pick up AdVoice 2006.12/vol.9-No.9

「食育」活動まで広く支持されたキッコーマン
 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。


広告評価の6項目とも高スコア

9月24日 朝刊
 食生活に関する正しい知識を広める「食育」に注目が集まっています。キッコーマンは、「おいしい記憶をつくりたい。」をスローガンに、CSR(企業の社会的責任)の一環として「食育」活動に取り組み、さまざまなプロジェクトを行っています。その一つである「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください」エッセイコンテストと「ずっと伝えていきたい『わが家の味』」レシピコンテストを告知する全15段広告が9月24日付朝刊に掲載されました。
 アド.ボイス定型調査による広告注目率は70.4%で、予測広告注目率を3.9ポイント上回りました(表1)。男性64.2%、女性77.8%と女性の方がスコアとしては高くなっています。しかしもともと食品の広告は女性の方によく見られる傾向にあるため、予測との差はどちらもプラスとなっており、男性にもきちんと訴求されたことがわかります。
 注目すべきは、「好感度」「理解度」「信頼度」などの広告評価で、今年8月から10月にアド.ボイスで調査した同条件の広告の平均値と比較して、関心度が22.5ポイント、理解度が18.2ポイント上回るなど6項目すべてが10ポイント以上上回る高い評価となっています(表2)。特に女性20代は6項目中4項目、女性60歳以上は5項目、女性30代では6項目すべてが100%となりました。その年代の全員が肯定評価した、というのは驚くべきことです(表3)。

表1 表2 表3
表1 表2 表3


「おいしい」「記憶」「写真」がキーワード

 これほどまでに高い広告評価を得た理由は何なのでしょうか。その答えを自由回答の内容から探ってみましょう。表4は208件の自由回答でよく使われた言葉、頻出ワードのトップ10を名詞.形容詞別に出したものです。名詞で最も多かった言葉は、「写真」(59件)で、「記憶」(45件)、「子供」(37件)が続いています。形容詞では、「おいしい」(62件)と「いい/良い」(55件)が群を抜いており、「懐かしい」(14件)、「かわいい」(13件)が入っています。

表4
表4


 これらの言葉のラインアップを見ると、広告のほぼ半分を使った「子供(名詞3位)」の「写真(名詞1位)」が、「懐かしい(形容詞3位)」、「かわいい(形容詞4位)」といった受け止められ方で強く「印象(名詞4位)」に残ったことがわかります。写真はあるキッコーマン社員が子供のときのものだそうで、写真がかもしだす昭和感とコピーに書かれたエピソードがきちんと伝わって懐かしさを喚起したのでしょう。「この広告の写真と文章を読んでいると、私も小さい頃を思い出し、おいしい記憶がよみがえりました」(女性20代)、「自分子供にとって私の料理で1番好きなものは何だろうと考えました」(女性30代)など、自分が子供だった頃あるいは、自分の子供にとって「おいしい記憶」とは何であったかを答える回答も多く見られました。
 また、広告では「キッコーマンは食育プロジェクトを行っています」とさらりと触れられているだけの、「食育」が名詞の10位に入っています。「核家族化が進み家族団欒で食事をすることが少なくなっている今日、改めて本当のおいしい食事の時間が必要だと感じた」(男性40代)という自由回答に見られるように、プロジェクトの意図もきちんと理解されているようです。
 懐かしくてかわいらしい写真に目を引かれ、「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください。」というコピーで自らの食の原体験に思いをはせ、潜在的に持っている食育の問題意識が刺激されたのでしょう。キッコーマンの、味と食べる環境によって作られる「おいしい記憶」をたくさん作るサポートをしたいという気持ちの込められた食育プロジェクトの取り組みが正しく伝えられ、その結果高い評価を得たものと考えられます。
 じっくり接触できる印刷媒体だからこそ読者1人1人の意識や経験が有機的に作用して広告評価を高めることができたのでしょうし、中でも読者層の広い新聞だからこそ、老若男女に幅広く訴求できたのです。

【自由回答コメント】
 おいしい記憶の題名に、昔、親に作ってもらった数々の料理が思い出されました。写真の女の子の愛くるしい笑顔がたまらなくかわいかったです。(男性50代)
 笑顔がとてもいい。写真が古くて昔を思い出させる。(女性20代)
 醤油は伝統的な食品ですが、そのと品質を確保している点に感心しています。キッコーマン食育プロジェクトは初めて知りましたが、ぜひHPで確認するつもりです。(男性60歳以上)
 食育というのは本当に大切なことなのですね。子育てしていた時は夢中だったので、あまり意識することはなかったのですが、子供の頃の食事の仕方は大人になってもかなり影響をおよぼします。今、子育てしている人たちに積極的に食育の広告を発信してほしいものです。(女性50代)
 おいしい記憶というフレーズとかわいい女の子の写真がとてもよくあっていると思う。色もキッコーマンらしい感じ。食育プロジェクトについても好感が持てる。広告を利用してもっと広報に力を入れてほしい。(女性30代)
 現在のおいしい記憶だけではなく、広告写真から昭和30年頃の、昔の懐かしさが感じられた。(男性50代)

(中西)
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