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from Europe

食品の社会的テーマが人々の共感を生む

フランスでは、食後の甘いデザートとエスプレッソは欠かせない。一説によると仏料理には砂糖をあまり使わないため、これらで補うそうだ。エスプレッソはストレートで飲む人は少数派で、スプーン2杯ほど砂糖を入れるのが一般的。さらにチョコレートが付いてくることもある。隣のイタリアでは、飲み終えた後、底に残った砂糖をスプーンですくって食べるのがマナーとのこと。実は、欧州ではかなりの量の砂糖が摂取されているのである。

仏大手スーパーマーケットチェーン・インテルマルシェによると、仏人が1日に摂取する砂糖の量は平均で70グラムにのぼり、これはコーヒースプーン14杯分に相当する。2015年のWHO発表によると、成人1人当たりの適量は1日25グラム(コーヒースプーン5杯分)であることから、仏人は3倍弱を日々摂取している計算になる。なお、日本人も1日約69グラム摂取している(農林水産省)ので、ほぼ変わらない。ちなみに炭酸飲料1缶(350ミリリットル)には約40グラム程度の砂糖が入っているそうで、これだけで1日分を超えてしまうので注意が必要である。

この事実を受けて、インテルマルシェは昨年、砂糖の過剰摂取に警鐘を鳴らす広告キャンペーン「シュガーデトックス」を実施した。人気PB商品のチョコレートヨーグルト6個パックに工夫を凝らし、5%から、10%、50%まで段階的に砂糖の量を減らした商品を開発し、自然とシュガーデトックスできると、プリント広告や屋外広告で展開した。インストアでも、来店者に新商品と既存商品を比較試食させ、これまでいかに多量の砂糖を摂取していたかを実体験させた。これらが話題を呼び、多くのマスメディアが取り上げたほか、口コミやソーシャルメディアでも広く拡散され、この情報の最終的なメディア接触回数は5600万にものぼり、カンヌライオンズ2016ヘルス&ウェルネス部門シルバー賞の獲得にもつながった。

実はインテルマルシェは、3年前にも世界の食料問題に着目していた。1年間に世界で生産される食料の約3分の1にあたる約13億トンが廃棄されている現状を踏まえ、型崩れした野菜やフルーツを有効活用させるキャンペーンを行い、成功を収めていたのだ。通常では廃棄されてしまう野菜を使ったスープや、同様のフルーツを使用したジュースを店頭に並べ、広告クリエイティブでは「不完全であることは、恥ずかしいことではない」というメッセージを打ち出した。野菜やフルーツも人間と同じ生物であり、無駄に廃棄してはならないと心情的に訴えるビジュアルとしたことで、生鮮野菜コーナーの集客が6割増え、売り上げも3割アップしたそうだ。背景にはEUでこの年「食料廃棄反対年」が設定され、2020年までに食料廃棄量を半減させる目標も掲げていたこともあり、この企画が時宜を捉えたものになっていたことも付け加えたい。

食品を扱うスーパーにおいては、短期的な売り上げアップを狙った特売など、期間限定の、割引中心の広告展開になりがちだ。しかし、インテルマルシェの2つの企画は、先進国共通の課題である健康・食料問題に対し、消費者自らが解決にむけて参加できるプラットフォームを提供した。これが理想主義的な仏人の国民性と合致したことで、人々との長期的・継続的なエンゲージメントを生み出すことにつながったのである。

国友 俊 パリ駐在

新年を祝うフランスの伝統菓子と言えばガレット・デ・ロワ。切り分けたピースの中に、見事フェーヴ(陶器の人形)が入っていた人は王様となり、その1年を幸福に過ごせると言います。最近はあずきや抹茶味などもあり、日本でもまもなくブームになるのでは?

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