特集 2008.4/vol.11-No.1

企業広告は進化する
企業ブランド力を測る『よみラボ』の試み
 『よみラボ』の企業コミュニケーションの効果を測る試みが「マインドシェアランキング」だ。企業名を純粋想起で挙げてもらうことによって、消費者の頭の中(マインド)で、どの企業ブランドがどの程度の地位を占めているかを定期的に調べている。今回は、「消費者に思い浮かべられる企業ブランド」となるためのカギを探った。

 一般的な企業イメージ調査では、あらかじめ企業名をリストアップして、その企業の認知やイメージについて質問することが多いが、実際には競合ブランドすべてが消費者の脳裏に浮かぶわけではない。そういう意味ではマインドシェアランキングは、ただ「知っている」だけでなく、調査対象者に純粋想起で思い浮かべてもらえないとランクインできないハードルの高い企業ブランド調査である。また、一番初めに想起された企業ブランド名は「トップオブマインド」と呼ばれ、特に強いイメージを持たれていることを意味する。よみラボでは、このトップオブマインドのデータも併せて紹介している。
 今回は、06年7月から07年10月までの全9回(27のイメージ項目)の調査結果から、どのような要素がマインドシェアあるいはトップオブマインドを高めるために効果を発揮したかについて分析を行った。
 「総合ランキングトップ10」(表1)を見ると、マインドシェア、トップオブマインドとも、ほとんどすべてのイメージ項目で1位のトヨタ自動車が、総合で1位になっている。以下、ソニー、キヤノンと続く。

表1 27項目の得票合計による総合ランキングトップ10
総合ランキングトップ10

 表2 3因子の内訳
 では、特にどういったイメージ項目が、ランキングの順位を上げることに貢献しているのだろうか。
 そこで、まずマインドシェアの上位198社(得票数40以上)の得票合計数と順位を用いてイメージ項目の因子分析を行った。その結果、表2のように三つの因子グループに分けられ、それぞれを「社会性・安定性」「独自性・成長力」「広告力・親近感」を表す因子と名づけた。
 次に、マインドシェアとトップオブマインドの順位を上げるための3因子の影響力を測るために、それぞれの順位を目的変数、3因子の得点を説明変数とした重回帰分析を行った。
 図1は、マインドシェアランキングの順位を上げる要因を探るための分析結果だが、第3因子「広告力・親近感」が最も強く影響していることがわかる。また、図2のトップオブマインドの順位を上げる要因でも、「広告力・親近感」の影響が最も強い。つまり、なるべくたくさんの人に思い浮かべてもらうためにも、最初に思い浮かべてもらうためにも、「広告力・親近感」が、最も有効であるという結果になった。

図1 マインドシェアランキングへの影響要因 図2 トップオブマインドへの影響要因

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 「マインドシェアランキング」は、今後も2か月に1度のペースで調査を続けて発表していく予定です。また、過去に調べたイメージ項目について、2回目の調査を行い、時系列変化を見る分析も始まっています。今回の結果についてのさらに詳しいデータと分析リポートは、「よみラボ」をご参照ください。
〈読売新聞広告局サイト よみラボ http://www.yomi-lab.com/

■ 調査概要
調査期間/回収数(率):(1)06年7月15日〜21日/635(70.6%) (2)06年8月24日〜27日/659(73.2%) (3)06年10月23日〜26日/656(72.9%) (4)06年12月3日〜6日/639(71.0%) (5)07年2月7日〜11日/642(71.3%) (6)07年4月11日〜14日/732(71.7%)(7)07年6月6日〜10日/730(71.6%) (8)07年8月1日〜4日/733(71.9%) (9)07年10月2日〜4日/721(70.1%)
調査対象者:読売新聞広告反響調査システム「アドボイス」のモニター(20歳以上、東京・神奈川・千葉・埼玉の各都県に居住)
回答方法:1回の調査につき、三つのキーワードについてそれぞれ思い浮かぶ企業名を純粋想起で回答(最大6社まで)

 


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