企業訪問 2005.9/vol.8-No.6

「Color your life」がコンセプト、顧客優先を追求
 最近、メーンバンクを商品やサービスによって選択する傾向が強まっている。そこで、昨年の金融機関ランキングで顧客評価第一位に輝いた新生銀行 マーケティング部 部長 福田桂子氏に、銀行に求められる真のサービスとは何かを尋ねた。

福田 桂子氏   コンビニエンスストアや駅構内など、銀行以外の場所で現金自動預け払い機(ATM)を目にする機会が増えている。そのおかげで預金者は近くに銀行がなくとも、自由に現金を引き出すことができるようになった。
 しかし、そのサービスを受けるには、1回当たり105円から210円の手数料を支払わなくてはならない。よって、よほどの緊急性がなければ使うメリットに乏しいのも事実だ。
 そんな中、自行は無論のこと、セブン−イレブンなどにあるアイワイバンク銀行、郵便局、都市銀行など提携金融機関を含め、全国約6万台のATMを無料(※)で利用できるようにしたのが新生銀行である。

※新生銀行、アイワイバンク銀行のATMは24時間利用手数料無料。郵便局、提携金融機関のATMを利用した場合は手数料が全額キャッシュバックされる
 
銀行の常識を超えて

 2000年に旧日本長期信用銀行から生まれ変わった新生銀行は、リテール(個人向け)事業にも力を入れている。
 2001年6月から取り扱いを始めた定期預金、外貨預金、投資信託、金融債、ローンを一括管理できる個人向け総合口座「パワーフレックス」は、ATM手数料0円のほか、インターネット振り込み手数料0円(他行あては残高により月5回もしくは30回まで)など、他行にはない斬新なサービスが人気を集め、わずか4年の間に、従来の口座と合わせ、140万口座を達成した。
 成功の要因として、同行マーケティング部 部長 福田桂子氏は「今までの銀行の常識を超えたこと」を挙げる。
 「大事なことは、お客様のためにまず、何をすべきかを考え、その実現のためにいかなる自助努力が必要かを見極め、解決策を探り出そうとする姿勢」だという。
 ATM手数料無料化も、窓口の夜7時までの営業時間延長も、当然ながら同行の負担が増す顧客優先のサービスだ。しかし、これらも業務の徹底的な効率化の追求など、自助努力により克服してきた。その結果、昨年の日経金融機関ランキングでは、並みいるメガバンクを抑え、見事に顧客評価第1位という栄誉を受賞することになった。
 「我々にとっては想像もしていないありがたい評価を頂くことができた。このことは、今後への大きな節目になったと思っている」。

お客様の生活を彩るために

 同行は今年から「Color your life」というブランド・コンセプトを打ち出している。これは、真に価値ある商品とサービスを提供することを通じて、個人のお客様の生活を豊かにし、彩りのあるものにするお手伝いをしたいという考えから生まれたものだという。
 「Color your life」の理念を表す商品として、非常に象徴的なものが「カラーキャッシュカード」だ。これは、顧客がパワーフレックス口座の開設時に、32色のキャッシュカードの中から、好きな色を選ぶことができるというもの。
 シンプルな32種類のカードには、それぞれ「ビッグ スカイ」「トマト キッス」「サンフラワー」などの名前と、イメージ・ストーリーが付けられている。これは、「32色が単なる色ではなく、お客様の生活を彩るためだということを伝えたかったからだ」という。
 この新サービスは、それまで金融商品になじみが薄いと思われていた女性層の取り込みにも成功した。6月6日からカラーキャッシュカードが発行されると、単月あたりの新規口座開設数の記録を更新したが、同時に円定期預金「パワード・ワン プラス」を新たに契約した顧客の64%までもが女性だったという。
 「今後は、我々がお客様に提供するいかなるサービス、商品にもすべて『Color your life』であることを求めていく。すべてをチェックし、クリアしているものだけを世の中に出していくつもりだ」

“オンリーワン”の銀行を目指して

 金融広報中央委員会の調査によると、いまだ76.7%の人々が「近所に店舗やATMがある」との理由で金融機関を選択しているという。
 これに対し、同行は質の高い商品・サービスをいち早く、かつ低コストで提供することで「お客様にとって“オンリーワン”の銀行、常に1歩先を行く銀行」を目指すという。「そうすることで『だから新生銀行を選んだ』と言っていただける銀行になるはず」と福田氏は語る。
 「新生銀行のお客様になっていただいたら『こんなサービスまで始めたのか』とか『こんな商品があったのか』と驚かれるようなものを全員一致団結して提供していきたい」
 今後も、新生銀行はオリジナリティーあふれた新鮮なサービス・商品を我々に提供し、顧客評価第1位の座を守り続けるに違いない。

6月6日 朝刊
6月6日 朝刊
 
ブックレット「32 Color Stories」
32種類のカードには、それぞれ「Big Sky」、「Tomato Kiss」などの名前と、その色にまつわるイメージ・ストーリーが用意されている(写真はブックレット「32 Color Stories」より)

(佐藤)
もどる