AD FILES 2008.4/vol.11-No.1

液体オーラルケア市場全体の活性化へ14日続けてユーモラスな格言を掲載
マーケティングサービス部 メディア室 梶山浩司郎氏
 2007年の液体オーラルケア商品の市場は184億円(サンスター調べ)。サンスターは、この市場で3割超の高いシェアを持つ国内トップブランド「G・U・M デンタルリンス」を持ち、2005年には就寝前の使用で翌朝の口臭・ネバツキを防ぐ「G・U・M デンタルリンス ナイトケア」を発売するなど、社会のニーズに応えた商品開発力に定評がある企業だ。
 そのサンスターが、タレントのルー大柴氏を起用し、「地震サンダーファイアー口臭」「禍ウォッシュしてハッピーエンド」など、口内衛生にまつわるユーモラスな“ルー語格言”を投げかける雑報広告を、3月1日から14日まで連日掲載した。
 1日に2本から7本、朝刊社会面を中心に掲載されたこのユニークな広告は、何を狙ったものだったのか。サンスター マーケティングサービス部メディア室の梶山浩司郎氏に聞いた。

ブランド横断キャンペーン

 サンスターの調査によると、個人の液体オーラルケア商品使用率は約3割。ターゲットが老若男女を問わないことを考えると、更なる成長が期待できる分野と言えるだろう。梶山氏によると、本キャンペーンの目的は、この使用率を高めるきっかけをつくることにあるという。
 従来のサンスターの広告は、ブランドごとに商品の機能・特長を訴求する形で行い、液体オーラルケア商品に関しても同様の手法で行っていた。しかし、その使用率は大きく伸びるまでに至っていなかった。
 「そこでリーディングカンパニーとして、まず液体オーラルケア商品の市場全体を活性化させる必要があると考えました。そのためには、従来のブランドごとの訴求ではなく、その一つ前の段階として、液体商品を利用したことがない方に『液体によるオーラルケア』というカテゴリーに注目してもらいたいと思いました」

新聞広告で濃い接触

 このキャンペーンにインパクトを与え、多くの人の注目を集めるために、旬のルー大柴氏を起用した。その理由として梶山氏は「人によって多少の好き嫌いはありますが、とても前向きで、明るく親しみも持たれている方です。さらに独自のユーモアのあるルー語はトレンド性もあり、彼が『口内衛生をトゥギャザーしようぜ!』と言うことで、より多くの人に注目されると判断しました」と語る。
 格言やことわざをベースに口内衛生の必要性を訴えたルー語格言は、最初、約300種類作成したものから推敲を重ね、厳選した全51種類を使用した。
 「ルー語格言の見せ方を考えた際、さらっと流れるテレビではなく、しっかり文字で味わってもらえる新聞広告が最適と考えました。また新聞の雑報広告であれば、毎日複数掲載することができ、『ここにもあそこにも載っている』『昨日も載っていたけど明日も載るのかな』などワクワク感を演出し、能動的な接触を期待できます。加えて、あらゆる年代をカバーできるという新聞の媒体特性も商品のターゲットに合っていました」
 実際、読売新聞のアド・ボイス調査でも「毎日見ています。いつまで続くのか毎日わくわくしています」(女性20代)、「小さな広告でも一つ一つにインパクトがあって記憶に残る」(女性30代)など、狙いを裏付ける回答がいくつも見られた。
 今回のルー語格言は、口内衛生に関する内容のため「マウス」や「ウォッシュ」といった言葉が多く使われているが、新聞広告は見開き単位で情報が入ってくるため、ダブリ感を読者に持たれないよう、掲載位置と内容には細心の注意を払った。さらに新聞への掲載は別な意味もあった。
 「今回のキャンペーンも、我々は決してふざけてやっているのではなく、まじめに口内衛生に液体オーラルケアをお勧めするため行っています。ルー語格言一つだけ見ると、既にいらっしゃるサンスターファンの方にふざけていると思われる可能性もないとは言えません。そういった意味でも、雑誌やフリーペーパーではなく新聞を選択しました。新聞の媒体特性によってまじめさ・真剣さが付加されることを期待したのです」
 また、ターゲットの中心となる働く人たちに、よりインパクトを与えるため、東京・山手線を始めとする全国5か所でトレインジャックも実施し、新聞広告との相乗効果を図った。

注目から、次は興味へ

 本キャンペーンには、消費者から多くの反響が寄せられた。流通サイドからも「いい意味でいつものサンスターらしくない」という反応があるなど、「液体商品に注目を集めるという目的は達成できたのではないかと思います」と梶山氏。
 「今回のキャンペーンを我々は始まりと考えています。第2弾、第3弾として、今回のキャンペーンで集めた液体オーラルケア商品への注目を、次の段階、興味・理解につなげることが重要となります」
 今後は、より商品特徴のわかりやすいPOPの作成など、さらに液体商品への理解を深めてもらうためのプロモーションに取り組む予定だ。
 「きれいな口には福アライブ」このルー語格言は、サンスターの口内衛生への強い思いを改めて感じさせた。


(東)
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