CURRENT REPORT 2006.12/vol.9-No.9

ユニークな商品展開で世界の女性に支持されるブランドへ
 女性にとって、美の追求は永遠のテーマであるらしい。百貨店の化粧品売り場では、老いも若きも、自分自身を美の理想像に近づける化粧品と出会うべく、ビューティーコンサルタント(美容部員)に熱心に質問をぶつけている。
 そんな中、今、彼女たちに注目されている化粧品ブランドが2つある。1つは、メイクアップアーティスト系ブランドとして、若い女性を中心に支持されている「RMK」。もう1つは、30代以降の大人の女性を中心に、従来のメソッドを無視したユニークな顔筋マッサージやファンデーションが支持されている「SUQQU(スック)」だ。
 実は、これらのブランドを展開するのは、「エキップ」という設立10年を迎えたばかりの、まだ若い会社だ。そこで、同社取締役営業企画部長 石橋 寧氏に、両ブランドがわずかな期間で成功を収めた理由と、今後の展開について話を聞いた。


取締役営業企画部長 石橋 寧 氏 ――RMK、SUQQUともに好調ですね
 私は世界で1番化粧品の情報収集に熱心なのは、日本の女性たちだと思っています。また、非常に多くのファッション誌やコスメ誌が発行されています。ですから、皆さんかなりコスメに関する情報を持っていらっしゃるので、百貨店の化粧品売り場で彼女たちに選ばれるためには、商品になにか特長が無いと難しいのです。
 おかげさまでRMKは10年を迎えますが、ニューヨークの感性をハイクオリティーな品質とリーズナブルなプライスで提供してきたこと、かつ毎年春と秋にコレクションを発表し続けてきたことで、時流に乗ってこられたのかな、と思っています。
 SUQQUは世界中の30〜40代の女性をコアターゲットにしています。RMKがニューヨークの情報発信ブランドだったのに対し、SUQQUは東京です。日本から世界に向けて情報発信すべく、最初からグローバル展開を視野に入れて開発してきました。
 SUQQUのデザインコンセプトは「イースタンハイタッチ」、つまり東洋です。商品の色も翡翠をイメージした薄いグリーンだったり、香りも東洋蘭「三世冠」をイメージしたものだったりと、あらゆるところで東洋を意識しています。ちなみに、ブランド名のSUQQUは日本語です。「すっく」とした女性の凛とした立ち姿から命名しました。
 現在、百貨店の化粧品売り場には、エスティローダーをはじめとするアメリカ系や、ロレアル、シャネルなどのヨーロッパ系、そしてカネボウ、資生堂など、40以上ものブランドであふれています。そんな中でもRMKやSUQQUは、特長がはっきりした個性があるブランドとして、デビュー時から存在感を誇示できてきたのではないかと自負しています。

――カネボウ化粧品が親会社ですが、「カネボウ」ブランドを使わなかった理由は
 エキップ設立当時の鐘紡は、様々な生活商材を作っている会社でした。薬やラーメン、繊維製品などありとあらゆる消費財を100年間作ってきたわけです。化粧品部門は後にカネボウ化粧品として分かれましたが、今でも百貨店専用ブランドもあればコンビニ用、ドラッグストア用があり、価格も数百円のものから何万円のものまで非常に幅広く、男性も含めたすべての人をターゲットに「カネボウ」というブランドで商品を出しています。そこで、今後グローバルに展開していこうというときに、本来のブランドと差別化するためにも“アウトオブ”戦略、つまり別会社にしたのです。

――新聞広告は販促が目的ですか
 我々が出す新聞広告は、商品広告ではなく企業広告です。7月に掲載した広告紙面にもSUQQUと書いておりますが、これもエキップで出した企業広告です。
 ただ、純粋に商品告知を行うだけなら女性誌で良いのです。この広告を見て、明日買いに行こうと思う人は恐らく少ないでしょう。それよりも、新聞ではブランドイメージであったり、企業イメージというものを長い目で訴えていきたいんですね。
 さらに、この広告は一般の消費者はもちろんですが、当然同業者や百貨店、流通関係の方も見るわけです。正直、新聞広告は安いものではないので、これだけのスペースで掲載すれば「SUQQUさんすごいね。勢いがあるんだな」と思っていただける効果もあります。

――RMK、SUQQUに続くブランドは
 そのためには、立ち上げから3年たったSUQQUを、より安定したブランドに成長させなくてはいけません。現在、国内27店舗、海外2店舗体制ですが、国内に50店舗あるようになれば、ある程度の経済単位になりますので、次への投資が可能になります。ただ、その際も世界の流れをよく研究し、ユニークだと言われるような商品を開発しなくてはいけません。そうしないと存在感が出ませんからね。

7月2日 朝刊

(佐藤)
取材メモ
 エキップは、鐘紡(現・カネボウ化粧品)の子会社ながら、「カネボウ」の名を出さない独自ブランドの化粧品製造・販売会社として、1996年11月に設立された。
 同社の第一号ブランドである「RMK」は、ニューヨークを中心に世界で活躍する日本人メイクアップアーティストRUMIKOをクリエイティブディレクターに迎え、1997年3月に発表。「健康的かつ洗練されたナチュナルメイク」と「使い方は簡単なのに、仕上がりはプロ並みの完成度」が20代の女性から支持され、今では国内84店舗、海外24店舗、免税店2店舗(成田)を展開する、百貨店にはなくてはならないブランドになっている。
 2003年9月に発表した「SUQQU」は、40代の大人世代が求める美しさへの解答を、女優顔からヒントを得たテクニックとユニークな商品で実現した、まったく新しいコンセプトの化粧品ブランド。伊勢丹新宿店に第一号店をオープンさせると、その人気の高さから国内外から出店要請が殺到。わずか3年で国内27店舗、海外2店舗を展開させるまでに急成長している。
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