企業訪問 2005.4/vol.8-No.1

日本人の行動を支援するポータルサイトへ
 今やインターネットの無い生活は考えられないが、webサイト閲覧時に必ず利用するのがポータルサイトだ。日本のポータルサイトのあるべき姿について、NTTレゾナント ポータル事業本部 gooブランドマネージャー 鈴木基久氏に話を聞いた。

鈴木 基久氏  NTTレゾナントは、昨年4月1日、インターネットポータル(玄関)サイト「goo」を運営する「NTT‐X」と、動画配信などを手がける「NTT‐BB」両社の事業を統合し、営業を開始した。社名にあるレゾナントとは「共鳴する、共振する」を意味する英語だが、NTTが提唱するレゾナントコミュニケーション構想(双方向でグローバルかつユビキタスなコミュニケーション環境を提供し、「知の共有」「知の集積」を実現する)を具現化する会社という意味も併せ持つという。
 まだ1年が過ぎたばかりの若い会社だが、固定電話事業の先細りを踏まえ、今後の収益の柱と見込まれるブロードバンド事業を推進する戦略会社として、NTTグループ内でも重要な役割を担っている。その中でも、人気ポータルサイト「ヤフー」を擁するソフトバンクグループへの対抗策として今、前面に打ち出しているのが「goo」である。
 
国産にこだわる検索エンジン

 gooがスタートしたのは1997年。3月に8周年を迎えた。
 ポータルサイトの重要な役割としては、何よりホームページの検索能力が挙げられるが、他社ポータルサイトが単なるURLリンク集の延長に過ぎなかった時代に、gooはロボット型検索エンジン(プログラムが自動的にweb上を巡回し、索引を作成することで検索を可能とする仕組み)を導入し、ユーザーから歓喜を持って迎えられた。
 現在、ポータルサイトは多々あるが、検索エンジンには高度な技術開発力や資金が必要なため、自前のエンジンを使うのは国内ではgooのみとなっている。国産にこだわる理由について同社ポータル事業本部goo ブランドマネージャー 鈴木基久氏は「検索エンジンというのは情報社会のインフラだ。そのインフラをすべてアメリカの技術にして良いのか、という問題もある」と語る。
 2003年12月、検索能力のさらなる強化を図るため、米検索大手グーグルを検索エンジンのバックエンドにあたるデータベースとして採用し、自らの研究開発リソースを検索エンジンのフロント部分に集中させた。これについて鈴木氏は、80億以上のホームページをデータベース化しているグーグルを巨大図書館、gooを優秀な司書に例えて説明する。「グーグルにはたくさんの本(ホームページ)があるが、日本語をうまく理解してくれる人がいないため、12%の確率で目的とする本を見つけ出すことに失敗する。しかし、日本語が理解できる司書がいればすぐに見つかるはず。その優秀な司書役こそ、gooが目指しているものだ。日本人にとって最も使いやすい検索サービスを提供したい」

行動支援メディアを目指して

 検索エンジンと並び、gooが誇るサービスが「教えて!goo」だ。これは、ユーザーがサイト上で自分の知りたい質問を書き込むと、それを見た別のユーザーが答えるというQ&Aコミュニティーだ。すでに110万を超える質問が寄せられ、その99.2%に回答が付いているという。
 「教えて!goo」が目指しているものは「検索エンジンの穴を埋めること」だという。通常、検索エンジンはホームページしか検索できず、よって世の中の知恵や知識は検索できない。それを、「教えて!goo」を介在させることで、暗黙知状態のものをHTMLホームページという形式知に変え、検索エンジンの対象にできるのだという。
 「gooは行動支援メディアになりたいと思っている。“何かやりたいときにgooに聞けば、自分が欲しい情報が全部手に入れられるし、困った時には助けてもらえる”ような存在になりたい。gooの検索は、我々検索エンジニアと『教えて!goo』会員の合作といえるだろう」
 
ヤフーの対抗メディアへ

 2月22日付朝刊に“おはようございます。gooです。Yahooのライバルのgooです”で始まる一際目立つ広告が掲載された。また、同時期の東京、大阪の主要578駅では“ひょんなことからの「ひょん」って、何から来ているのですか”などと質問がそのまま印刷されているポスター1万枚が一斉に張られた。
 これらはすべて「教えて!goo」のプロモーションだ。大胆な広告展開について鈴木氏は「新聞には我々がネットの怪しい企業ではないと思っていただけるように自分の考えを真っすぐ書いた。駅張りポスターでは、本来ネット上でストリーミングしているものをリアルな場所で表現するために、『教えて!goo』の質問をほぼそのまま載せる手法を取った」と語る。
 今後、gooは“ヤフーのオルタナティブ(代替物)”を目指すという。今回の広告展開も「媒体価値を高め、ヤフーの一強時代を崩す施策の一つ」と解説する。
 「日本の皆様が何か知りたいと思ったときに頼っていただけるようなブランドに育てていきたい。最終的にはヤフーに比肩しうるメディアになることを約束する」

紙面
NTTレゾナントは新聞広告紙上でQ&Aコミュニティー「教えて!goo」を紹介し、ポータルサイト「goo」の魅力をストレートに訴求した(2月22日朝刊)


(佐藤)
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