CURRENT REPORT 2007.7・8/vol.10-No.4・5

この夏、2万人の鼓動が響きわたるミュージカル製作で“感動”を提供へ
 「世にないことをやる会社」というモットーの下、「聞いてわかる、見てわかる、使ってわかる」という製品開発テーマを掲げ、創造的・革新的な取り組みを続け、ユニークな商品の数々を市場に送り出しているエステー化学。他企業が見逃しがちなニッチ市場に着目し、「グローバル・ニッチ・NO.1」を目指して高業績・高収益により企業価値の向上を図り、顧客、取引先、株主などのステークホルダーへの還元にも努めている。
 同社では社会貢献事業の一環として、全社一丸となって1998年から、オリジナルミュージカルの公演を主催。10回目を迎える今年も、8月に全国主要8都市にて“2万人の鼓動TOURSミュージカル「赤毛のアン」”を実施する。
 エステー化学が手がけるミュージカルとはどのようなものか。その特徴などについて、同社 宣伝部 部長の鹿毛康司氏に話を聞いた。


エステー化学株式会社 宣伝部 部長 鹿毛 康司氏 ――ミュージカル「赤毛のアン」の特徴を教えてください
 まず、一人でも多くの方がミュージカル文化に接することができるように日本全国で公演を実施し、すべての公演を「券売」ではなく観覧チケットプレゼントキャンペーンによる「招待」制としています。昨年のキャンペーン応募数は35万通を超え、累計の招待来場者数も12万人を突破するまでになりました。また、数々のミュージカルの企画・製作を手がけている「イマジンミュージカル」のスタッフを中心に、日本のミュージカル界を支える精鋭が思いを込めてつくる本格的な舞台であり、オーディションキャラバンで選ばれた市民が、プロの役者とともに地元の舞台に立つ「地域密着・市民参加型」であることを特徴としています。
 今回の「赤毛のアン」については今年で5年連続となりますが、公演の質は回を重ねるごとに上がっており、キャンペーンへの応募数も毎年増えています。
 今年はオリジナルミュージカル10年目という節目でもあり、スタッフ、キャスト、そして観客というミュージカルに携わるすべての人が、同じ熱い思い、舞台の楽しさを共有できたらという願いを込めて、タイトルを新たに“2万人の鼓動 TOURSミュージカル「赤毛のアン」”としています。

――タイトルに込められた具体的な意味は
 実際、観客の方だけでも1万8千人、オーディションへの参加者も1000人以上いらっしゃいます。その保護者に加え、うちの社員も総出で会場整理や接客などで参加していますし、ミュージカルのステージ製作スタッフ、CM制作者や広告制作者など関係者全員を合わせると2万人にのぼります。このミュージカルに参加している2万人のドキドキ感、ワクワク感を伝える言葉が「2万人の鼓動」です。
 そして、参加者全員でこのイベントを共有し、ひとつのムーブメントにしたいと考えました。観客の方も含めた全員で、一つのミュージカルを作り上げていると考えれば、1本の線でつながります。いわば、みんながこの「TOURS」の一員となるわけです。
 公演を盛り上げる仕掛けもいろいろと用意しています。「TOURSのぞき穴」というwebサイトで、舞台裏を現在進行形で公表し、関係者の思いを伝え、テレビCMは、実際のキャストに出演してもらい、舞台の延長線上にあるようなエモーショナルな内容に仕上げています。テーマソングも作成し、記者会見の際には出演者のダンスと共に披露しました。
 こうして、すべてをフュージョンさせることで、一企業主催の一ミュージカルの枠にとどまらない、新たなミュージカルの形が誕生したのです。

――告知広告はとても印象的ですね
 ただ単に、キャンペーンの告知では面白くないですから。見たときにニュースとして感じられるよう、新聞広告を始めとするグラフィックは、アンの象徴である麦わら帽子を、迫り来る未知の物体UFOに見立て、今回のミュージカルが、今まで見たことのない、体験したことのない「赤毛のアン」であることを表現しています。

――広告全般に対する考え方はどのようなものですか
 宣伝は経費ではなく投資というのが、弊社の考え方です。例えば、テレビCMのCM好感度では、エステー化学は38位にランクされていますが、年間広告費のランキングで言うと250位前後ですので、クリエイティブに関する成果は上がっていると言えるのではないでしょうか。販売効果についても、毎週役員会において広告費とPOSデータをつき合わせて検証しています。
 このように、常に投資に見合った効果を求められています。

――ところで今年は社名変更も予定されていますが
 昨年には創業60周年を迎え、創業家以外から初の代表執行役社長が就任いたしました。この節目を第2の創業ととらえ、本年の8月1日には、社名を「エステー化学株式会社」から「エステー株式会社」へと変更する予定です。これは、文字通り化学にとらわれない柔軟な発想で、チャレンジし続け、生活シーンの全般にわたって「癒やしと感動」を提供する会社になるという決意の表れです。
 これからもエステーにご期待下さい。


(梅木)
取材メモ
株式会社 イマジン
戸田幸比古 氏
 エステー化学は1946年の創業以来、化学メーカーとして防虫剤などの製造販売から始まり、生活・家庭用品において常に新たなカテゴリーを創造してきた。社名の由来は経営理念の一節「社会に対する奉仕(=SERVICE)と信頼(=TRUST)を信条とし、製品については最高(=SUPER TOP)を理念とすること」よりとったものだ。
 ミュージカルへの取り組みからも、チャレンジングであると同時に、社会への奉仕、信頼を旨とし、最高品質を追求する同社の姿勢がうかがえる。
 取材では、本ミュージカルのチーフプロデューサーを務める株式会社イマジンの戸田幸比古氏にも話を聞いたが、製作の現場では、主催者であるエステー化学と脚本の細部にいたるまで協議を重ねるほど、こだわりを持って一緒に作り上げているという。
 実際の公演についても、「参加している“2万人の鼓動”が伝わるようなパフォーマンスをお見せしたいと思います」と意気込みを語る。
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