pick up AdVoice 2007.4/vol.10-No.1

斬新なタイアップ広告 新聞単独効果
 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。




新鮮な組み合わせで強いインパクト

 3月3日ひな祭りの日の読売新聞朝刊に、ソニー「ハンディカム」とベネッセ「たまひよ」のタイアップによる二連版広告が掲載されました。かわいい赤ちゃんにほほ笑む若い母親、という同じ構図の写真が右左にあります。右ページでは母親がハンディカムで赤ちゃんを撮っており、左ページでは食事を与えています。どちらにも「たまひよ幸せ倍増プロジェクト」というハート型のロゴを配し、一番下には、水色のリボンを引いて「共同プロジェクトスタート!」とあり、この日のソニーとベネッセとのコラボレーションで何かが始まるということを期待させています。
 広告がどの程度見られたかを示す2つの指標は、広告接触率(「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合)が91.3%、広告注目率(「確かに見た」人の割合)が79.4%で、どちらも予測値を大きく上回りました(表1)。読売新聞では今年1月に広告接触率を導入しましたが、従来の広告注目率と合わせ見ることでより詳しい分析ができるようになりました。今回のケースでは、接触者に占める「確かに見た」人の割合は9割近くに及び、単に広告が見られただけでなく、確かに記憶した人の多い広告であったことがわかります。
 モニターの自由回答でも「2社による共同の広告でインパクトが強かった」(男性20代)、「面白いアイデアですね。コラボ広告の良い見本になりそうです。印象深かったのでこれなら見た人の頭に残ります」(男性40代)、「2面を2社で使い、効果的な広告だ。自分の子育て時代を思い出して温かい気持ちになった」(男性50代)、「ベネッセとソニーという組み合わせが新鮮」(女性30代)、「企業のタイアップでこんな広告ができるのは新鮮」(女性40代)、「今までの広告のイメージを破った新しい広告」(女性50代)などの回答が見られました。斬新なタイアップと工夫されたクリエイティブ、大型スペースという複合的な効果が、強いインパクトとして表れたことが推測できます。
 広告評価を見ると、6つの指標(表2)の中では「印象度」(90.4%)、「好感度」(92.7%)、「信頼度」(93.1%)、「広告主との適合度(広告主のイメージにどの程度あっているか)」(91.7%)が9割を超えています。広告のインパクトと好感度は必ずしも比例するものではないのですが、この広告の場合は一致しており、好評価を得たことがわかります。

表1 広告接触率、注目率および予測値(単位:%)
表1 広告接触率、注目率※および予測値

女性の評価が際立つ

 性別に見ると、男性より女性のほうが広告接触率(94.4%)は6.2ポイント、広告注目率(84.3%)は9.8ポイント高くなっています。評価項目でも、「印象度」で女性(97.2%)が男性(83.6%)を13.6ポイント、「適合度」でも女性(97.2%)が男性(86.4%)を10.8ポイント上回っています。「赤ちゃんとお母さん」という構図はすべからく女性の心をとらえたようです。
 女性の中でも特に若い層の反応がよく、広告接触率で予測値よりプラス40.6ポイント、広告注目率でプラス43.8ポイントとほかの年代より際だった高さを見せています。20代は、この写真のように赤ちゃんをやさしい目で見つめる若い母親自身であるか、近い将来そうなる見通しのある人たちであるからでしょう。

表2 広告評価(単位:%)
表2 広告評価


クロスメディアに頼らず高い効果

 「広告閲覧による行動喚起」(表3)では、「よい広告を出していると思った」(39.0%)、「あらためてこの商品・サービスや広告主に注目した」(38.1%)、そして「初めてこの商品・サービスや広告主を知った」(21.6%)の三つにスコアが集まっています。性別に見ると、「初めてこの商品・サービスや広告主を知った」は女性(16.7%)よりも男性(26.4%)の方が約10ポイント高く、「あらためてこの商品・サービスや広告主に注目した」は女性(48.1%)の方が男性(28.2%)よりも約20ポイント高くなっています。女性にとっては、もともと知っていても再注目させられる広告内容だったということでしょう。
 広告を他の媒体で見たかどうかを尋ねた「新聞広告以外の広告接触状況」(表4)を見ると、「他媒体で見た」という回答は28.4%にとどまり、残り7割強はこの新聞広告だけで接触しています。この「新聞広告以外の広告接触状況」のデータは、最近のキーワードであるクロスメディア効果を新聞広告でも分析するために今年からアドボイス定型調査で追加した設問ですが、今回の広告のように新聞ならではの特性を生かしたユニークな使い方をすれば、クロスメディア効果に頼らなくても高い効果が望めることを証明した形になりました。

表3 広告閲覧による行動喚起(単位:%)
表3 広告閲覧による行動喚起
表4 新聞広告以外の広告接触状況(単位:%)
表4 新聞広告以外の広告接触状況


 
(増田)
もどる