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2009.8・9/vol.12-No.5・6

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「辻井効果」てきめんの優れた商品+企業広告

 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。

6月17日 朝刊
6月17日 朝刊

 全盲の辻井伸行さんが「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で優勝というニュースが飛び込んできたのは6月8日のことでした。その約10日後の6月17日朝刊に掲載された辻井さんのCD、DVDの広告(エイベックス・エンタテインメント)について、読者がどのように反応したのか、その反響をアド・ボイス調査の結果から紹介します。

タイムリー+写真の力

 広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合である広告接触率は90.2%、「確かに見た」人の割合である広告注目率は84.0%で、ともに予測値を上回りました(図1)。特に広告注目率での上回りが29.2ポイントと大きく、広告を見た人のほとんどがはっきりと記憶し、あいまいな人がほとんどいなかったということを示しています。辻井さんは受賞直後からテレビや新聞にひっぱりだこで、広告掲載までの10日足らずの間に読者にはしっかりインプットされていたことでしょう。そこに辻井さんの演奏シーンの大きな写真がアイキャッチとしてうまく飛び込んだと考えられます。
 自由回答でも、「今が旬の、まさに新聞広告にふさわしい、タイムリーな広告」(男性40代)、「彼の演奏を聴いてみたいと思っていたので、CD、DVDの広告は、グッドタイミングだった」(女性30代)など掲載タイミングに言及するものに加え、「辻井さんの楽しそうにピアノを弾いている写真、とてもすてきで見入ってしまいます」(女性40代)など、写真が功を奏したことを示すものも見られました。

広告接触率・広告注目率※の予測値との差

クラシックを身近なものに

 次に広告評価のスコアを見てみます(図2)。広告印象度、好感度、理解度、信頼度、広告主との適合度の5項目が9割超となりました。広告関心度は9割弱ですが、各項目の平均値と比べると相対的に高スコアを得たのは関心度であることがわかります。自由回答の「機会があれば聴いてみたい。時を得たいい広告です」(男性50代)、「優勝してすごいと思う。弾いている曲を一回聴いてみたくなった」(女性20代)という声からうかがえるように、辻井さんへの関心をきっかけにクラシックを身近に感じさせる効果もあったのではないでしょうか。

広告評価
平均値=2009年4月〜6月の調査
(全業種、朝刊・全15段多色の広告169件)の平均値

エイベックスの企業PRも

 広告による行動喚起の項目を確認していくと()、辻井さんの認知がもともと高かったためにスコアが伸びていない「初めてこの商品・サービスを知った」以外のすべての項目が平均値を上回りました。この中で注目したいのは「あらためてこの広告主に注目した」です。そのほかの高スコア項目は辻井さんの話題性がもたらしたものとして自然に納得できますが、広告主のエイベックス・エンタテインメントにも注目が集まったのはなぜでしょうか。
 その理由は自由回答に表れていました。「エイベックスにクラシック部門があることを初めて知りました。改めて企業の大きさを確認させられました」(女性40代)。つまり「若者向けの音楽を発信している会社」という従来のイメージと「辻井さんのCDを出している会社」のギャップの大きさが広告主企業への注目を高める結果となったのです。広告には企業名がごく小さく書かれているだけですが、結果的には企業PRの効果も生まれていたことになります。
 今回の広告は辻井さんのCD、DVDのタイムリーな告知と、旬の題材の持つ訴求力を生かした企業広告、双方の顔を持って読者に受け止められました。

 広告閲覧による行動喚起
excel

(平賀)

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