特集 2005.9/vol.8-No.6

環境コミュニケーションとは何か?
消費行動につながる環境キャンペーン

 一昔前、「環境」は消費に結びつかないと言われていた。「環境先進企業」を宣言し、環境に強い企業を目指しているのがシャープだ。シャープはどのようなコミュニケーション活動を通して、消費と環境を結びつけようとしているのだろうか。

「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」の実現
――環境問題に対する基本的な考え方をお聞かせください。
 環境への取り組みはこれまでも積極的にやってきたのですが、2004年に改めて企業ビジョンを「環境先進企業」と定め、「2010年に地球温暖化負荷ゼロ」という目標を宣言しました。これは、シャープが全世界の事業活動で排出する温室効果ガスの排出量を可能な限り抑制し、同時に、シャープが生産した太陽電池が作り出すエネルギー量と新商品の省エネルギー化による温室効果ガスの削減量を拡大し、2010年までに、温室効果ガスの削減量が排出量を上回るようにするという目標です。

――それを実現する具体的施策も既に立てている?
 スーパーグリーン戦略」を社内で推進しています。1つ目は、「スーパーグリーンプロダクト・デバイスの創出」です。環境配慮型のデバイスの創出というのは、省エネに貢献するデバイスをシャープだけでなく他社にも提供していこうということです。
 2つ目が、「スーパーグリーンテクノロジーの開発」です。いわゆる環境技術の開発ですが、これも範囲が広い。例えば、家電製品に使われているプラスチックを回収しても同じ製品に再利用することは、以前はむずかしかったり、できてもコストが見合わなかったりしました。ペットボトルや強度の求められない商品にしか使い道がなかったんですね。それを家電製品に再利用する技術の開発をするといったことです。
 3つ目が、「スーパーグリーンファクトリーの実現」です。メーカーにはつきものの工場をいかにスーパーグリーンにしていくか。たとえば、三重県の亀山工場の場合は、すでに生産に使う水を100%再利用しています。

――スーパーグリーンというのは?
 これら3つの項目について、それぞれ厳しい評価項目や認定基準、実現の期日を決め、その目標をクリアするべく取り組んでいますが、その社内評価基準や認定基準の総称がスーパーグリーンです。

――環境対応に積極的に取り組む理由というのは?
 環境への取り組みは、単に規制をクリアすればよいというものではなくて、環境に強くなければ企業としての存在、発展はないというところまできていると考えます。「環境先進企業」という企業ビジョンは、シャープがそういうポリシー、信念を持ってやっていく意思表示です。シャープの得意とする太陽電池や液晶技術と同じように、環境にも強い企業を目指すということです。
「環境先進企業」を目指した取り組み


エコロジークラスで

――エコロジーライフキャンペーンは、「環境先進企業」の宣言の前からですね。
 2003年3月からです。環境対応をしっかりやらないといけないという流れは、以前から社内にありました。
 キャンペーンのスローガンは「エコロジークラスでいきましょう、シャープ」ですが、その意図というのは、例えば、「環境にいいらしい」ということで液晶テレビを買っていただいて、それがきっかけでテレビのつけっ放しもやめるようになる。そういう環境意識の広がり方を意図したキャンペーンにしたいということからです。実際、太陽電池を設置した家というのは、家族の省エネ意識が進むらしいんです。今までいくら「消しなさい」と言っても廊下の電気も消さなかったのに、太陽電池にしてから、自発的に消すようになった、という話を何件も聞きました。
 シャープが提供する商品をきっかけにして、暮らしそのものがいろいろなところでエコロジーな暮らし方に変わっていく。「エコロジークラスでいきましょう、シャープ」は、ライフスタイルそのものをエコロジークラスにしましょう、という提案の意味を込めて実施しているキャンペーンです。だから語尾も、「エコロジークラスです」「私たちはエコロジークラスです」という言い方ではなくて、「いきましょう」という言い方にしているわけです。

エコロジークラステレビCM「アクオスと家族篇」
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「家族が増えました。猫です。環境問題を子どもたちと話しました。そうそう、この液晶テレビをつくっている亀山工場は使った水をきれいにして100%リサイクルしてるんだって。環境を考えたテレビは、環境を考えた工場で生まれるんですね。リビングから普通にエコ。エコロジークラスでいきましょう。シャープ」





“チーム”という発想でムーブメントを作る
環境省地球環境局 地球温暖化対策課 国民生活対策室長 土居 健太郎 氏→

環境コミュニケーションを変えるLOHAS〈ロハス〉
電通 IMCプランニング・センター 専門領域プランニング室長兼ソーシャル・マーケティング部長 並木 義巳 氏→
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