AD FILES 2007.1・2/vol.9-No.10・11

身近な事例を通じてIT課題の解決役をアピール
日本ヒューレット・パッカード マーケティング統括本部 宣伝本部 本部長 僊元 敏夫氏
 
日本ヒューレット・パッカード マーケティング統括本部 宣伝本部 大麻 景子氏
 「DoCoMo meets HP」─日本ヒューレット・パッカード(HP)は、10月19日と30日の読売新聞朝刊に、ドコモのケータイクレジットサービス「DCMX」での事例を紹介する全ページカラー広告を掲載した。ドコモの革新的なサービスに、HPの技術が貢献していることを象徴的なビジュアルで表現したものだ。

先進性と信頼感を訴求

 今回、読売新聞に出稿した意図について、「携帯電話の新しいサービスという身近な事例ですので、B to B to Cを意識して一般紙を選択しました」と語るのは、マーケティング統括本部 宣伝本部 本部長の僊元敏夫氏。
 実際の紙面では店舗の読み取り機にかざした携帯端末画面の中にHPのサーバが映っている。ショッピングで使えるドコモのケータイクレジットサービスにHPのサーバが貢献していることを端的に表現したものだが、一見すると、ファッションブランドの広告のようにも、携帯電話の広告であるようにも見える。
 「一見、どこの広告だろう?と思わせることで、幅広い層に興味を持ってもらう効果を狙いました」
 紙面に登場させる洋服のデザインや携帯電話の機種にもこだわったという。
 本事例を取り上げるにあたっては、ドコモとの協調が必要だったが、「DCMX」の革新性や安全性を訴求しながら、同時にHPの信頼感をアピールできるという両社のメリットがうまく重なった。
 また掲載の時期については、10月中に同じビジュアルの広告を2回続けて出稿した。
 「繰り返してご覧いただくことによって、お客さまの中に深く印象を刷り込んでいくことを狙いました。そのため、あえて近い時期に連続して掲載しています」
 日本HPの本社には、ビジネスパートナーやエンドユーザーに向けた大規模なショールームと、最先端のITソリューションを紹介するためのデモンストレーション用の施設がある。「実感してもらう」、「体感してもらう」ということが、HPの企業方針であり、それは広告にも反映されている。
 「『うちの製品は信頼性が高いですよ』と口で言うのは簡単ですが、それでは聞き流されてしまいます。広告で我々が伝えたい『先進性』や『信頼性』を具体的に感じてもらうにはどうしたらいいかということは常に考えています」
 今回の新聞広告でも、信頼感が出るような撮影アングルやコピーワークを意識して制作されている。
 「これから世の中の基幹となっていく身近なサービスを支えているのがHPだということを、実感を伴って理解してもらえるような表現コンセプトを考えました」

ウェブへのアクセスが急増

 この新聞広告には、具体的な事例をさらに詳しく紹介する特設サイトのURLが記載されている。
 新聞広告が掲載された10月は、前月比で約150パーセントのアクセス数を記録したという。また、当該ページの滞在時間も1.5倍に増加した。
 宣伝本部の大麻景子氏は、「新聞広告で興味を持って詳しく知りたいと思った方が、実際にサイトの中でしっかりコンテンツを読んでいただいたということですから、興味の度合いは非常に高かったということが数字に表れたのではないかと思います。ページビューの伸びも掲載日に連動していたので、新聞広告の効果を改めて実感しました」と語る。
 同社では、IT系のニュースサイトのバナー広告や、SEM(検索連動型広告)にも力を入れているが、「入り口としてはウェブのバナー広告だけではダメで、新聞広告の掲載日と連動するというような仕掛けが必要です。広告紙面に多くのことを詰め込むのも得策ではなく、次のアクションにいかにつなげてもらえるかということが1番重要なところだと思います」。
 また、僊元氏は、具体的な事例を新聞広告として出すことは、社員や取引先などへのインパクトも大きいため、その波及効果を期待していると話す。
 「広告を出すということは、それだけ会社としてコミットしているビジネスであることの表れでもあります。雑誌に広告を出すこと、ウェブに情報を出すことに加えて、新聞という信頼性の高いメディアに広告を掲載することの意味は大きくて、それを社員や取引先などの関係者に感じてもらう効果は大きいんですね」
 例えば、今回の新聞広告が営業の訪問先で話題になり、HPの新たな一面を知ってもらえたりするメリットもあるとのこと。
 このようにリーチの広さや、社会的反響の大きさ、狙った効果が期待できるといった点からも、「メディア戦略を立てる上では、もちろんウェブも含めた様々な媒体を考えなければいけませんが、新聞広告が中心になるのは今後も変わらないと思います」と僊元氏。

「IT=先進」イメージから脱却

 ところで、一般的にIT業界には先進的なイメージが非常に強いのではないだろうか。だが、実際に携わっている関係者にとって、先進であることが重要なのかというと、決してそうではない。「IT=先進」というイメージだけが独り歩きしていくのではなく、「IT=身近で普通の存在」という感覚を多くの人に持ってほしいと、僊元氏は力を込める。
 「ものすごく先に進んでいるけれども、しょっちゅう止まってしまうようなシステムは誰も求めていないわけで、半歩先くらいがいいんです」
 つまり、先進であること自体に意味があるのではなく、その技術を使うことでシステムが安定し、改良につながるという信頼性が重要だということだ。
 「そういう意味では、HPも最先端のサーバや、パソコン、プリンターなどのエンドユーザー向け商品を販売する企業というイメージに加え、『お客さまの課題を解決するパートナー』として受け入れられることも、我々が宣伝活動を続けていく上での1つの目的です」

10月19日 朝刊

(梅木)
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