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読売新聞 海外駐在員リポート

from America

「ミレニアルズ」はスマホで攻略できるか

アメリカでは若者層を「ミレニアルズ」と呼ぶ。日本の「ゆとり・さとり世代」と年齢が重なり、デジタル・ネイティブで従来のマーケティング手法が通じない点など特徴も同じだが、米国ミレニアルズは人口最多世代のため、日本の若者以上に重要視されている。

その重要なミレニアルズに苦戦している商品の一つが炭酸飲料で、「コーラ」2社は工夫を凝らして若者へアプローチを図る。

両社のキャンペーンの共通点は「SNSの活用」と「ファン育成」だ。コカ・コーラは人名が印字された限定ボトルを発売し、自分の名前入りボトルをSNSに投稿したくなる若者心理を突き、世界中で成功を収めた。

(上)PepsiMoji入りのボトル。絵文字の種類は数百に及ぶ。(下)PepsiMojiとコラボした「Story」の店内。ペプシの露出は控えめ。

対するペプシ・コーラは「emoji(絵文字)」を中核とする「PepsiMoji」キャンペーンを今年アメリカで開始した。ペプシオリジナルの絵文字を作り、限定パッケージとしてボトルに大きく印字した。ボトルの写真を絵文字代わりにSNSへ投稿してもらう仕組みだ。

さらにリアルとの連動も図った。NYの若者に人気の雑貨店「Story」とコラボしたが、店舗の広告色は控えめだ。内装やオリジナルグッズにPepsiMojiが使われているが、ペプシのロゴや説明の記載はわずかで、ペプシとのコラボだと一見わからない。「広告」に拒否反応を示すミレニアルズに合わせ、楽しみながらファンになってもらうことを目的とした。

新聞業界も試行錯誤し、若者へアプローチしている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は若年層に人気のメッセージアプリ「スナップチャット」にコンテンツを配信し、若者の読者開拓を目指す。スナップチャットについては2015年12月・2016年1月号でも述べた通り、各メディアが「ディスカバー」にコンテンツを掲載でき、WSJも各記事に専用の縦型表紙を作るなど、スナップチャット用に手を加え配信している。

ミレニアルズのメディア接触は多様化していて、媒体社のサイトで記事を読むユーザーは少ない。若者が使うアプリなどにコンテンツを用意すれば接触を図れるが、外部サービスへやみくもに記事を配信すると自社サイトと競合してしまう。そのためWSJはミレニアルズ以下の若者が大半を占め、既存読者層が少ないスナップチャットを記事配信の場所として選んだ。今すぐ読者になってもらうには難しい年代だが、WSJはそれを承知で、5年後、10年後の読者を育成している。手間のかかる方法だが、若者との現在の距離、将来の可能性を考えれば、遠回りとも無駄とも言えない。

各事例とも「スマホ」と「SNS/メッセージアプリ」が主軸だ。現在、若者とコミュニケーションを図る上でこれらは外せない。しかし、スマホはツールに過ぎず、スマホ以外の仕組み作りや、スマホを入り口に中長期の関係性を築くことでようやく効果を生む。好きな企業に対しては、SNSのシェアなど強力な味方になってくれるのもミレニアルズの特徴であり、大きな見返りも期待できる。若者を味方にするために、手間を惜しまずコミュニケーションを図ることが第一歩となる。

金田明浩 ニューヨーク駐在

2015年の米国の炭酸飲料消費量は11年連続で下落し、過去30年で最低だったそうです。一方、私はNYに赴任した2015年、我が人生32年の中で一番コーラを飲みました。ミレニアルズの傾向・特徴から逸脱し過ぎないよう気を付けます。

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