AD FILES 2007.12/vol.10-No.9

内外コミュニケーションの活性化に大きな成果
三井住友フィナンシャルグループ 広報部 部長代理 服部 晃氏
 三井住友フィナンシャルグループが、グループとして初めての広告キャンペーンを行ったのが今年8月。猛暑だった今夏、8月2日の二連版からスタートし、6日、8日、10日のシリーズ広告がさわやかな緑色のインパクトを残した。
 その後の反響や効果などについて三井住友フィナンシャルグループ広報部 部長代理の服部晃氏に聞いた。

コーポレートメッセージの発信

 三井住友フィナンシャルグループは2007年4月に今後3年間を対象とする中期経営計画をスタートした。その名称が今回の新聞広告すべてに大きく記されている「LEAD THE VALUE」計画だ。同グループがDNAとして持つ3つの力「先進性」「スピード」「提案・解決力」に磨きをかけて、「最高の信頼を得られ世界に通じる金融グループ」を目指すことがその計画の基本方針だ。経営目標としては成長事業におけるトップクオリティーの実現や、グローバルプレーヤーにふさわしい財務体質の実現等を掲げているが、「『内外のコミュニケーションの活性化』ということもこの計画の重要な戦略であり、これらの広告はそれを具体的な形にしたものの一つです」と服部氏は説明する。
 紙面では、3つの強みのうち、「先進性」を帯のようにつなげた正方形で、「スピード」を流れるような滑らかな線の束で、「提案・解決力」を大小さまざまな円で象徴的に表現。第一弾の30段では三要素をバランスよく重ね合わせて「LEAD THE VALUE」を高らかに宣言し、2日おきに3回掲載した15段では、1要素ずつに絞り、社員の写真をちりばめながらグループの特徴をアピールした。
 今回の新聞広告の目的は、

1.「LEAD THE VALUE」計画で定めたコーポレートビジョンや会社の強みを広く浸透させる
2.グループ全体で一体感を持った発信を行う
3.インナーの活性化

などだ。
 広告掲載後に社外での反響調査を行った結果では、広告接触前と後でブランドイメージを表す各スコアが上昇し、またビジュアルに対する好感度が高かった。
 「具体的に言いますと、顧客を大切にしている、将来に向けたビジョンがあるなどの『顧客志向』、『変革志向』といったものを表すスコアが高くなっていました。媒体別評価では新聞の読者が他の媒体の接触者よりスコアが高く、しっかりと伝えたいことが理解されたと感じています。新聞を活用した目的は我々の伝えたいことを的確に文字で伝達できること。経営戦略の発信は文字化も必須です」

社内コミュニケーションの活性化

 「先に進めば進むほど、さらに先が見えてくる。私たちのライバルは、私たち自身です。」など強いコミットを表現するコピーをあえて採用し、社員にも向けた熱いメッセージとなっている。
 全国紙三紙を使い、グループ内各社から社員が登場し掲載紙ごとに写真の配置を変え、すべての人がまんべんなく露出するという細かい工夫は、グループ内の一体感の醸成とインナー活性化には有効だっただろう。同僚が広告に出ているということは各社内で話題になり、コミュニケーションの格好のネタとなったようだ。
 また、このキャンペーンの制作過程も、社内コミュニケーションを深める役割を担っていた。
 「広告案については数百名の社員の意見をヒアリングしました。私も関西に行きましたし、スタッフで手分けして回りました。こういった手法は今回初めての試みでしたが、本部と現場では意見が食い違う場面もあり、広告内容を考える上で大変重要な作業でした」
 また、インナー効果をより強めるために、社内ビデオニュース広告特別号をつくり、どのように広告を展開していくかも事前に全役職員へ連絡した。徹底したコミュニケーション強化が、今回のインパクトの強い広告作りの根幹にあった。
 「今回のキャンペーンは『家族との話題になって良かった』という声が社内から多くあがり、それが士気を高めることにつながったと感じています」
 初めてのグループ挙げてのキャンペーンは対外的にも内部向けにも一定の評価を得たようだ。
 「今回のようなキャンペーンは一過性のものではなく、継続していくことが重要だと考えています。いくつか反省する点もありますので、次回はさらに良いものを目指していきます」
 この服部氏の言葉からは今回の成果を持続していくという強い決意が伝わってきた。

紙面
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(増田)
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