新聞広告の色彩学 2006.1・2/vol.8-No.10・11

奇才が輝彩を呼び起こす
11月11日朝刊  ジレット ジャパン インク 11月26日朝刊  ヤマトインターナショナル 11月26日朝刊  コーチ・ジャパン 11月16日朝刊  キヤノン
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 秋から初冬、空気がいよいよ澄んで色さえる季節だ。サエルとは色彩用語の1つとなっているが、本当は空気が冷たく澄んで心身がキリッと締まることを指す、晩秋から浅春までにわたって使える息の長い言葉だ。空気が冴えると星も輝きを増して冬空の銀河の輝きはすばらしい。広告もそれにタイミングを合わせたようにブラウン製銀漢が光っている。

 「パワーコム」が寝たヒゲを起こし、360度の立体角度にわたってミスすることなくコンプリートに剃りあげる。何とすばらしい。きらめく刃の輝きが挟んでいる青白い光が見る者を蠱惑するように光って、白青の神秘な輝きが闇を照らせば、これはキレルぞ!

 次は「クロコダイルが今日は」。クロコダイルがクロコダイルたちで作ラレテイテ、こんなことをすぐ思いつく視覚力がスゴイ。赤テンテン赤が効いてて、その他大勢の色があるなんて、イヤーッまったくおもしろくてすンごくおかしいが、あなた、「目玉に巻くマフラーなんて聞いたことある?」「黒っこダイルの目玉って白かった?」なんちゃって。

 次はコーチのチャーミング・バッグ。チャーミングには魔法使いのというような意味もあって、楽しいと言っている言葉。コーチの色彩の楽しさとは、ふすべた金色とか紫とかこげ茶とか黄褐色とかの多彩な色のおしゃべり。それらの色の構築には明るさ差の骨組みが裏面で効いているから、バッグが白地に置かれると、安定した気品がよく漂ってくる。

 最後は定番キヤノンのカラフル写真。白壁家並みにお祭り衣装のロバ君。確かに「気軽に撮っても、思った以上」という写真だが、ここで周囲の深緑色の枠にご注目あれ。人間の目は色を、広がって浸透するはたらきをもつものと見る。もし周囲が黒色だったらカラー写真の全部の色が濃く深く変じて見える。この深緑色も、裏側では写真の赤色白色と響きあい、赤を輝かせ白をキッパリ見せているのだ。目と色彩は神秘な交際をする友人。

 

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