adv.yomiuri 読売新聞広告局ポータルサイト

読売新聞 海外駐在員リポート

from Europe

ディオール70周年、服飾文化の歴史との融合

今年メゾン創設70周年の節目を迎えた、フランスの代表的クチュールブランド「ディオール」。ルーブル美術館に隣接するパリ装飾芸術美術館ではこれを記念し、回顧展「クリスチャン・ディオール、クチュリエ・デュ・レーヴ」を7月から来年1月まで開催している。約3000平方メートルの会場はたくさんの部屋に分かれ、衣装をはじめ、デザインデッサンや生地、香水、帽子、靴などの貴重な資料が時代やテーマごとに並び、一ブランドの展覧会とは思えない大きな規模だ。連日、会場前には入場待ちの列が延び、私が訪れた日もチケットを入手するまで30分以上要した。

この展覧会の「告知」に関するパリ市内でのコミュニケーションは、ウェブサイト、雑誌、地下鉄駅構内のビルボードなど限定的な展開である。しかし一方で、展覧会の「コンテンツ」に関するコミュニケーションは、広告ではなくほとんどが編集・報道領域で紹介されている。7月上旬の同展開幕前後、特にフランスでは、展覧会の詳しい内容は大半のテレビ局の情報番組、ニュースのコーナーで報じられ、同じように新聞、雑誌でも2~3ページのボリュームで特集されている。これらを広告換算すると計り知れない額に達するだろう。

ブランドの歴史が、クチュールの歴史、フランスの服飾文化・産業の歴史とオーバーラップし、この展覧会はもはや企業の周年事業の域を超えている。フランスが大切にする「文化」に70年にわたって貢献してきた企業だからこそ実現できた、特別な周年コミュニケーションといえよう。

阿部泰三 パリ駐在

急速なデジタル化で、欧州の活字離れは日本以上かと思っていましたが、パリでもロンドンでも至るところで読書をする人を見かけます。地下鉄で携帯の電波が入りにくいのは、活字を守るための国策なのかもしれません。

Page Top