pick up AdVoice 2008.3/vol.10-No.12

新聞広告を使って「SAD」の社会的認知を広げる
 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。


1月20日 朝刊

 「SAD」をご存じですか。「SAD(社会不安障害)」とは、他者から受ける評価への強い不安から苦痛や身体症状が起こり、その結果、他者との接触を避けるなど日常生活に支障をきたす状態を言います。この「SAD」についての全面広告が1月20日付朝刊に掲載されました。従来は性格の問題ととらえられることもあったため、広告では「SAD」が病気であり、治療が可能なことを訴求するとともに、ホームページ「SAD NET」を告知しています。この広告への読者の反応をアド・ボイス調査の結果から見ていきます。

社会全体に認知を広げる

 「初めてこの商品・サービスや広告主を知った」は68.3%(2007年平均24.9%)で、この広告で初めて知った人が多くを占めました(表1)。自由回答でも「SADという言葉自体知らなかった。多くの人にこの症状の存在を知ってもらうだけでも意味がある」(男性40代)などが見られ、認知を促進したことがうかがえます。

表1 認知状況(単位:%)
表1 認知状況

男性に注目された

 広告接触率(「確かに見た」+「見たような気がする」割合)は84.2%、広告注目率(「確かに見た」の割合)は61.4%で、ともに予測より10ポイント以上高いスコアです(図1)。男女ともに予測値を上回っていますが、特に男性では広告接触率でプラス20.1ポイント、広告注目率でプラス13.4ポイントと、より高い上回りになりました。広告でもビジネスシーンの写真が使われていますが、SADの悩みは職場での比重が大きいでしょうから、専業主婦や無職が半数近くを占める女性よりは男性の方が高いスコアになったのではないでしょうか。

図1 広告接触率と広告注目率

強い関心を示した男性20代

 広告への関心度では「とても関心がある」が20.5%、「まあ関心がある」を合わせると66.4%で、2007年の平均値を上回っています(表2)。ここでも男性の上回り度合いの方が高くなっています。特に男性20代では「とても関心がある」だけで43.8%に達しています。
 男性20代の自由回答では、関心の強さを裏付けるような「気持ちがよくわかる」「思い当たるふしがある」など実感からくる回答がありました。また、「新社会人が生まれる時期でタイミングが良い」(男性50代)、「自分の過去を振り返り、特に人生の転換期の若い人に関心を持ってほしい広告」(男性60歳以上)といった、人生の先輩が自分の体験を振り返り、この広告は特に若い人に必要な情報だという内容の回答が見られました。
 また、広告への信頼度は、男性では「とても信頼できる」が20.2%、「まあ信頼できる」を合わせると87.9%で、2007年の平均を約10ポイント上回りました(表3)。ここでも男性20代では「とても信頼できる」という回答だけで31.3%という結果となりました。
 関心層と信頼度の高い層が重なっているわけですが、関心者はよりシビアに信頼できるか否かを判断するはずです。関心者に信頼されたということは、今回の広告に込められたメッセージが表現方法とうまく連携して狙い通りに訴求したということになるでしょう。

表2 広告への関心度(単位:%)
表1 認知状況
表3 広告への信頼度(単位:%)
表1 認知状況

周囲の理解意識の形成

 「心の病を我慢して悪化させている方が大勢います。一人で悩まず少しでも前進できるように、このような広告でアピールすることは本人にも、その周りの家族などにもとても良いことだと思います」(女性30代)、「このように社会に発表してもらえると多くの人の症状への理解を促すと思う」(女性60歳以上)など、周囲の理解に言及する自由回答も見受けられました。「この広告主のホームページを見たいと思った」(10.8%)という直接効果はもちろんですが、「よい広告を出していると思った」(22.4%)、「まわりの人と話題にしたいと思った」(10.4%)といった啓発、波及効果も重要です(表4)。幅広い年代が同時に接する新聞がその役割を順当に果たして、広く社会に認知させ理解を深めることができたということでしょう。

表4 広告閲覧による行動喚起(単位:%)
表1 認知状況


(東)
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