GLOBAL Interview 2005.4/vol.8-No.1

ハワイ州観光局
一倉 隆氏

ハワイ州観光局(Hawaii Tourism Jaopn/HTJ)
 ハワイ州政府の外郭団体であるHawaii Tourism Authority (HTA)より業務委託を受け、2003年12月に発足。2004年から日本におけるハワイ観光マーケティング活動を担っている。
 また、カレッタ汐留(東京・東新橋)内にはハワイ州観光局「アイランドギャラリー」を開設し、グラフィックや映像を通じてハワイの魅力を感じることができるスペースを制作・運営するなど、さまざまなスタイルでハワイに関する情報も発信している。

 「ハワイ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。青い海と白いビーチ、ワイキキでのショッピング、温暖な気候――ハワイに対するこうしたイメージは、多くの日本人が画一的に抱いていることだろう。
 日本語が通じる海外デスティネーション(旅行先)としてあまりにメジャーな存在であるハワイだが、その魅力は右記の言葉だけでは語り尽くせない。ハワイは8島からなり、一般に旅行者がアクセスできるのは6島といわれるが、ハワイ旅行者のほとんどがオアフ島のみの滞在だ。つまり、他の5島に関しては知られていない魅力が眠っているともいえる。そこで、知られざるハワイ本来の魅力と今後の観光プロモートについて、ハワイ州観光局 エグゼクティブ・ディレクター 一倉隆氏に話を聞いた。

――昨年は150万人もの日本人がハワイを訪れたそうですね

 厳密にいうと148万人で、150万人にはわずかに及ばなかった。ただ、日本からのお客様は7年ぶりに対前年プラスに転じることができた。
 1997年には約220万人を記録したが、それ以降はテロやSARSなどの影響もあり、03年には132万人にまで落ち込んだ。6年間で約40%もダウンしたということになる。
 日本人観光客数は北米からのお客様に続き二番目に位置する。ハワイには年間700万人の観光客が訪れるが、その2割強を日本人が占めている。しかし、以前は3割近くあったこともあり、マーケティングの見直しが求められていた。
 ハワイにおける観光というのは、宿泊税を含む観光産業が州税の24%を稼ぎ出している。そういった意味で、観光は州にとって大事な収入源であるわけで、日本マーケットのテコ入れは当然ともいえる。

――具体的なテコ入れ策とは

 今までテレビや雑誌で取り上げられてきたハワイは、いずれもショッピングやダイビング、ホテル情報などステレオタイプなものが多かった。
 そこで、知られていないハワイを理解してもらうため、昨年は「6 Islands, 6 Surprises」のコンセプトのもと、ハワイの個性あふれる6つの島々の魅力をCFや雑誌をはじめ新聞、ポスターなどで紹介してきた。今年のキーワードは「Discover Aloha」。これまで同様ハワイの多彩な魅力とともに、ハワイの人々の心に受け継がれているアロハ・スピリットの深く豊かな世界を知ってもらうために、フラやハワイアンカウボーイなど昨年よりカルチャー色を強めて紹介していく。WEB上でもハワイ語講座など「Discover Aloha」というコンセプトに沿ったコンテンツを今後も充実させていく。
 
――今年の目標は

 今年は155万人の日本人にハワイに来ていただきたいと考えている。それ以上の数字は、最近の定期便搭乗率が軒並み80%を超えている状況なので、物理的に難しいのではないか。
 ハワイ州としても観光に頼っている一方で、環境保全にも力を入れ始めている。よって、もろ手を挙げて観光客を迎えたいという状況でもない。年間700万人が適正だと考えている。昨年は日本からの観光客も7年ぶりに回復したし、ハワイ全体としては北米からの好調もあり、過去最高の698万人を達成した。今年の州の目標は700万人プラスαだ。
 ただ、人数はむやみに追わないが、州としては税収入をしっかり確保する必要がある。よって、ハワイがよりお金と時間をかける価値のある上質なデスティネーションだと認知されるように、今後もマーケティングを継続していきたいと考えている。
 


 1959年生まれ。83年、上智大学外国語学部英語学科卒業後、電通に入社。国際局(当時)で四年間海外メディアを担当した後、全日空のインバウンド向けマーケティング担当営業として7年間従事。その間、新路線が就航するのに合わせ、フランクフルト、パリなど海外8都市を文字通り飛び回った。その後、電通ソウル支社、電通ヨーロッパに駐在し02年に帰国。03年からハワイプロジェクトに参加し、同年12月にハワイ州観光局を設立、現在に至っている。
 昨年、ハワイへは8回行く機会があったという。「周囲からも『ハワイに何回も行けて良いですね』といわれるがすべて仕事」と苦笑する。週末現地に向かい、月曜から金曜まで作業をし、土曜日の便で帰ってくるというのが典型的なパターンだという。「昨年の休暇も出張先で2日間取れただけ。でも、家族からも『あなただけ良いわよね』といわれる」
 そんな一倉氏の今一番の課題は、今年こそ家族を連れてハワイでゴルフをすることだという。
(佐藤)
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