CURRENT REPORT 2007.5/vol.10-No.2

世界中の女性たちにワクワクする“機会”を提供
 「国際婦人デー」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。1904年3月8日、ニューヨークの女性労働者たちが参政権とパンを求めてデモを行ったことを記念し、国連が1975年から毎年3月8日を「女性が平等に社会参加できる環境を整えるよう、世界各国に呼びかける日=国際婦人デー」と制定したものだ。
 この、女性に特別な意味を持つ日に合わせ、世界有数の化粧品会社であるエイボンは「Hello Tomorrow」キャンペーンをスタートさせると同時に、地域、ビジネス、健やかな子どもの成長のために活躍する女性たちの夢の実現に向け、資金面からサポートする「Hello Tomorrow」基金を創設。日本でも10人の女性を厳選し、それぞれ30万円を助成するという。そこで、当キャンペーンについて、エイボン・プロダクツ 代表取締役社長のテレンス・ムアヘッド氏に話を聞いた。


エイボン・プロダクツ 代表取締役社長 テレンス・ムアヘッド氏 ――キャンペーンを始めたきっかけは
 我々はこのキャンペーンを始める前に、「エイボンはどうあるべきか」という原点に立ち返り、議論を重ねていました。そして、世界の人々に対して何ができるのか、何をすべきか、ということを検討する中で誕生したのが今回のキャンペーンです。
 エイボンは、今まで女性のために様々なopportunity(機会)を生み出すことをビジネスとしてきました。家庭と子供に縛られてきた女性たちに、化粧品の訪問販売という形で収入を得る機会を与えてきたエイボンレディもその一つです。
 ですから、このキャンペーンではすべての女性に、明日には新しい、ワクワクするほど楽しい“機会”があることをあらためて提示することにしました。キャンペーンのグラフィックも、明るい未来を見つめる目が印象的な、力強くカラフルなものに仕上げています。

――全世界で一斉に始められたのですか
 そうです。国際婦人デーである3月8日に合わせ、世界同時にこのキャンペーンをスタートさせました。
 実は、このキャンペーンでは、三者に対するコミュニケーションを試みています。
 まずはエクスターナル。つまり外部のお客様に対する発信です。
 次がインターナル。社内のコミュニケーションですね。
 三番目がフィールド。現場で働いてくださっているエイボンレディとのコミュニケーションです。

――新聞広告を使った理由は
 まず、やはり目立つもの、目に触れる広告を我々としては作りたかったのですね。一般の方はもちろんですが、特にエイボンレディの方たちの目に触れていただきたいと考えました。
 想像してみてください。実際に広告が出た後に、このページをたくさんのエイボンレディの方が切り取って、ずっと持っていらっしゃることを。そして、お客様にそのページをお見せするのです。
 もちろん、予算が許せばテレビやビルボードなど、様々なメディアを使って露出を増やしたいとは思います。ただ、今のところ新聞広告が我々にとっては完璧な道具であり、手段だと思っています。
 実際、このキャンペーンのクリエイティブによって、伝統的な新聞の中で目立つことができたので、多くの皆様の目に留まったのではないかと思います。

――「Hello Tomorrow」キャンペーン以外にも、数多くの社会貢献プログラムを実施していますね
 乳がんの早期発見に関する啓発や、ピンクリボンに対するアクティビティーも含め、CSR活動そのものがエイボンなのです。この考えは、弊社の創業者であるデビット・H・マコーネルが唱えた七つの原則の一つ、「企業は社会的な責任、義務を負わなければいけない」にまでさかのぼることができます。
 その後、1990年代に新たなビジョン・ステートメントとして「満足する製品をつくること」「満足するサービスを提供すること」「女性たちの自己実現を応援する会社になること」を宣言。これらを象徴する言葉が「the company for women=女性のための会社」であり、企業理念になっています。この崇高な理念に基づき、「女性たちの健康のために、我々はもっと積極的に責任を果たしていこう」とやり始めたのが、乳がん早期発見啓発活動だったわけです。

――今後の目標は
 まずは、革新的な新製品を次々に市場に出し、業界のリーダーになることです。特に日本ではアンチエージングと美白、さらにウェルネス、つまり健康の分野で先頭に立ちたいと考えています。
 二つ目は、我々が“ストア”と呼ぶカタログをより良いものにすることです。お客様が見て楽しく、ショッピングしやすいものにさらに改良していきます。
 三つ目はサービスの改善です。新しく配送や支払いなどのオプションを設定するなど、エイボンレディにとって価値のある提案をしていきたいと考えています。
 四つ目は、エイボンレディの方たちの収入の機会をもっと改善していくことです。エイボンレディになって本当に良かったと思っていただけたら、女性のための会社として本当に幸せなことですね。

3月8日 朝刊

(佐藤)

取材メモ
 今回取材したエイボン・プロダクツおよび親会社であるエイボン プロダクツ インコーポレーテッド(米国)は、化粧品および美容関連製品のダイレクトセリングの世界最大手である。100か国以上の国々で500万人を超えるエイボンレディなどを通じ、2006年度は87億ドルの売り上げがあったという。
 1886年の創業以来、「女性のための会社(the company for women)」であることを企業理念とし、今後も女性の自己実現を応援する企業であり続けるため、「Hello Tomorrow」キャンペーン以外にも、様々な社会貢献プログラムを実施している。
 その中でも特に著名なのがピンクリボン活動と連携した「乳がんにさよなら」キャンペーン。乳がんの早期発見の大切さを啓発するとともに、売上金の一部を各国の乳がん研究機関などに寄付する当キャンペーンは、2005年12月末までに約460億円もの寄付を集め、世界最大規模の支援企業となっている。
 また、毎年優れた功績を挙げている女性を表彰する「エイボン アワーズ・トゥ・ウィメン」も、すでに28回を数えている。
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