pick up AdVoice 2008.4/vol.11-No.1

消費者に伝わった「食の安全」メッセージ
 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。



 食品の期限表示について消費者に広く正しく理解されるよう、農林水産省・厚生労働省が「消費期限と賞味期限の違い」の広告を2月23日と24日の朝刊に2日間連続で掲載しました。「消費期限」は「安心して食べられる期限」で傷みやすい食品に表示されるもの、「賞味期限」は「おいしく食べられる期限」で長持ちする食品に表示されるもの、という基礎知識を告知しています。

キャラクター使用、2連載効果

 1日目(23日)は5段モノクロの見開き紙面。アニメ「天才バカボン」のパパがメーンに出て、「賞味期限」と「消費期限」の意味を簡潔に伝えています。2日目(24日)は15段カラーで、バカボンのママがメーンになり、「賞味期限」と「消費期限」の意味は押さえながらも、「わが家の食べどきルール もったいないことしていない?」というコピーを立てて、食品をムダにしない、環境にやさしい生活を送ろうというメッセージを前面に出しています。1日目の広告で言葉の意味の理解が深まったところで、2日目に本来のメッセージを込めたということでしょう。
 図1 広告接触率と広告注目率(単位:%)
 二つの広告とも、アドボイスの広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合)、広告注目率(広告を「確かに見た」人の割合)で高いスコアを獲得しました(図1)。
 広告接触率は23日付が82.1%、24日付が93.4%と上昇していますが、広告のサイズが大きくなり、モノクロからカラーになっているので上昇は当然と言えます。
 広告注目率は23日付が65.0%(予測値プラス24.6ポイント)、24日付が82.8%(予測値プラス26.1ポイント)で、スコアだけでなく予測値からの上回り度も上昇しています。広告を見た人のうち「確かに見た」の割合が2日目に確実に増えたということで、2連載の効果が出ていると考えられます。

好感度アップ、関心・理解も

 図2 全体の広告評価(単位:%)
 広告評価6項目すべてにおいて、24日付は23日付より高いスコアになっています(図2)。10ポイント以上の高い伸びだったのは「広告好感度」「広告印象度」「広告主との適合度」で、広告のサイズやカラーなど広告条件の影響を受けやすいこれらの項目で24日付の方が高いのは自然な結果です。「広告関心度」「広告理解度」は広告条件の影響を受けにくい項目ですが、これらも24日の方が数ポイントずつ高いスコアとなっています。ここにも2連載効果がうかがえます。
 自由回答を見ると、23日付では「バカボンのパパの解説が簡潔な上に、補足説明も過不足なく盛り込まれていて、消費期限と賞味期限について理解が深まった」(女性30代)など、言葉の意味の理解に言及するものが多く見られました。
 24日付になると、「もったいないという言葉は、今の日本にいろいろな意味で必要だ。食品だけではなく、家具、家電などにもいえると思う」(男性20代)、「消費期限と賞味期限の違いがよく分かった。今まではこれらを混同し、誤解していた人も多くいたと思う。これからは正しく認識し、食品の無駄をできるだけ少なくしたいと思う」(男性30代)など、食べ物を無駄にしないことを意識したものが出てきます。今回の広告は環境意識へも訴求したといえるでしょう。
 職業別に見ると、やはり専業主婦の評価の高さが目立ちます。関心度、印象度、好感度の広告評価が90%を超えたことから、家庭の食を管理する層に対して広告の意図がよく伝わったようです。

20代男性には「バカボンのパパ」が訴求

 図3 男性20代の広告評価(単位:%)
 20代男性で、意外な結果が見受けられました(図3)。広告評価項目で20代男性だけは、24日付より23日付の方が高いものが多いのです。20代男性の感性には、バカボンのママよりパパの方が働きかけたのでしょうか。23日付の広告が掲載されたのはスポーツ面でしたので、その影響もあるのかもしれません。
 今回の広告は、食の安心についてタイムリーな情報を提供し、幅広い世代に知名度のあるアニメ「天才バカボン」のキャラクターを用い、効果的にメッセージが到達したと考えられます。
 消費者の食への関心が高まっている今、食に関連する企業は、自社工場の衛生管理、原材料の流通経路を明らかにするトレーサビリティーの実施など、自社の取り組みを消費者に積極的に発信する必要があるはずです。そのコミュニケーションに、新聞広告の力を活用してはいかがでしょうか。

(横尾圭司)
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