CURRENT REPORT 2007.1・2/vol.9-No.10・11

薄型テレビの売り上げ増に合わせCS放送加入1500万件を目指す
 「地デジ」の普及が進んでいる。2006年12月1日から新たに36のテレビ局で地上デジタル放送がスタートし、その結果すべての都道府県庁所在地を中心とする約84%の世帯で地上デジタル放送を視聴することが可能になった。
 それに伴い、地デジ対応薄型テレビの売れ行きも好調だ。(社)電子情報技術産業協会によれば、地上デジタル放送受信機器の国内出荷累計台数も、06年11月に1500万台を突破したとみられている。
 地デジ対応薄型テレビの普及で、今注目を集めているのがCS放送だ。実はほとんどの地デジ対応薄型テレビには、地上・BS・110度CSの3つのデジタル放送を視聴できる三波共用チューナーが内蔵されており、BSデジタル/110度CSデジタル対応アンテナさえ取り付けていれば、リモコンの切り替え操作1つでCS放送が誇る映画やスポーツ、音楽など70以上の専門チャンネルを契約に応じて楽しむことができるのだ。
 そこで、(社)衛星放送協会理事をつとめる日活 取締役衛星メディア事業本部長の石橋健司氏に、CS放送の魅力と今後の展開について話を聞いた。


衛星放送協会 理事 石橋 健司氏 ――CS放送の視聴者が増えていますね
 はい。おかげさまで06年3月末にCS放送の加入者が1000万件を超えました。今、全国の世帯数が約5000万といわれていますので、約2割、国民のおよそ5人に1人にCS放送を視聴していただいている計算になります。
 1000万件の内訳はケーブルテレビ経由が約600万件、衛星から直接視聴していただいているのが約400万件です。あと、最近増えてきているのがネット回線を使って視聴してもらうIPTVで、現在約10万件となっています。

――CS放送の大きな特徴は
 専門性と多チャンネルですね。地上波は教養・報道・娯楽の相互の調和を保つ、いわゆる総合編成であることが法律で求められていますが、CS放送の場合は映画やドラマ、アニメ、スポーツ、音楽などそれぞれ専門分野に特化したチャンネルが200以上用意されています。

――主にどのような人々がCS放送を楽しんでいるのですか
 そうですね。特に我々が積極的な視聴者と呼ぶ「スカパー!」と契約していただいているお客さまは、自分で電気屋まで行ってチューナーを購入し、アンテナを取り付けて有料放送を視聴していただいているわけです。ですから、各チャンネルを視聴してくれている方々は、非常に熱心なファンであるといっても過言ではありません。

――広告媒体としてのCS放送は
 まだまだ視聴料収入の比率が高いのですが、各チャンネルの専門性が高いので、ターゲットをセグメンテーションしたい広告主にとっては使いやすい媒体であるといえるでしょう。
 CS放送はマスメディアではないので、「視聴率」という枠組みで考えられると、CS放送だけで200チャンネル以上あることもあり、1つ1つのチャンネルでは正直良い数字にはなりにくいのですが、確実にターゲットに届くメディアとして評価する広告主は近年増えています。

――06年11月に掲載された新聞広告は非常にユニークなものでしたね
 110度CS放送加入促進を目的とした「スカパー!110」無料体験キャンペーンの一環です。地デジ対応薄型テレビの購入者層をターゲットに据え、彼らになじみの深い怪獣「ダダ」と無料視聴の「タダ」をかけ、あえてインパクトを重視したクリエイティブにしました。
 地デジ対応薄型テレビを購入しても、そのテレビで110度CS放送を見られることをご存じない方がまだまだ多いのが現状です。ですから、まずはご家庭のテレビのリモコンのCSボタンを押してもらって、110度CS放送の楽しさを知ってもらいたいと考えています。

――広告の反響はいかがでしたか
 スカパー!110カスタマーセンターへの問い合わせ件数が通常の5倍、過去に出した新聞広告と比較しても倍以上のコール数で、翌日には対応ブースを増設したのですが、それでもすべてのお問い合わせには対応できなかったと聞いています。皆様にはご迷惑をお掛けしました。
 問い合わせ内容も「どうしたら、うちのテレビでも見られるの?」という具合に、CS放送を利用されていない方々からの問い合わせが多くありました。まさに、我々が今回狙ったターゲットに広告が届いたという証拠です。
 110度CS放送の歴史はまだ日が浅いので、説明には確かに手間が掛かりますが、だからこそ新聞という説得媒体との親和性が高かったのだと感じています。

――今後の目標を教えてください
 06年にはCS放送加入者が1000万件を超えましたが、次は1500万件が目標となります。1000万件に到達するのに約10年掛かりましたが、今後はスピードを上げたいですね。もう1回新聞に大きく「ダダ」を乗せたら、1500万件突破するとうれしいのですが(笑)。そうしたら、目標数字がすぐにでも2000万件になりますね。

11月3日 朝刊
(佐藤)
取材メモ
 CS放送を楽しむには大きく分けて4つの方法があるが、どのプラットフォーム(放送事業者に代わり、顧客営業や料金収受等の管理業務を代行する事業者)を選ぶかで視聴できるチャンネルが異なるので、まずは自分が何を見たいのかをしっかりチェックすることが重要となる。
 まず1つ目の方法は、96年にサービスを開始し、最大約290ものチャンネルを楽しむことができる「スカイパーフェクTV!(スカパー!)」と視聴契約を結ぶこと。
 2つ目はBSデジタルと同じ軌道(東経110度の赤道上空36,000kmの静止軌道)に打ち上げられているため、地デジ対応薄型テレビに内蔵されている三波共用の地上・BS・110度CSデジタルハイビジョンチューナーで視聴することが可能な「スカイパーフェクTV!110(スカパー!110)」と視聴契約を結ぶこと。
 3つ目は「J:COM」などのケーブルテレビ会社と視聴契約を結ぶこと。
 4つ目は、Yahoo! BB会員向けのVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス「BBTV」に代表されるIPTV(Internet Protocol Tele Vision)と視聴契約を結ぶことなどである。
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