企業訪問 2006.1・2/vol.8-No.10・11

「au」のイメージを大切に機能やサービスの充実を図る
 携帯電話の契約台数は8968万台(2005年11月現在)と、9000万台に迫る勢いだ。中でも契約数を伸ばしているのが「au」だ。2003年から2年連続で契約純増数ナンバーワンを記録し、2005年も11月末の時点でトップに立っている。好調の秘訣をKDDI執行役員 コンシューマ事業統轄本部 au事業本部長兼au営業本部長 川井徹氏に尋ねた。

川井徹氏  携帯電話を契約する際に、あなたは何を重視しますか。料金プラン、端末のデザイン・機能、といった選択肢は数多くあるが、キャリアのイメージで選択している人も多いのではないだろうか。
 
auらしさを大切に

 auのイメージとして、「若々しい」「料金プランが充実している」に代表される、勢いを感じさせる声、使い勝手を評価している声が多い。
 「パケット定額制」「デザイン携帯」「音楽配信サービス」「GPS機能」。auには常に新たなアイデアがある。
 最近では、地上デジタルテレビ放送の携帯・移動体向けサービス「ワンセグ」とアナログテレビ対応のWチューナーを搭載した「W33SA」、「PCサイトビューアー」に対応し236万画素カメラを搭載した「W32T」、業界最上級オートフォーカス付き323万画素カメラと高精細なモバイルASV液晶を搭載した「A5515K」を発売。料金面では家族割の中でも小・中学生、シニアの基本料金を割り引く「家族割ワイドサポート」を発表した。
 「いつもauが何か先陣を切ってやっているというのを目指して実現してきました。そこがブランドの底力になっていると思うし、評価してもらっているのではないでしょうか」と、同社・川井氏は語る。
 だが、技術・サービスに優れた製品はどんどん市場に投入されているが、新たな機能についていくことは非常に大変だ。
 「すべての機能を使いこなせればもっと便利になるかもしれません。ただ我々からの情報発信には限界がありますから、店頭スタッフがお客様のニーズにあった機種・活用を提案すれば、より満足いただけるのではないかと考えています」
 auショップでは的確な商品知識を認定する「auプロスタッフ資格制度」を導入している。そのほかにも、接客態度の更なる向上を目的に、全国20200店舗が参加してスタッフのスキルを競う「au CS AWARDS 」(商談スキルコンテスト)を開催したり、“ハートフル”な接客を実践するため「マナーブラシュアップ研修」をはじめとした「auプロセミナー」をショップスタッフ向けに継続して実施したり、トータルな顧客サービス向上を目指している。
 「デザイン、機能、サービス、顧客対応、すべての面で我々は『auらしさ』を大切にしています」

不遇の時期

 営業エリアを関東・中部としていた「IDO」とその他地域の「DDIセルラー」の統一によりauブランドが発足したのは2000年7月のこと。このころが最も苦しかったと川井氏は言う。
 「液晶のカラー化や二つ折りのシェルタイプの製品の導入が遅れたりとか、ニーズは分かっていたのでしょうが実際にサービス、端末に生かすとなると、他社に比べると3か月あるいは半年と遅れてしまう。結局はお客様のほうを見切れてなかったということです」
 合併を機にブランドイメージを始め、端末に対する考え方、販売店のディスプレーに至るまですべてをゼロから築き上げてきた。
 その象徴として「au design project」のファーストモデル「infobar」が挙げられる。携帯端末の開発を、従来のメーカー主導ではなく、au主導で行った製品だ。
 「他社でやっていないようなものを出そうということで、製品化されたのは2年程前ですが、当初から計画していました」
 5年たった今、そういったひとつひとつの積み重ねが「auっていいんじゃないの」という現在の評価につながっている。

携帯の未来、auの未来

 携帯電話端末の販売が自由化されてから10余年。以来、携帯端末はカメラに、GPSに、財布にと様々な機能を身につけ進化し続けている。今後はどのような発展が予想されるのだろうか。
 「近い将来、あらゆる情報が集約される情報端末になると考えています」
 例えば外出の際、遊園地やショッピングに行こうといった時に、端末で検索ができて、案内してくれる。遊園地の入場券は購入済みで携帯がチケット代わり。もちろんその場でも購入できる。気になる商品があれば、展示している商品に携帯をかざすだけで詳しい情報が表示される。
 「個々の技術は既に存在しており目新しくはありませんが、今はそれぞれが独立したサービスです。1つ1つの技術をつなぐことでユーザビリティーを向上させ、皆様の想像より一歩先の世界を実現させます」
 携帯電話の総契約数は数年内に1億台に届くと予想されている。そこでシェア30%、3000万台を達成することが当面の目標だという。
 では長期的な目標はどこに置いているのだろうか。川井氏は山登りに例えて次のように答えた。
 「1泊2日のハイキングで山に出かけるのとチョモランマに登ろうとするのとでは準備・訓練から日常生活に至るまで全く異なります。つまり目標を低く設定すると、その程度の製品・サービスにとどまってしまいます。そういう意味も含め、我々は世界一の通信事業者を目指しています」
地上デジタル放送「ワンセグ」対応機種「W33SA」をはじめとした商品ラインアップを紹介した12月4日朝刊
(梅木)
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