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2010.2・3/vol.12-No.11・12

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「牛乳に相談だ。」キャンペーン “親しみ”を広げ、文字で“理解”に移行

 「牛乳に相談だ。」のコピーでおなじみの中央酪農会議の牛乳消費拡大キャンペーンは09年4月に5年目を迎えた。今年度から新聞広告展開をスタートさせ、6・7・8月には5段モノクロ3回のシリーズ広告を、12月23日には15段多色の「牛乳大チェックキャンペーン」を掲載した。同キャンペーンと新聞広告の役割について、社団法人 中央酪農会議 酪農理解促進室 大崎修嗣氏に話を聞いた。

若者の牛乳離れに歯止めを

 日本の牛乳消費量は1994年度をピークに減少傾向で推移している。その原因を調査したところ、学校給食などで1人当たり消費量が最大の中高生層において、10年前と比較して飲用量が大幅に減少し、また学校を卒業すると同時に急激に牛乳離れを起こしていることが分かった。「欧米のテレビドラマの影響などで、その生活スタイルに憧れを抱きつつ、牛乳を飲むこと自体が格好良いと思われていたのは一昔前です。今や若年層の意識の中で、牛乳は“子供の飲み物”というイメージが強くなっています。また、お茶や健康飲料などの競合商品が増えたこともあり、飲料としての存在感や興味・関心が希薄になっていることも牛乳離れの進んだ要因の一つ」と大崎氏は言う。
 日本全国の酪農家にとって危機的状況のなか、消費者に牛乳の存在を再認識してもらい、牛乳を飲んでもらいたい、という思いのもと「牛乳に相談だ。」キャンペーンはスタートした。
 「牛乳は栄養価に優れ、体に良いから、飲んでください」と押し付けがましく説明するのではなく、まずは多くの人に牛乳に親しみを持ってもらうことが大切と、最初はテレビCM中心に展開した。「牛乳に相談だ。」の青地に白い文字のかわいいロゴとサウンドロゴを覚えてもらうことを第一に、牛乳の良さを伝えることも念頭に置きつつ、面白おかしくターゲットの中高生にアピール。制作を電通の澤本嘉光氏が担当し、カンヌ国際広告祭で銅賞獲得などの話題も呼んだ。同時に、インパクトのあるコピーを活用した駅張りポスターやラジオCM、イベントも展開した。
 08年からは、森永製菓・ハウス食品・明治製菓など大手食品メーカー9社からのリクエストで牛乳と他の食品のコラボレーションを実現し、店頭POPを通じて購入シーンでの露出も図った。また、6月1日の「牛乳の日」には有楽町駅付近でイベントも開催し、約5万人の来場者を集める盛況ぶりで、牛乳への親しみを増すなど一定の成果を収めている。

5年目に新聞広告導入

 「キャンペーン5年目の09年度に入り、これまでの活動で獲得した高い認知率・好意度を踏まえ、『牛乳に相談だ。』ロゴを掲出することで、牛乳についての話を興味を持って聞いてもらえる下地ができたと感じました。そこで、今後は牛乳について文字情報で伝えていく段階に到達した、ということで新聞広告を始めました」と大崎氏。
 それが09年6月末、新聞初出稿となった酪農家の物語だ。本3回シリーズは、1回目は「こうみえて、イライラしています。」のコピーで、酪農家や牛を想起させ、2回目の「くさりやすいのが、自慢です。」では牛乳の新鮮さやナチュラルさを伝え、3回目の「牛乳は受験生だ。」では安全・安心を伝えている。
 新聞広告を使った背景には、前述の牛乳への親しみがアップしたことに加えて、さらなる二つの事情があった。一つは、08年4月と09年3月の2回起こった、牛の飼料であるトウモロコシなどの価格高騰に伴う牛乳小売価格のアップだ。二つ目は、08年度に国内外で発生した食品の安全性にかかわる事件だ。
 そこで中央酪農会議は、09年後半から今までの若年層に加え、主婦層にまでターゲットを拡大。また「日本の牛乳は安全で安心な飲み物だ」ということを伝えるために、従来のロゴに「100%国産」を加えるとともに、その背景となる、牛乳は牛や酪農家によって生産されていることや安全・安心の取り組みなどの様々な情報を伝えるため、新聞等の文字媒体を活用することとなった。

2009年6月30日 朝刊
2009年6月30日 朝刊

2009年7月29日 朝刊
2009年7月29日 朝刊

2009年8月27日 朝刊
2009年8月27日 朝刊

祝日に掲載、家庭で話題に

 3回シリーズに続いて12月23日朝刊には、Webとの連動を図った「牛乳大チェックキャンペーン」を出稿した。青い空・緑の牧草・牛という酪農を連想させるすがすがしいビジュアルに「あなたはなぜ牛乳を飲むのですか?」という質問と、牛乳の特長を網羅する「おいしいから。」や「100%国産だから。」など66項目の回答を載せ、Web上で答えてプレゼントに応募するという、遊び心あふれる広告だ。
 「新聞の強みは、読者に読んでもらいたい期日を設定することができ、その日にちゃんと読んでもらえること。また、家族皆で話題にしてもらえること」と大崎氏は強調する。牛乳消費が落ち込む冬休みの直前の祝日である12月23日の朝刊を狙って掲載した本広告は、新聞媒体(中央3紙)のみの展開で大きな反響を呼び、2万件を超す応募があったという。広告を見た多くの家庭で「牛乳」が話題になったことがうかがえる。
 最後に、今後の展開について聞いたところ、「『牛乳に相談だ。』キャンペーン自体のブランド認知は上がったのですが、価格値上げもあり、牛乳消費量は減少基調を脱しきれていないのが現状です。このキャンペーンを通して、いかに実消費量を拡大していくか、ということが今後の大きな課題です」。

2009年12月23日 朝刊
2009年12月23日 朝刊

(藤原)

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