from Europe 2008.5/vol.11-No.2

グローバル企業の世界的な女性援助
 3月8日は国際女性デー。1904年、ニューヨークで女性労働者が参政権を要求するデモを行ったことをきっかけに、1910年、国際的に制定されたもので、100周年に向けて、この3年間は活動を強化するようだ。今年も国連を中心に世界でさまざまなイベントが行われ、パリでも、街頭ポスターで作家のボーボワールの写真とともに告知されていた。
 国際女性デー関係の新聞広告も、当然のように出稿されている。化粧品流通の「Marionnaud(マリオノウ)」が、3月7日付のフィガロ紙と同8日付のリベラシオン紙で、女性の10人に1人が夫婦間暴力の被害に遭っていることを訴えた。同社は、8日に店舗で買い物をすると同問題の相談機関であるFNSF(全国女性連合協会)に2ユーロが寄付されるキャンペーンも行っていた。
 また、エクソンモービルが3月7日付のフィナンシャル・タイムズ紙(FT)に出した広告で、2年前にアフリカ初の女性首相となったエレン・ジョンソンの言葉「Women Can」を引用し、同社が協賛しているアフリカの女性職業教育、管理職への研修プログラムを紹介した。ゴールドマンサックスは同11日付で、「10000WOMEN」の設立を発表。FT紙がサポートするCamfedという慈善団体やコロンビア大学などの教育機関と共同で、発展途上国で就労している女性に対し、数週間で管理者教育や資格を与えるプログラムだ。協賛金は米金融界では過去最高の100万ドル(約10億円)。
 こうした発展途上国の女性を支援する活動を行う企業は多数あり、他にも、リーバイス、シティグループ、マイクロソフト、スタンダードチャータード銀行などが名を連ねる。
 中東では、イスラム圏特有の男性優位主義を反映した法律の改正が女性運動のテーマとなっている。
 イランの憲法では、離婚の申し出は夫からのみ認められ、相続や死亡保障額に関しては女性は男性の半分しか受け取れない。同国では、女性の地位向上を訴えるNGO活動が活発だが、4月初め、活動メンバーが警察に連行され、2週間の独房拘留の後に釈放される事件も起きている。イスラム諸国では女性が人前で肌や髪をさらすことが禁じられているが、イランではここ数年チャドルを外す女性が増え、当局の取り締まりが厳しくなった。サウジアラビアでは、女子バスケットボールチームが10以上あるが、練習は地下体育館でしか行えない。同国女子のオリンピック出場はまだなく、選手たちは「いつか世界的な舞台で実力を試す」ことを夢に練習に励んでいる。
 世界的な女性人権機関のメンバーは、アフリカ・中東が中心で、最近は中国からの参加も積極的だ。
 ちなみに、日本で国際女性デーに関する活動が始まったのは大正12年(1923年)。婦人の政治的・経済的自由の獲得がテーマだった。日本女性が当然のように享受している男女平等の就労機会は、実は多くの女性の労力によって勝ち取ってきたものだ。
 日本では昨年、エイボンが社会貢献を行う女性への活動資金援助を発表する新聞広告を出した例はあるが、こうした世界的な視野に立った女性問題があまり話題にならないのはちょっと残念だ。


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