルプロモーションの考え方で高齢者市場の可能性を探るうちに、団塊の世代が日本初の「新しい大人市場」を作ることを確信したという。
 「世界でも、日本の団塊と同世代の意識を調べると『ステイ・ヤング』という共通のキーワードが出てきます。ジーンズフィフティという呼称も、世界に通用する言葉になるかもしれません」
 平均年齢が40歳を超え、人口の2割以上が65歳を超える超高齢化社会が、世界に先駆けて到来した日本。とかく暗く語られがちな話題だが、エネルギッシュな口調とおおらかな笑顔は、不思議と明るい未来を感じさせてくれる。
 「日本の個人資産はかなりの部分を高齢者が持っていて、人は生きている限り消費者です。世界に先駆けて『新しい大人市場』を作っていくために、できるだけのことをしていきたいですね」

文/横尾一弘  写真/清水徹

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