ojo interview 2006.12/vol.9-No.9

川口 清勝氏
川口 清勝氏

 今年、三井物産「MAG‐LITE」で、ADC賞グランプリを受賞。コピーライターの秋山晶氏、写真家の藤井保氏と13年手掛けてきたハイクオリティーなブランディングが、高く評価された。
 「ブランドの価値を上げたり、定着させていくには、それが世の中でどう見られているかを理解することが必要です。商品によってブランディングのやり方は違いますが、そこを理解していないとアートディレクションは出来ませんから」
 99年、突如4人で電通を飛び出し、TUGBOATを設立して注目を集めた。唯一のアートディレクターだが、表現を作る前に、まず広告が機能するためにはどうすればいいか、戦略的に考える。
 「広告は、もはや表現ではないんです。誰もが新聞やテレビなどのメディアを楽しみにしていた時代には、キレイなものをメディアに乗せればみんなが注目してくれました。でも今は、人に気づいてもらうためのシステムや環境作りから始めないとダメなんです。若かりし日々、たくさんの単車が集まる中で、どうすれば自分のバイクが1番目立つか考えていたことと、どうすれば広告を見てもらえるかを考えることは一緒だと思いますね」
 小さいころから、人のいうことは聞きたくないタイプ。少林寺、柔道、ラグビーを通じて人とぶつかりあう中で、「負けるつらさ」と「いかに勝つか」を学んできた。
 「だからなのか、人と意見がぶつかっても、別に気にしないようなところがありますね。一晩寝ると嫌なことも忘れるし。でも、負けた経験が多過ぎるから、勝とうと思って一生懸命考えるんです。相手の意見が正解だと思っても、それを上回る答えを出せればいいかなぁと(笑)。なかなかうまくいかないけど」
 今年8月、様々な雑誌をプロモートするためのポータルサイト「magabon」を立ち上げ、自ら編集長に就任した。
 「年々、雑誌の販売部数が減っているのは本当に心配。新しいやり方で雑誌のファンを開拓していきたいと思います」
 また、負けられない勝負が始まった。

文/横尾一弘  写真/清水徹

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