GLOBAL Interview 2005.10/vol.8-No.7

アクシネット ジャパン インク
中村 孝氏

アクシネット ジャパン インク
 アメリカ・マサチューセッツ州フェアヘブンに本社を置く米大手ゴルフ用品メーカー「アクシネット社」の日本法人「日本タイトリスト」として1983年9月に創業。その後、米アクシネット社が96年に米ゴルフ用品メーカー「コブラゴルフ」を買収したのに伴い、日本でも翌97年に「コブラゴルフ ジャパン インコーポレーテッド」と統合し、「アクシネット ジャパン インク」が誕生した。
 現在は、「タイトリスト」「フットジョイ」「コブラ」「ピナクル」の4ブランドを日本で展開している。

 ゴルフというスポーツを乱暴に定義すれば、直径43ミリらずのボールを、14本のクラブを使用し、遠方にある直径わずか108ミリの穴にいかに少ない打数で入れるかを競うもの、ということになる。
 道具を使うのがゴルフの特色といえるが、テニスや野球など他の球技と違う点は、使用するボールをプレーヤー自身で選べるところだ。たった1打差で数千万円の賞金額が上下することも珍しくないプロゴルファーにとって、道具選択はシビアにならざるを得ないが、世界のトッププロの約70%から選ばれているボールブランドが「タイトリスト」だ。
 そこで、タイトリストをはじめ、「コブラ」「フットジョイ」「ピナクル」ブランドを日本で販売するアクシネット ジャパン インク 代表取締役社長 中村 孝氏に、タイトリストの人気の秘密と、今後の日本での戦略について話を聞いた。

――多くのプロがタイトリストを使用していますね

 創業以来、タイトリストは檜舞台であるツアーを通してブランド認知・浸透を図ってきた。タイトリストというブランド名も「タイトル保持者」という意味から生まれた造語だ。英文のTitleistを分解すると、Title(タイトル)+ist(人を表す接尾詞)となる。ピアノを弾く人を「ピアニスト」と称するのと同じ原理だ。世界のトッププロが、タイトルを取るためにタイトリストのボールを使用している。

――4ブランドのそれぞれの特色は

 タイトリストはプロの世界を前面に出したブランドだ。日本のツアーでもボール使用率はすでにナンバーワン。クラブについてもプロや上級者の方に気に入っていただけるブランドになっている。
 コブラはその昔グレッグ・ノーマンで有名になったブランドだが、近年はアベレージ向けに優しくゴルフを楽しんでいただけるように設計したクラブを発売している。
 フットジョイはシューズ、グローブが中心。このブランドもプロの世界を演出した手法を採っている。
 ピナクルは、現在ボールのみの展開となっているが、ゴルフをエンジョイするタイプの方に親しんでもらえるブランドを目指し、価格設定も非常にリーズナブルにしている。
 
――20〜30代のゴルフ離れが顕著ですが

 我々としては、20代後半〜30代前半の年代の方にもっとゴルフを楽しんでもらいたいが、やはり家庭を持ち、子供も小さいとなると、ゴルフに割ける費用は限られてしまうようだ。アメリカに比べるとゴルフのプレー代も高いし、住居から遠いという問題もある。ただ、市場の活性化、将来に向けた若い層のエントリーの拡大ということには業界全体で取り組んでいる。
 これとは逆に、可処分所得にゆとりのある50代以上のプレー頻度は増している。人口構成が高齢化していることもあり、我々も彼らをターゲットにした商品開発に積極的に取り組んでいる。
 30代のアスリートゴルファーに焦点を当てながらも、量的な拡大という点において、やはりよくプレーをする50代以上の人々に選択してもらえる商品展開は不可欠だ。具体的には、ボールはタイトリスト、クラブはコブラという組み合わせを積極的に紹介していきたい。フットジョイについては、年齢・男女問わずという商品構成になっている。
 
――今後の戦略は

 現在、日本のゴルフボール市場で12〜13%にとどまるシェアを、まずは15、さらに20%に高めたい。ゴルフボールという商品の性格上、やはりブランドに対して信頼感を持たれないと継続して使用してもらえない。アマチュアゴルファーに対してタイトリストというブランドの認知度、信頼度をアップさせることに会社を挙げて取り組んでいく。
 そのために、今後もプロに信頼される商品を供給し、プロの世界を前面に打ち出す戦略を取っていく。アメリカで50有余年、日本でもこの数年間プロのボール使用率ナンバーワンを続けていることを背景に、地道にブランド浸透を図っていきたい。



 1958年生まれ。今年2月に社長に就任したが、以前は同業の日本メーカーに勤務し、海外事業部長として海外販売やマーケティングを担当していた。
 「アメリカ勤務時はタイトリストが最大のライバルだったが、日本では前の会社が最大のライバル。気が付けば、いつもガリバーに立ち向かうチャレンジャーの立場にいる」と苦笑する。
 ゴルフの腕前を尋ねると、「常時80台で回るのが夢」と謙遜する。しかし、忙しすぎてゴルフになかなか行けないことが目下の悩みという。「ゴルフ雑誌を読んで、90の切り方はすでにマスターしたはずなのですが」と肩をすくめて笑った。

(佐藤)

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