Creativeが生まれる場所 2005.7・8/vol.8-No.4・5

ポプラ社「レターズ・トゥ・ミー」
奥村 傳 氏  去年出版したアレックス・ロビラの『グッドラック』は152万部のベストセラーになりましたが、『レターズ・トゥ・ミー』は、同じ著者の第2弾です。日本では第2弾ですが、スペインでは実は先に出版されています。
 寓話(ぐうわ)的な要素が強かった前作と違い、『レターズ・トゥ・ミー』は手紙形式を取り、ビジネスマンである自分自身との対話の中から本当の自分の生き方を見つけていく本です。『グッドラック』は女性を中心に若い層から中高年までかなり幅広い層に読まれましたが、『レターズ・トゥ・ミー』は少し大人向けの内容です。前作の読者はもちろん、今回はビジネスマンにもぜひ読んでもらいたいということで、装丁や広告展開もビジネスマンを意識して考えていきました。広告制作は外部に出す場合もありますが、今回は社内で制作しています。
 新聞広告を見て、書店に走ってもらうには、相当インパクトのある広告にしなければなりません。確かに新聞広告の15段は魅力がありますが、書籍広告は、1面、2面、3面などの記事下に掲載されます。出版社で働いている私自身もそうですが、読者もそういう意識で新聞を見る習慣がついている。配本は5月26日木曜日。翌日には全国の主な書店に並びます。それで、金、土、日の3日間、5段記事下広告を連続出稿することで、週末の書店で見てみようと思ってもらうのが、今回の出稿のねらいでした。

書店の声、読者の声

 3日間の連続出稿ですが、あえてシリーズ性は意識していません。1日目はオーソドックスなスタイルで、2日目はビジネスマンにアピールする本の中の言葉をピックアップしたもので、3日目は一女性読者の言葉で共感を持ってもらう表現にし、結果として幅広い層に届けばいいと考えました。
 中身が勝負の本ですから、著名作家の文芸書やレギュラーの新刊とは違って、コピーに何を持ってくるか、デザインをどうするかが本当に難しい。当然、前作152万部のプレッシャーもあります。
 一般の商品と本が違うのは、その中身の宣伝の仕方です。書籍の広告で最も効果があるのは読んだ人の声です。その感想を読んで買ってみようと思う人たちは非常に多い。そのフレーズは何か、どう使うか。それは常に意識しています。最近はこれに書店の担当者の声が加わっています。担当者の推薦で書店発のベストセラーも生まれています。今回は、発売前に本の内容を紹介した小冊子を読者向けに20万冊つくり書店の店頭や『グッドラック』に挟み込んで配ったり、それとは別に書店の担当者に1万冊つくり配りました。また、6月には各地域別に書店の担当者のコメントを集めた広告も掲載しています。やり残したことはないのか、うまく売れた本でも、あの時もう少しという思いは常に残ります。本は、発売1か月が勝負ですから。

5月27日 朝刊 レターズ・トゥ・ミー
5月28日 朝刊
5月29日 朝刊
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