ojo interview 2005.12/vol.8-No.9

小山 薫堂氏
小山 薫堂氏

 「放送作家」と紹介されることが多い小山氏だが、活躍の場はテレビ、雑誌、ラジオなど多岐にわたる。
 テレビの世界に入ったのは学生時代のこと。以来、「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」など個性的な番組を世に送り出し、注目を集めてきた。
 現在は「世界遺産」「ニューデザインパラダイス」などの番組を手がける一方、雑誌に小説などの連載も複数抱え、自らラジオのパーソナリティーも務めている。まさに八面六臂(ぴ)の活躍だ。
 「新しい肩書を考えようと思いながら、考えてないんですけど……でも、クリエイターといえばクリエイターですかね。何かを作り出す仕事ですからね」
 小山氏が生み出すすべての作品の根底にあるのはサービス精神だ。インフォマーシャルやプロダクト・プレイスメントという手法を取り入れながら、虚実入り混じる斬新なドラマスタイルを確立させた「東京ワンダーホテル」に続き、現在放映中の「東京ワンダーツアーズ」にも視聴者を楽しませ、感動させようという思いがぎっしり詰まっている。
 「一口に感動させると言っても、自分が作り出したものを与えて感動させることと、自分が良いと思うものを勧めて感動させることの2つがあると思うんですよ。『東京ワンダーツアーズ』にはこの2つの要素を全部盛り込んでいます」
 仕事のアイデアは人との出会いや偶然から生まれることが多いという。
 「『連鎖する人生』と呼んでるんですけど、例えばこの『恋する日本語』(幻冬舎刊)も元はインターネットの連載が本になったもの。中に出てくる言葉が和菓子の名前に似ているので、PRを兼ねて和菓子もプロデュースしたんですよ」
 すべての人と人の人生は連鎖して成り立ち、仕事もまたしかりという小山氏。最近も企業顧問に就任するなど、連鎖の波は確実に広がっている。
 改めて肩書について尋ねたところ、「『趣味を仕事にしている放送作家』で全然いいです」と笑顔で返された。

文/佐藤勝弘  写真/はやしたつお

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