ojo interview 2006.3/vol.8-No.12

箭内 道彦氏
箭内 道彦氏

 ストリートファッションに身を包み、金髪をなびかす“広告界の異才”が送り出す広告は、いつも斬新なクリエイションで我々を驚かす。浜崎あゆみの森永製菓「ハイチュウ」、タワーレコード「NO MUSIC,NO LIFE.」、「浅野忠信ルーレットCM」、そして52人のお笑い芸人が登場した資生堂「uno」など、いずれも巷の話題を独占した。これらの広告に共通することは、商品すべてが箭内氏自身好きなもの、もしくは実際に愛用しているものばかりということ。
 「僕は技術や広告理論、マーケティングリサーチなど使わずに広告をつくっています。だから、分からない商品だとどうしようもない、素人のようなつくり方です。ただ、そのつくり方だからこそ、自分と同じような立場の人たちに絶対届くという自信があるんです」
 1964年生まれ。東京芸術大学卒業後、博報堂を経て03年「風とロック」を設立。その後も原宿にショップ・ギャラリー・オフィス混在の「風とロックREVOLUTIONS」、リアルタイムクリエイティブエージェンシー「風とバラッド」、デザイン事務所「風とマック」、「風とキック」を設立。フリーペーパー「月刊 風とロック」の発行も昨年から始めた。
 「『風』って形がないもので、だけど自由で力強さもあったり、人を気持ち良くさせたり、背中を押したり、いろんなものとかかわっていけるじゃないですか、目には見えないけど。なんかまじめに説明すると、そういう立場が広告の中にあるといいな、ということなんです」
 多忙にもかかわらず、昨年12月2〜4日の3日間、一線で活躍するクリエイターが一堂に会した「広告サミット」を開催し、のべ1万人の参加者を動員した。
 「よく人から『なんでそんなことやってんの?』とか言われるんですよ。だけど、広告が元気で魅力的、かつ謎めいたものでいてほしいし、若い人にとってあこがれの職業であってほしいという思いが僕の活動の根底にはあるんです。まさに『ノー広告、ノーライフ。』なんですよ」

文/佐藤勝弘  写真/清水 徹

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