Fashion Insight 2008.1・2/vol.10-No.10・11

満を持して銀座に進出したジョルジオ アルマーニ
 11月7日、ラグジュアリー・ブランドの出店相次ぐ銀座・晴海通り沿いの一角に、満を持して「アルマーニ/銀座タワー」(東京都中央区銀座5-5-4)がオープンした。
 同ブランドとしては世界最大規模の広さを誇り、ジョルジオ アルマーニやエンポリオ アルマーニをはじめ、アルマーニ カーザと銘打ったインテリア、世界初となるスパ、レストラン、そして最上階には会員制バーをも備える、まさにアルマーニのライフスタイルショップと言っていいだろう。
 6日の内覧会直前に行われたオープニングセレモニーには、アルマーニの大ファンとして知られる、女優ケイト・ブランシェットもハリウッドから駆けつけ、アルマーニ氏と仲良く点灯式を行った。また7日の夜は、「アルマーニ/銀座タワー」のオープンを祝し、武道館を借り切り、一夜限りのイベント「One Night Only at Budokan」を開催した。当夜、武道館はアルマーニ・ブラック一色で装われ、会場に設営されたキャットウォークをイタリアから運んだという約100脚のソファが囲み、まさにクラブのよう。
 「ジョルジオ アルマーニ」「エンポリオ アルマーニ」の2008春夏コレクションを招待客に見せるだけでなく、「吉田兄弟」による津軽三味線、ヴォーカル・グループ「イル・ディーボ」や「ファギー」といった人気アーティストのライヴパフォーマンスもあり、また「アルマーニ/銀座タワー」のレストランシェフによる、特別メニュー・ディナーも供され、華やかな宴は深夜まで続いた。このオープン2日間での「アルマーニ/銀座タワー」の売り上げは、うわさでは1億円以上とも言われ、まさにアルマーニの力を再認識させられた2日間だった。


 ミラノの3Gと呼ばれたジャンニ・ヴェルサーチとジャン・フランコ・フェレ亡き後、ただ一人でミラノファッションを背負った感のあるアルマーニ氏も、今年73歳。しかしその勢いはとどまるところを知らない。
 10年前、私が編集していた雑誌『マリ・クレール』でアルマーニ特集を組んだことがある。当初は12ページくらいで特集ページを作る予定であったのだが、やはりアルマーニのすべてを紹介したいと考えると、ページはどんどん膨らみ、最終的には32ページになってしまった。ファッション撮影もミラノで行い、また女性誌ではあったが初めて男性を表紙に起用することを考えた。アルマーニ氏本人に登場していただこうと思ったのだ。そのことを氏に相談すると、女性モデルと一緒ならとの返事。しかもその場でミラノに居たスーパーモデルに電話をかけ、交渉までしてくれ、OKをとってしまった。スーパーモデルに払うギャラまでは用意していないことを伝えると、ギャラの交渉までしてくれた。

 撮影当日、スタジオにはアルマーニ本社のスタッフも大勢訪れ、カメラマンを含めたわれわれも大変な緊張状態で撮影に臨んだのだが、「いい仕事をしている現場を我が社の連中にも見学させたい」とのこと。日本からの編集スタッフ全員が感激したことは今でもいい思い出だ。
 その2か月後25年ぶりに来日したアルマーニ氏は15分くらいならという約束で、中央公論の社屋を訪問してくれた。ミラノで撮った、『マリ・クレール』の表紙に使用した写真を大きく引き伸ばして玄関に飾り、編集部員らが迎える中、アルマーニ氏は悠然と一人で歩いてあらわれた。緑茶をすすり、干菓子を口にしながら、故嶋中雅子会長とにこやかに歓談する姿は“帝王”と呼ばれる完璧主義者とは一味違う、人間味あふれるものであった。
 アルマーニ氏が去ったのは、予定の15分を大幅にオーバーして、1時間以上もたってからであった。
*ジョルジオ・アルマーニ氏は2004年、第48回FECデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。


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