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売れている商品はどう新聞広告を使っているか ── 健康志向の食品 3つの事例 ──

新聞広告の接触回数を増やし商品認知を拡大する

─ 機能性表示食品・恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ─

雪印メグミルク株式会社

市乳事業部 発酵乳・デザートグループ 相沢利規

ヨーグルト市場の拡大が続いている。その要因の一つとなっているのが、機能性ヨーグルト。2015年4月からスタートした機能性表示食品制度だ。「内臓脂肪を減らす」機能を訴求した、恵(めぐみ) megumi ガセリ菌SP株ヨーグルトを例に、制度の前と後でコミュニケーションがどう変わったのか、他のメディアではリーチしにくいサラリーマン層などへ訴求する新聞広告の役割を中心に聞いた。

3000種類の中から選ばれた乳酸菌で作られたヨーグルト

── 最初に、雪印メグミルクのヨーグルト、恵 megumiブランドについて説明してください。

腸には小腸と大腸がありますが、両方の腸内環境を整えることが大切であるという考えに基づき雪印メグミルクは商品開発を行っています。弊社のミルクサイエンス研究所では約3000種類の乳酸菌を保有していますが、その中で小腸には「ガセリ菌SP株」、大腸には「ビフィズス菌SP株」(注)が届いて健康維持をサポートします。それらが入った商品を「恵 megumiブランド」として展開しています。

「恵 megumiブランド」には2系統あります。一つは「ナチュレ恵 megumi」シリーズです。大容量タイプのナチュレ恵 megumi ・脂肪0(ゼロ)、フルーツヨーグルト70g×4があります。これらの商品には、いずれも「ガセリ菌SP株」「ビフィズス菌SP株」の両方が含まれていて、「ナチュレ恵 megumi」は特定保健用食品(以下、トクホ)を取得しています。

もう一つは「恵 megumi」シリーズで、それぞれの乳酸菌に特化した商品です。「ガセリ菌SP株」に特化した「恵 megumi ガセリ菌SP株シリーズ」には、食べるタイプとアロエ入り・豆乳仕立てとドリンクタイプがあり、「ビフィズス菌SP株」に特化した「恵 megumi ビフィズス菌SP株カプセルヨーグルト」には、食べるタイプとドリンクタイプがあります。特にドリンクタイプは機能性表示食品として発売以降好調で、機能性表示食品前の2015年7月を基準にすると出荷本数で8倍に増えています。また、昨年8月には宅配専用の「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト宅配専用」(食べるタイプとドリンクタイプ)も発売しています。

(注) 雪印メグミルクが所有する「ガセリ菌SP株」「ビフィズス菌SP株」は、旧雪印乳業が発見したということでSnow Probioticsの頭文字をとってSP株と名付けられた。多くの乳酸菌は短期間で体外に排出されてしまうが、「ガセリ菌SP株」「ビフィズス菌SP株」は日本人の腸から採取され、培養されたヒト由来の乳酸菌で、腸に長くとどまるという特性がある。

「恵 megumiブランド」の商品構成

── ターゲットは違うのでしょうか。

大容量タイプの「ナチュレ恵 megumi」シリーズはファミリー層を中心に狙っている商品で、「恵 megumi」シリーズは、高齢層を中心に、サラリーマンや若い女性も狙っている商品です。

2016年12月22日 朝刊

広告で機能をストレートに言えるようになった

── メーカーにとってトクホと機能性表示食品制度の違いはどのへんにあるのでしょうか。

消費者庁に届け出ることはトクホと変わりませんが、費用やスケジュールを圧倒的に抑えられるところが違います。トクホは弊社の提出したエビデンス(科学的根拠)に対する国の審査がありますが、機能性表示食品は機能性の科学的根拠を届け出ることで機能性表示が可能になるからです。その結果、コミュニケーションも大きく変わりました。

── どう変わったのでしょうか。

機能性表示食品制度以前というのは、それまではトクホ(と栄養機能食品)以外の食品は基本的に健康維持をサポートするという内容以上の機能を訴求することはできませんでした。機能性表示食品届け出前の「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」も、「(腸に)長くとどまる」という特性をうたっていましたが、健康への直接的な機能をうたったものではなかったのです。それが機能性表示食品届け出後は、「内臓脂肪を減らす」と機能をストレートに言えるようになった。広告の要素も、この「内臓脂肪を減らす」訴求を強化しています。シンプルにコミュニケーションをすることができるようになり、店頭でも「内臓脂肪を減らす」というわかりやすい販促ツールでの売り場展開ができるようになりました。その点では購買に結びつきやすくなったと言えます。

機能性表示食品届け出前と後のパッケージ

新聞はサラリーマンと高齢者層に届く

── 機能性表示食品届け出後の新聞広告の使い方についてお聞きします。

読売新聞は朝刊一面「編集手帳」横の小枠広告を毎週定期的に出稿しています。「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」の販売チャネルは当初はスーパー、ドラッグストアが中心だったのですが、昨年から売れてきたことによってCVSでも扱うところが増えてきました。「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」は高齢者がメーンのターゲットと言いましたが、次に重視しているのがサラリーマン層です。新聞の小枠広告は、数を重ねることによってサラリーマン層の1日の生活動線の中で広告認知と購買活動がリンクすることを狙っています。新聞で最も閲読率の高い平日の一面、「編集手帳」脇の広告に強くこだわっているのはそのためです。この広告の記憶が残っているうちに、立ち寄ったCVSで商品に接してもらうことを狙っています。新聞は他のメディアではリーチしにくいサラリーマン層に効果的なメディアだと思います。

── CVSで販売されるようになったのはいつ頃からですか。

2016年に入ってから取り扱いが増えました。コミュニケーションが浸透してきたことと、生産体制が整ってきたことが背景にあります。CVSで商品が売れ出すと一気に販売量が増えるので、モノの販売の場合はコミュニケーションを充実させつつ、生産体制を整えていくことが重要です。実際、弊社の生産体制が整ってきたのは昨年夏過ぎぐらいなんですね。

── CVSで商品が扱われるかがブレークスルーのポイントなんですね。

確かにCVSに入る、入らないは大きいですが、最初数量が伸びて、後で急失速というのは、よくある話ではあるんです。ただ、CVS以外のチャネルでも定着していることも大事です。

── 昨年秋から宅配専用の商品も出されていますね。

牛乳販売店の宅配は弊社が以前から力を入れてきたチャネルですが、機能性表示食品の宅配専用商品としては、これが初めてです。反響が多いのは高齢者で、継続摂取する方が多く、ロイヤルユーザー化につながっています。また、ネット通販でも伸長しています。1日1本、継続摂取が効果を生む商品ですし、まとめ買い需要も促進されています。今後、宅配やネット通販の更なる需要拡大を見込んでいます。

── 高齢者にリーチするメディアはなんでしょうか。

全国紙、地方紙などの新聞には注目しています。新聞は信頼されているメディアですし、世帯へのリーチもある。機能性表示食品と相性がいいと思います。

2016年9月5日 朝刊(半5段広告)

ターゲットごとのエンドベネフィットで訴求

── 能性表示食品を消費者はどう受け止めているのでしょうか。

機能性表示食品は、医薬品、サプリメント、「健康食品」と呼ばれるものとは違うポジションにあると思います。医薬品には効果もありますが副作用にも留意が必要です。サプリメントや「健康食品」は、抵抗感を持つ人もいるのではと思います。機能性表示食品は食品で機能が報告されているという期待感、安心感があるので、非常に消費者に受け入れられやすいのではないかと思います。

機能性表示食品の位置づけ

── いつ頃から「ガセリ菌SP株」の機能性に注目されましたか。

実は「ガセリ菌SP株」には、内臓脂肪を減らすだけでなく、整腸効果、免疫力強化などさまざまな機能があることが弊社の研究でわかっています。さまざまな機能がある乳酸菌なのですが、マルチ機能であるが故に、以前はほかの乳酸菌と特筆した差別化ができていませんでした。そこで、「内臓脂肪を減らす」というエビデンスに絞ったコミュニケーションを考え始めました。

恵 megumiブランドサイトのTOPページ

── その結果が「内臓脂肪を減らす」だったということですか。

そうです。ただ、先ほど「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」のターゲットは高齢者とサラリーマンと若い女性だと言いましたが、実際のコミュニケーションでは「内臓脂肪を減らす」という機能を、それぞれのターゲットに合わせたかたちで訴求しています。ユーザーにとっての最終的な利益や恩恵を「エンドベネフィット」と言いますが、高齢者、サラリーマン、若い女性にそれぞれに響くような切り口、エンドベネフィットと結びつける訴求で「内臓脂肪を減らす」というメッセージを伝えています。同じ機能でもターゲットで捉え方が違うからです。機能性表示食品の訴求には、このターゲットごとのエンドベネフィットを見つけることが特に大事だと思っています。

もともとヨーグルトは、プリンやコーヒーゼリーと同じデザートの一部として、売り場展開されていました。それが年数が経つにつれプレーンヨーグルトやフルーツヨーグルトが拡大。デザート的な位置づけから抜け出して、ヨーグルト売り場を形成し、ここ数年は、さらにドリンクヨーグルトが伸びています。これまで朝食べるシーンが多かったヨーグルトがドリンクタイプの拡大で、昼食や夕食、間食など朝食以外で消費されるようになってきました。ヨーグルトと無縁だった人たちを市場に引き寄せる役割を果たしています。その人たちのエンドベネフィットを見つけてマーケティング投資をすることが、さらなる市場拡大につながると考えています。

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