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読売新聞 海外駐在員リポート

from America

米国社会に「平等」を問う、ナイキのキャンペーン

米ナイキは今年2月に「EQUALITY(平等)」キャンペーンを立ち上げた。その名の通り、スポーツを通じて平等・差別問題を取り上げた企業広告だ。

キャンペーン開始日には、ニューヨーク・タイムズに4ページにわたる全面広告を掲載した。紙面には「平等に境界はない」というメッセージとともに、NBAのスター、レブロン・ジェームズなどが登場。また、Facebook上に掲載されたCM動画は640万回以上再生され、否定的な意見も含むものの2100件以上のコメントが寄せられた。

政治性の強い広告であるため、ワシントン・ポストなどではニュースとして取り上げられた。また、企業が社会に貢献するためのCSR活動としての側面もあり、同社は平等を推進する慈善団体への500万ドルの寄付を表明している。

以前から、社会問題をテーマとした広告コミュニケーションは存在していたが、トランプ政権発足以降の情勢から、社会的表現に対する世間の関心が一層高まったのではないか。ただし、こうした広告は、多くの反響が期待できる一方、リスクも増す。実際に今年4月、デモをテーマにしたペプシのCMが黒人差別への抗議運動を商業利用しているとして、SNS上で「炎上」し、配信停止となった。

社会・政治問題は良くも悪くもSNSで拡散されやすい要素の一つといえる。関心が高い今だからこそ、広告として社会問題を扱う際は、SNSでの反応を十分に考慮した、真摯(しんし)なコミュニケーションが必要不可欠となっている。

金田明浩 ニューヨーク駐在

NYでは、道や電車を聞かれることがよくあります。赴任直後は「なんで外国人の私に聞くのか」と不思議に思いましたが、多様な人種、文化が混在するNYでは、見た目の境界が低いということでしょう。その点は、「EQUALITY(平等)」といえます。

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