ojo interview 2005.11/vol.8-No.8

残間 里江子氏
残間 里江子氏

 「電車男」の次は「蕎麦(そば)打ち男」だ。テレビドラマの話ではない。9月に上梓(じょうし)した「それでいいのか 蕎麦打ち男」(新潮社刊)の中で、団塊世代の男性を象徴する表現として登場させた造語だ。
 「自分で言うのもなんだけど、結構この軟弱さといい、カッコつけといい、すごく現在の団塊を表していると思うの。ちょうど55歳ぐらいの、ちょっと甘い、ラブ&ピースを背負っているこの世代にピッタリでしょ」
 蕎麦打ち男やネズミ男に代表される愉快なエピソードとデータで構成されたこの本は、単なる団塊論にとどまらず、団塊世代への熱いエールにあふれている。
 「何もしないよりは蕎麦でも打ったほうが良いのだけど、『そこで終わるなよ。自分自身に向けて最後のムチを打ちなさい』と言いたかったのよ」
 1950年生まれ。自身も「早生まれだからぎりぎり団塊の世代」に属する。小学生のころから、親に歌謡ショーに連れて行かれても、ステージ上のきらびやかな歌手より、ショーの構成や舞台裏に興味を抱く少女だった。
 明治大学短期大学部卒業後、静岡放送アナウンサー、「女性自身」記者を経て、80年に初めて手掛けた山口百恵著「蒼い時」(集英社刊)は、単行本198万部、文庫版200万部を売り切る大ベストセラーとなった。「出版プロデューサー」という肩書の第一号がこの人。
 その後も幾多の出版、映像、文化イベントをプロデュースしてきたが、現在、「最後の仕事」として全力で取り組んでいるのが、団塊世代向けの新しいライフスタイルの創造だ。七月にはプランニングエージェンシー「クリエイティブ・シニア」を設立し、取締役社長に就任した。
 「叱咤(しった)激励するだけじゃなく、しつらえとか、システムを作るのが私の仕事だと思っているの。地方に移住するにしても、受け入れ側の準備はあるのか……。単に『さあ、やれ』じゃあ無責任じゃない?彼らにステージで歌って踊ってもらうためには、舞台裏も整えないとね」

文/佐藤勝弘  写真/はやしたつお

もどる