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インタビュー企業インタビュー

(Fri Jun 05 10:01:00 JST 2015/2015年6・7月号 今日の新聞見た?)

新入社員の“はじめての使命”を通して伝えるコーポレートメッセージ
伊藤忠商事   執行役員 広報部長   髙田 知幸 氏

髙田 知幸 氏

4月1日は多くの企業で入社式が行われる日だが、その日の朝刊に「新入社員のみなさんへ」と題する噺(はなし)家・笑福亭鶴瓶さんのメッセージが掲載された。その下には「はじめての使命が始まる。伊藤忠商事」。同時にスタートしたテレビCMと連動するこの新聞広告には、どのような意図があるのだろうか。

2015年4月1日 朝刊

──4月1日に掲載された新聞広告のねらいからお聞かせください。

  昨年6月の株主総会で、「ひとりの商人、無数の使命」というコーポレートメッセージを発表しました。1992年に企業理念「豊かさを担う責任」を定め周知を図ってきましたが、この企業理念の意図をよりわかりやすく、伊藤忠商事の存在意義を広く社会に伝えるために作ったのが、今回のコーポレートメッセージです。「ひとりの商人、無数の使命」をテーマに企業広告シリーズを新聞紙上で展開し、10月からはTBSの人気番組「世界ふしぎ発見!」のあとの土曜午後9時54分から「あきないのふうけい」というミニ番組の提供とテレビCMも開始しました。
  昨年の広告シリーズでは実際に活躍している現役社員にスポットを当てましたが、今年は新入社員にスポットを当て、「はじめての使命」をテーマに、実際の新入社員の新鮮な眼差しを通して伊藤忠商事を紹介しています。
  4月1日の読売新聞に掲載した新聞広告は、このシリーズの一環です。内容は笑福亭鶴瓶さんから新入社員への激励のメッセージという形を取っていますが、この日は新年度が始まる日でもありますし、社員も含め、我々が商売させていただいている取引先、株主など、すべてのステークホルダーのみなさんへ贈る言葉として掲載したものです。

──鶴瓶さんからのメッセージは、テレビCMとも連動していますね。

  実は、この4月から、「あきないのふうけい」が「きょうの、あきない」というタイトルに変わりました。同時に、一昨年『そして父になる』でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した是枝裕和監督に、番組とテレビCM両方の制作もお願いしています。是枝監督はドキュメンタリーでも非常に定評のある方ですが、テレビCMでは新入社員たちの、それこそ引っ越しを含めた入社前後のリアルな姿を追っていただきました。
  そのナレーションをお願いしたのが鶴瓶さんです。吹き込みには、私も立ち会いました。台詞は、事前に決まっていたものではなく、鶴瓶さんがうちの新入社員の写っているテレビCMの映像を見ながら、その場で感じた言葉を言っていただいたものです。「世渡り上手を恐がるな」もその一つで、いかにも鶴瓶さんらしい言葉だと思いました。ご自身でも、人との間合いの取り方には自信があるとおっしゃっていましたが、もう一歩相手の心に踏み込めば打ち解けられるのに、それができない人が多い。そういう鶴瓶さんのナレーションというか、激励のメッセージを文字にしたものが、この新聞広告です。

──新入社員を取り上げたのは、リクルートも意識したのでしょうか。

  もちろん、意識しています。採用が始まる8月までの半年間は、企業にとっても重要な時期で、そこに集中出稿を考えています。これまで伊藤忠商事の社員というと、バリバリのビジネスパーソンというイメージがあったと思うのですが、2013年からトライアル導入していた朝型勤務制度を、昨年5月から正式導入しました。残業は夜8時以降原則禁止、10時以降全面禁止です。昔のように24時間働く企業戦士が我々に求められる姿ではなくて、仕事をやるときはやるが、オンとオフ、メリハリをつけた働き方が今は求められている。女性にもっと活躍してもらうためにも、そうした考え方が大事になっていると思います。

──広告に対する反響はどうだったのでしょうか。

  今回の広告のもう一つの収穫は、社内の反響です。商社の仕事はB to Bですから、広告目的もリクルーティングか、環境か、CSRで、どうしても堅苦しい企業広告になりがちです。テレビCMが提供番組でオンエアされるといっても、わざわざその時間に見てくれる人は少ない。ところが今回のように、新入社員が登場すると、関連する部署の人たちは当然注目してくれます。新入社員同士や、その家族、友人たちも間違いなく見てくれます。社内を活性化させるという広告の力を改めて実感しました。
  今後は、初めてのプレゼンや海外出張といったシーンも登場するかもしれませんが、商社というのは資源エネルギーだけでなく、みなさんの着ている服や食品まで、生活のさまざまな分野にかかわっています。我々の「豊かさを担う責任」を、新入社員たちの使命の成長を通して、伝えられたらと考えています。