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from Europe

見出しの力で「選別」に耐えよ

モバイルの時代に入り、見出しの重要性が益々強くなっていると感じる。タブレットからニュースアプリを開くと、一目で分かるような報道写真と大きなフォントの見出しが表示される。気になるニュースは見出しだけで必要性を判断している。

広告の世界では、見出し=キャッチコピーに該当する。英国で生まれ、米国で成功を収めた現代広告の父デービッド・オグルヴィ氏の有名な言葉に、「ヘッドライン(見出し)はボディーコピーの5倍よく読まれる。ヘッドラインを変えただけで、売り上げが10倍も違ってくることもある」とあるほど、見出しの重要性は以前から理解されていた。アナログの時代でさえ、このように重要視されていた見出しの役割は、デジタルの時代にはもっと大きくなってきている。

一例としては、近年新聞のデジタル対応に伴い、欧州では記事見出しの力を最大限利用した新しいサイトが登場していることだ。新聞大国と言われる英国で、新聞業界の再編が加速しており、中でも高級リベラル紙インディペンデントはプリント版を廃止し、オンライン版のみに移行すると発表し世間の注目を集めている。背景には2014年7月にスタートさせたバイラルメディア「indy100」の好調ぶりがある。

これは米国で活況を呈するバイラルメディアを、欧州の信頼性の高い新聞社が軌道に乗せた好事例として興味深い。同ウェブサイトの左上枠内には、100本の記事見出しと写真がタイムライン形式でリストアップ化されている。多くの記事の中から、ユーザーがクリックし、賛成票を得た記事だけが残る仕組みだ。そのため、表示されている100本の記事は「生き残った」分関心を集める力があり、要所に設置された広告の効果も高まる。記事をクリックするとインフォグラフィックスや動画を用いて整理された記事が画面中央に読みやすく表示される。ソーシャルボタンも設置されているので簡単に拡散することも可能だ。

私たちは、知らず知らずのうちに、見出しを頼りにしていることに改めて気づく。つまり新聞、インターネット、モバイルアプリを日々目にする中で、瞬時に見出しと写真(または動画)を見て取捨選択することを繰り返しており、本当に気になる情報以外はすぐに読み飛ばしてしまうクセがついている。そのため、広告を見る際も、キャッチコピーを一目して、瞬間的に情報を選別している。限られた文字数の中で、人の心を捉える的確なキャッチコピーを発信できるか、コピーライターの果たす役割は徐々に強まっている。ソーシャルでも「拡散させるためには60文字以内に」と言われるが、アルファベットの場合、日本語のように漢字や省略表現が少ないため、難易度はより高い。

欧州でも大きく成長しているネイティブ広告でも、同様に見出しが重要になる。ヤフーと調査会社の最新報告によると、2020年にはディスプレー型広告全体の50%以上をネイティブ広告が占めることになるそうだ。今後より小さなモバイルディスプレーが普及する中、読者の関心を呼ぶ創意工夫のある記事見出し、そして読み過ごされないネイティブ広告のヘッドラインを制作する力が一層求められる。秀逸な見出しやヘッドラインのみがソーシャルやバイラルメディアを通じて拡散し、世の中を動かす記事となり広告となるのだと思う。

国友 俊 パリ駐在

パリで見かける日本語が増えつつある。ランチ時はBENTO屋に行列ができ、夜はIZAKAYAで友人とお酒を酌み交わす。週末にはEKIDEN観戦をし、暇つぶしにMANGAを読む。最近リヨン駅で駅弁の販売がスタートした。次に流行るのはEKIBENだろうか。

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